長所と短所
そして、分かる能力で調べてもらった。
「ふむ、翔君の能力は人や物を翔君が以前見たことがある状態に戻すことが出来る能力のようじゃ。でかい盾じゃから動かすことは出来ん。出し入れが重要になるじゃろう。盾は五ミリ四方の線で構成されておるようじゃの。能力の戻す力や、その範囲、盾ということからして防御に向いておるようじゃ」
僕はお礼を言った。
そして、僕達は今日は各々の家に帰ることとなった。
明日は、ゲンさんの提案で、能力を持っている僕と級長はゲンさんの元で修行や講習を受けることになり、光秀は怜君と、光秀が能力者になる為に天使界か、無人島の洞窟(前とは違うところだ。)に行くことになった。
帰る前に、次は戒さんは参加してくれないんですか、と聞いたが、どうやら、大学受験で忙しいらしい。
戒さんは、
「大丈夫、君達なら、大丈夫」
と笑顔で言ってくれた。その言葉は僕に自信を与えた。
光秀が、
「明日はお前と一緒に行動出来ないのか、つ~か、怜とかよ!う~ん、ジェラシー感じるな」
級長にジェラシーって……。まあ、この機会に怜君と仲良くなってくれるといいんだけど。
翌朝、僕は級長と小学校で待ち合わせし、一緒に、ゲンさんの元に向かった。
「よく来たな」
ゲンさんの家をノックして入ると、ゲンさんはベッドで横になっていて上半身だけ身体を起こしていた。ベッド横のカーテンは開いてあったので、今起きた訳じゃなさそうだ。
ゲンさんは、よっこらせ、と身体を反らすと立ち上がりコーヒーを用意してくれた。コーヒーを飲み終えると、ゲンさんの講習が始まった。
「戦いの基本はリミットルーム、いいかな。では、リミットルームとは、何じゃったかな?はい、美智子ちゃん」
級長が手を挙げ、すぐに、はい、能力の範囲を見えるようにする技です。
と答えた。
「その通り。相手の能力や自分の能力の範囲が透明な薄緑色に見える技じゃ。この技は常時使えるようにしておく必要がある。その訓練は後でしよう。大丈夫、能力者なら、負担は物を見るのと同じくらいじゃ。次は長所と短所について」
外に出て翔君の能力を出してごらんといわれ、外に出た。
盾を出すと、
「美智子ちゃん、空中に五角形をかいて翔君の盾に触れてみてくれんじゃろか」
確か、空中に五角形を描く、は級長の能力発動の鍵だったはずだ。
級長は言われた通りにした、すると、盾に級長の両手が触れた瞬間、バチっとその両手を弾いた。
「これが、能力の反発じゃ」
僕と級長はほぉ~、と感心していた。
「能力同士は相入れることがない。じゃが、例えば、美智子ちゃん、ハゲをイメージして翔君の頭を触ってごらん」
級長は恐る恐る、僕の頭を触れた。すると、頭がやけにすーすーする。……まさか。
「この通り、ハゲになる。じゃない、能力が効く。能力の範囲以外の場所を能力で突けば、こうなるんじゃよ」
寒いと思った。まだ、小六なのに。ひどいや、級長。級長はごめん、といいながら戻してくれた。
「見たところ翔君の盾は素早く出し入れできるようじゃ。これなら、近接型の能力はほぼ、防げるじゃろう。これは長所」
うん、昨日確かめたけど、出し入れは一秒もかからないぐらいだ。
「じゃがな、相手が遠距離型の能力者の場合、弾を操作されて盾のないところから撃たれたり、又は翔君の盾の合間、五ミリ以下の弾だった場合、モロにくらってしまう恐れがある。これが短所じゃ」
成るほど、僕の能力は近距離の防御に特化している、ということか。
「講習、これでおしまいじゃ。何か訊きたいことは?」
関係ないですが、最近、散歩してます。
ダイエットです。この散歩を小説に活かすには!
と毎日考えております。