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戒さんと恐竜と包帯と眼帯

翌日、僕と光秀はゲンさんのお孫さんと公園で待ち合わせをしていた。

「ところで翔、次の場所はどこなんだ?」

ベンチに座りながら、網ごしのサッカーボールを蹴る光秀。朝、出発するときにも言ったのだが、懐中電灯はともかく、サッカーボールまで持ってくこともなかろうに。光秀いわく、意外に役に立つ時がある、だそうだ。

僕は地図を拡げた。光秀が地図を覗きこむ。

「うへぇ~、いっぱいあり過ぎてどこからいったらいいかわかんねぇな」

「そうだね、この前は近い無人島に行ったけど、この辺りにも太陽のマークがあるんだよね」

「ふむ、これは能力者でないと行けないところかな?」

僕と光秀は驚き、後ろを見た。ベンチの外側に僕と光秀の知らない第三者が地図を覗きこむようにして立っていた。

「ああ、これは失敬。僕は戒だべろっ!」

話の途中で光秀の網のとれたサッカーボールのシュートがその人の顔に炸裂していた。

僕はポカン、と口を開けてみていた。

……どうやら、高校生ぐらいに見えるこの人は、気絶してしまったらしい。

「光秀、なんで?」

「いや、手っ取り早く見分けようと思って。能力者ならよけられるだろ、と思ったんだが、……。一般人だったのかな?」

「いや、戒って言ってたし。ゲンさんのお孫さんで間違いないと思うよ」

「マジで?」

取り合えず、呼びおこすことにした。そして二人で土下座して謝った。

「まったくもう、びっくりだよ。いきなり顔にシュートをきめられるとはね」

戒さんは起きて、記憶をとり戻してから、そう言った。

「で、能力者しかいけない道というのは?」

僕は話を反らしてそう聞いた。

「ああ、正確には能力者にしか見えない扉があって、能力者がそれに触れると行ける場所、だね」

光秀が手を上げて、

「先生、質問」

「何かな、乱暴な光秀君」

どうやら、僕達のことはゲンさんに聞いてたらしい。

「それじゃあ、俺達はそこにはいけないんですか?」

「いや、能力者が随伴してれば、行けるよ。だけど、この地図じゃ、おおざっぱ過ぎて場所の特定は難しいなあ。そうだ、ちょっと、聞き込みしてきてよ」

話によると、その扉があるところでは必ず変なことが起こるらしい。

「それには及びません、地元ですから。ここいらで、変なことと言ったら、やっぱり、あそこだよな」

「小学校のプール!」

僕と光秀は同時に言った。僕達は小学校に向かいながら話していた。

戒さんが、ちなみにそこでは何が起きるんだい?

と聞いてきたので、光秀が説明した。

これは清掃員が言っていた話なんすけどね、夜な夜な、プールの水位が一センチごとに上がっているそうです。

ふ~ん、可能性はあるね。そして、プール。

「あった、僕についてきて」

戒さんはそう言うと、プールの飛び込み台から水面へと飛び込んだ。

すると、水音もせずにあとかたもなく消えてしまった。僕と光秀もそれに続いた。いきなり目の前が真っ白になり光景がぐらぐらと捻れながら、一つの光景が構築された。

そこは、広大な世界。

かのように見えた。結構広い。見渡す限り草原だ。遠くに海のようなものも見える。

「ギャワーウー。」

この世界が揺れるのではないかという程の大声。

前には光秀と戒さんがいたが、僕ではなく、その後ろにあるものを捉えていた。僕は即座に後ろを見た。

「きょ、きょ、きょ、恐竜~!?」

おどろくべきはそこではなかった。

途端にそのティラノサウルスのような恐竜が破裂した。恐竜の血と肉片が飛び散る中、恐竜の後ろに見えたのは、背丈が、僕と変わらないぐらいの包帯巻きの男。

包帯を服代わりにしてんのか?と思えるぐらい巻いていて、流石に顔にはしていなかっが、代わりに左目に眼帯がしてあった。


まだだ!まだ続きます。

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