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旅の終わり、そして始まり

「見つけた。これが、あの、秘霊石」

僕はいつにもなく興奮していた。心臓がばくばくなっているのが自分でもわかる。

「おーい、翔、あったか?」

「うん」

僕は今河(いまがわ) (しょう)

いたって普通の小学六年生だ。隣にいるのはクラスメイトの会田(あいた) 光秀(みつひで)、そして、

「ちょっと待ってよ〜」

この人もクラスメイトで級長を務める小沢(おざわ) 美智子(みちこ)

この三人で、僕らは伝説の石を求めてここまで来た。この洞窟に。

何故僕らがこんなことをしているかというと……あれは一週間前になる。

いきなりお父さんが深刻そうな顔をして、こう言った。

「翔、(しずか)が、静が、不治の病になった」

「病気?治らないの?妹、死んじゃうの?」

お父さんは何も言わない。

「ねえっ、ねえっ」

何度も肩をゆするが、お父さんはそれ以上何も言わなかった。


その晩、泣きじゃくる僕をじいちゃんが慰めに来た。そして、最後にこう言った。

「翔や、泣くな。まだ希望はある」

「えっ?」

「この世にはな、なんでも願いの叶う伝説の石がある。その名を秘霊石という」

「秘霊……石?」

聞いたこともない名前だ。

「そうじゃ、秘霊石。しかしそれは伝説上のもの。あるかわからん。龍や妖怪の類と同じじゃ。それにあったとしても、もう誰かが見つけているかもしれん」

「それでも、少しでも妹を助けられる可能性があるなら、僕行くッ」

「よく言った、さすがワシの孫じゃ。その言葉を待っとったよ。ほれ、地図はここにある。うちの古い倉庫にあったものじゃ」

古ぼけていて、だいぶほこりがかぶっていたが、

その地図にはぼんやりと伝説の石のありかと書かれていた。

「さいわい、明日から夏休みじゃ。気をつけろよ。静の命がかかっているとはいえ、無理をしてはいかんぞ。親には学校の勉強会の長期合宿に参加したとでもいっておこうかの。……本当はワシが行けたら一番いいんじゃがなあ」

「いいよ、おじいちゃん。おじいちゃんは足腰悪いんだから無理しないで」

「ありがとよ。」

「よーし、絶対秘霊石を見つけるぞ」

その晩、決意を固め、一人で燃えていた。

そして、次の日、

「まずどうしようかなあ。……そうだ。友達の光秀を誘おう」

ということで光秀の家へ。チャイムを鳴らすと光秀のお母さんが出てきた。

「あら、翔ちゃん、こんにちは」

僕はあいさつをすると、光秀がいないか聞いてみた。

「光秀ねぇ、夏休みの宿題をしに行くとかって言ってね、学校に行ったのよ」

「わかりました、ありがとうございました」


学校に向かいながら、僕は考えていた。

夏休みの宿題かぁ、やっぱり、誘うと宿題終わらなくなるよな。迷惑だろうか?しかし、こっちは人の命がかかっているんだ。頼みこむしかない。

野を越え山を越えると(うそ)、……本当は住宅街をジグザグに進み、道路沿いを真っ直ぐ進むと、着いた。僕の小学校だ。

ん?グラウンドの中央でサッカーボールを蹴っているのは?……。

「光秀!」

光秀はサッカーに夢中でこちらに気づいていない。もう一度、大きな声で呼んだ。

「光秀!」

すると、キョトンとした顔つきで、いつからそこにいたんだといいたげな様子でこちらを見ていた。

「いつからそこにいたんだ?」

案の定。光秀が振り向くとトゲトゲ頭が汗で光って見えた。

「今きたばっかだよ」

「どうしたんだ?俺に何か用か?」

「ああ、実は……」

光秀に幻の石、秘霊石を一緒に探して欲しいと頼んだ。



また、連載を始めたいと思います。時間が空いたり、文章が稚拙だったりするでしょうが、何とぞ、お付き合いお願いします。

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