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追跡、戒さん

源さんと光秀に起こったことを全て話し、一休みした後、光秀の話を聞いた。

「リミットルームは習得したぜ。楽勝だった」

僕は麦茶を飲みながら一息つく。

「あの、特訓用天使界(無限回廊)だよね。真っ白い、一本道の」

「そうそう。俺様のセンスが光る瞬間だったな」

……こいつの場合、妄想力がすごいから、精神力もあるのかも知れない。恐ろし

い奴だ。

源さんが言うには、弟子の中で一番、創造力がすごいらしい。能力の出し入れも

すぐに出来るようになったとか。

まあ、少し悔しいのは否めない。


そして、今度は光秀も含めた四人で再び戒さんの情報を求めて、学校の天使界へ

その後、僕は怜君に怜君の能力で疑問に思っていたことを訊いた。

「怜君、木刀に能力がついているように見えたんだけど」

「ああ、能力は武器に付加できる。ただし、能力の範囲、形は変わらないからな

……つまり、僕の能力の形は盾だから、剣を武器にしても盾と重なる部分しか、

能力を纏えない、と言うことか。意味ないじゃん。


そして、天使界へ。

怜君は以前と同じく、天使界ネットワークにアクセスすると、情報を探し始めた

。光秀は、

「お? 俺にもできるかな」

と言うと手元でまるでキーボードがあるかのように打ち始めた。

すると、空に検索画面が……。

何故だぁー。僕は本気で頭を抱えてしまった。

級長はまあまあ、得手不得手はあるから、とフォローしてくれた。


怜君が、何かにきづいたみたいだ。

「奴は天使界を転々としている。今いるのは……、そこか!」

と言うと怜君は光の扉を開き、その中へ入って行った。僕達も続く。


そこは霧の濃い世界だった。何も見えたものじゃない。能力者だから天使界で

だんだんと体が濡れてくる、ということはないものの、六メートル先がぎりぎり

見えるくらいだ。

「まいったな、これでは何も見えない」

怜君もお手上げらしい。

その時、僕は何かがいるのをぼんやりと見つけ、追って行った。

「待て、翔。単独行動は危ない」

光秀達が追って来た。

「何か見つけたんだ。戒さんかもしれない」

近くまでいくと、大きな蟹、それも五メートルはある蟹だった。視界が蟹で埋ま

る。

守護者か……。

「気をつけろ! 攻撃してくるぞ」

怜君がそう言った途端、右のハサミを大きくふり下ろしてきた。

直前までそこにいた、僕と怜君は両脇にそれぞれ避けた。

蟹は連続攻撃してくるかと思えば、霧の中に消えていた。警戒していると、鋭い

音ともに矢のような水が飛んできた。それは凄まじく速く、見えたかと思えば、す

でに光秀に当たろうとしていた。

……が、その時級長が素早く光秀の前に滑りこんで両手でその矢を弾いていた。

源さんにしてもらった遠距離の攻撃をオートで弾くという縛りが、今発動したの

だろう。モンスターの能力(攻撃)も能力で防げるんだなぁ。

「あ、ありがとう。美智子」

「いや、体が勝手に。と、いうより疲労感が凄まじいんですけど」

級長が言うにはあと四回も防げば、身体が持たないと言う。とか話している間に

、二回防いでいた。

猶予がない、と思った僕は、能力を使い、とりあえず見たときの場所に蟹を戻し

た。いきなり虚をつかれた蟹は一時的に動きが止まった。

僕は

「怜君!」

と叫ぶと、怜君は無理だ。と言った。木刀が折れるし、能力を纏っても、奴には

もとよりダメージがない。2×0=0だ。と言っていた。

どうすれば……。

考えているうちに蟹は霧の中に消えようとしている。光秀は飛んだり飛ばしたり

出来る能力……か。

そうだ、重力を使えば。

「光秀、蟹を空に飛ばせ」

光秀はきょとんとした顔であ、ああ。と言うと、能力のボールを蟹にシュートした蟹は六メートル以上、上がって、落ちてきた。

かなりの振動で僕達も揺れたが、蟹には傷一つない。



みなさん、蟹はお好きですか?

筆者は嫌いです。

手強い……というより食べづらいからです。

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