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しずかぁ。

モンスターは怜君によると、オークという種類らしい。猪顔で、棍棒を持ってい

る、あれだ。……が、三匹いたそうだ。

「三匹もだぞ、信じられるか? パワーは怪物だしよぉ」

「う~ん、すごいね」

でも怜君は木刀ですでにオーク二匹を倒していたらしい。能力も使ったのかな?

「あとはオーク一匹な訳だが、俺のシュートが効かないのなんのって」

こいつ、モンスターにサッカーボールで挑んでいたのか……。ある意味凄い奴か

もしれない。

「そこで閃いたわけよ、能力だけとってとんずらしちまえ、と。俺って天才?」

「いいから続けて」

そして本当に能力だけとってとんずらしてきたらしい。能力について訊くと、

「ああ、飛ぶ能力だ。詳しくは明日、じいさん(ゲンさん)に訊きにいこうかと思

ってる」

……飛ぶ能力。光秀、飛ぶのか。いいなぁー。羨ましい。

そして、少し雑談してから電話をきった。

辺りは暗く、僕は部屋の電気を消し、明日に備えることにした。


そして、明くる朝。光秀と級長と僕とで、ゲンさんのもとに向かった。

「ふむ、光秀君の能力の範囲はサッカーボールのようじゃな。それと、両手足。じ

ゃから、能力の反発を利用して蹴ってとばすことができる。当たった相手や物を

自由に飛ばすことができるようじゃ。一度に出せる球は四つ。じゃな」

光秀は礼を言った。

「サンキュー、じいさん」

そして、ゲンさんは光秀を修行の為、預かると言った

そして、ゲンさんはふと、訊いてきた。

「今更じゃが、何故に翔君達は能力を使いこなしたりしたいのかな?」

「それは……」

僕は説明した。病気の妹を救う為、神聖石が欲しいことを。その為には能力者

になることが必要だと言われたこと等。

「成るほど、しかし、それは早く言いなさい。翔君はもう、妹を助けることがで

きる」

「え?」

どういうことだろう?

「何故なら、翔君の能力は以前見たものに戻す力だから。」

「あ」

そうか、もう危険な目に会う必要はないんだ。

妹を治せるんだ。

これで、終わるんだ。

いつの間にか僕の目には涙が流れていた。

「すぐに妹さんの元に行ってあげなさい」

「ありがとう、ゲンさん。級長、光秀、行こう!」

「ええ、行きましょう」

「なんだ、もう旅は終わりかよ。でも、ま、静ちゃんが治るのなら行くっきゃな

いな」

ゲンさんにお礼を言い、僕達は早速、妹の元に向かった。

「静っ!」

僕は急ぐあまり、勢いよく、病室の扉を開けてしまった。中にはベッドに寝て

いる静とその横で椅子に腰かけているおじいちゃんがいた。

静は今は眠っているようだ。

「どうした?翔。いきなり来てびっくりしたぞ」

「おじいちゃん、静を治すことが出来るんだ!」

「どういうことなんじゃ?」

僕は事情を説明した。

「ほう、ならば早速。」

「うん」

僕は能力を使った。

戻ってこい、元気な静。 すると、静がゆっくり目をさました。

「……、お兄ちゃん?」

「静、どっか悪いところはないか?」

「そう言えば、苦しくない」

僕は自分のおでこを静のおでこにくっつけた。

「うん、熱もないな」

この後、医者が来て治ったことに驚いていた。天変地異の前触れかー、とか言

っていたけど、失礼だな、僕の努力の結果なのに。

静は一週間安静にして、何もなかったら、退院、ということになった。その後

、しばらく静と話をしていたけど、気がつけば、級長と光秀はいなかった。僕に

気を使ってくれたのかもしれない。

そして、家へと帰った。帰り道、じいちゃんが、

「ところで翔や、言い訳にしていた夏休みの長期合宿についてじゃがの、本当に

学校から長期合宿の紙が来ての」

「え!ってことは」

「どうやら、ばれてしまったようじゃの」

「え~、親にどう言い訳すればいいのさ」

じいちゃんは無言だった。目は笑っていたが。

じいちゃん、こんな時に言って欲しかった。

まだ、希望はある、と。



すみません、とばしましたね。

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