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あまたの石

洞窟の明かりや石の扉、岩のことも聞いたが、そういう場所なんだ、の一言で済ませられてしまった。

他には太陽のマークは能力の手に入る方なのか、ということ。

薫さんはそうだ、と言った。光秀の勘もバカに出来ないわけだ。

そしてリミットルームについて。話を聞くと、能力にはそれが効く範囲や形があってそれが見えるようになる技らしい。能力者じゃないと使えないそうだ。

他にも能力は進化するものもある、とか、秘霊石を手に入れれば能力の解放(怜君の言っていたパワーアップだろう)も出来る、と教えてくれた。

いい人なのかも知れない。劣聖石は早いもん勝ち、ということになった。まあ、仕方ないことなんだろう。絶対負けるもんか。


やがて、またしても石の扉の前にたどり着いた。

その扉には、

『能力者であるもの進むべからず』

と、書いてあった。

僕は疑問に思った。

「あれ、これって……」

続きを光秀が言ってくれた。

「似てる……よな」

「これは!」

薫さんは何か知っていそうだった。聞いてみると、

「これは、能力者が入ると、トラップが作動しますよという意味だ」

「ってことは、さっきは私達が進んだから岩が……」

「そういうことだ。私がここから先に進めばトラップが作動する。恐らく先程のものより強力なものが発動するだろう。私一人だけならこの洞窟程度のトラップ、くぐり抜けることは容易いが……」

「ちょっと待て。早い者勝ちとは言ったが、俺達だって、頑張ってここまで来たんだ。いくらなんでもそれは卑怯じゃないか?」

光秀がぐいぐいと言い寄った。

「では、お前達にチャンスをやろう」

半ば諦めていたので、その言葉は意外だった。下を向いていた僕は瞬時に薫さんを見た。

「えっ?」

「確かに、平等ではないな。だから、チャンスを与える。お前達がまず、先に行き石を手に入れればお前達の勝ち。無理だと思ったら、戻ってこい。その時はお前達の負けで、もちろん石は私が手に入れる。まあ、どちらにしろこの洞窟は危険だ。帰りは私が送ろう」

「わかった、俺達の勇気をみせてやらあ。いくぞ、翔、美智子」

なんで、お前がはりきっているんだよ、光秀。

……でもまあ、僕にも異存はない。

「うん!」

「もちろんよ」

しかし、光秀も級長も恐怖という感覚が麻痺しているのだろうか?


……そして、僕ら三人は先に進んだ。

すると、一つの部屋に着いた。広さはというと、小学校の体育館ぐらいだろうか?そこにこれでもかって程、石が並べられてあった。形も大きさも様々な石が。

「これは、普通に探しても無理じゃない?」

級長はすでに疲れている感じがする。

「ほら、片っ端から探すぞ、翔」

というと、光秀は本当に片っ端から吟味し始めた。

「まず絞らないといくらなんでもこの数は何日かかっても無理だよ」

「そうよね。形とか、大きさとか」

「怜君にあった時の話なんだけど、怜君、伝説の石を持ってる、って言ったら、不思議そうな顔をしてた。だから、たぶん大きさは人が持てる大きさではない、つまり岩なんじゃないかな」

級長は手のひらをグーで叩いて、

「なーる。でも並べられている。石の中にはそれほどでかいのはないわよ?」

遠くから光秀の、お前らも手伝えよー、という声が聞こえる。

周りを見渡すと、僕達が入った入口の両脇にウニのような形の岩があった。

「あれね」

級長も見つけたようだ。

光秀も呼んで話をした。

「でもよぉ、二つあるってことはどっちかトラップてことだよな?」

僕と級長は顔を見合わせた。その可能性は考えてなかった。


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