必殺技
晴美はそう言うと、まず光秀に向かってダッシュして来た。奴の能力の範囲は、
固く握られた手の回り、ボクシンググローブのような形をしていた。
しかし、間合いの詰め方が尋常じゃなく速い。ボクシングをしていたかもしれな
い。あっという間に詰め寄り、
「ハッ、一人目、ふごーかっく(不合格)、0点」
光秀にアッパーを食らわしていた。殴られた途端に光秀は、空気の入った風船か
ら空気が抜けるように空に飛んでしまっている。
「ハッ、俺の能力はつまり、暴走させる」
後ろからお助けーという光秀の声が聞こえる。
……、悪いしばらく飛んでいてくれ。
次に級長の元へ。
「二人目、ふごーかっく。まあ、女の顔を傷つける趣味はねぇ。また、0点」
と級長の肩に軽くジャブをした。すると級長は地面を少し削って、花に変えたり
、イチゴに変えたり、ジャムに変えたりと三回能力を使うと、ペタンと地面に座
り込んだ。ハァハァ言っている。
今日は攻撃を防いだりもしているので、精神的にも体力的にも疲れたのだろう。
次に、僕の元へ。
僕は来る前から盾をだしていた。ので後ろに回りこむことはわかっていた。予想
どうり、後ろに回って来た。
僕は怜君、と叫ぶと怜君は僕の後ろにいる奴のさらに後ろから、両木刀による攻
撃を仕掛ける。その前に僕は奴から一撃をくらっていた。
「ハッ、連携はナイス、20点、だが、ふごーかっく」
と言っている間に怜君に一撃入れていた。速すぎる。
怜君も奴にかすり傷を奴の腹に一発いれていた。ちなみに僕は盾が出たり消えたりを繰り返していた。
「ハッ、どいつも、こいつもふごーかっく、まだまだだな」
怜君の様子を見ると、少しおかしい。他のみんなは暴走したのに、怜君だけ……
よく見ると、クロスしている木刀に濃い緑色の光が行ったり来たりしている。あ
れはもしや、倍にする能力が、行ったり来たりしている?だとしたら……。
晴美は僕の方を見ながら、何か話している、そして、そう思うだろ? と後ろを
振り向いた瞬間、怜君は、たまっていた力を爆発させ、奴めがけてクロスに両木
刀をぶち当てた。
「加重カウンター!」
「ぐはっ!」
晴美はその場で倒れた。
「ありがとう、お前のおかげで前に進めた。両木刀をクロスさせ、力を行ったり
来たりさせることで、二倍ではなく、行き来で四倍また、行き来で十六倍となる
必殺技を得た」
晴美は片膝をついて右手を腹に当てると、
「お前……、一体? ハッ、ククッ、ハッハッハ。成る程な、お前ぎりごーかっ
く。65点。面白い奴、一人いるじゃん。いいところに招待してやるよ。通神閣、
これがキーワードだ」
といい、彼もまた、闇夜に消えて行った。
僕達は、いったん、源さんの元へ帰ることにした。そして、一通り話した後、
ぐっすり眠った。
そして、源さんがテーブルに着くと、
「では、これからのことじゃが、どうする?」
ミーティングが始まった。怜君はバンッとテーブルを叩くと
「俺達がすべきことは三つある。まず、何だと思う?」
光秀が手を挙げた。
「はい、トンガリ」
と、怜君は光秀をあてた。光秀は怒るかと思ったが、意外に冷静だった。もう慣
れてしまったのかも知れない。
「戒を追って、世界を元に戻すこと」
「まあ、間違いではないが、それは最後だな」
じゃあ、はい。と級長。
「秘霊石の力を手に入れて彼らを倒せる力を得ること」
「まあ、それも間違いではない。けど、それは二番目」
最後に僕が手を挙げた。
「情報を得ること。まだ何もわかっていないと思う」
「くっ、どいつもこいつも」
怜君は堪忍袋のおが切れたのか、先程よりも強い力でテーブルを叩いた。
「まず、必殺技を会得することだろう」
怜はお気に入りのキャラです。よって、強くしてしまいましたが、そんな彼にも弱点が……。
他のキャラも強くしていく予定です。
乞うご期待!
なんちゃって。