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リクエスト集

誰も知らない狼と兎

作者: 有馬悠人

『弱肉強食』

これが自然の摂理。人間だとしてもそれは変わらない。弱ければ肉塊になるしかない。ある人が言った。人間なのになんで弱肉強食がなりたつの?って。僕は思う。人間こそ、弱肉強食を体現する生物じゃないかって。人間は自然界より残酷だ。強さの定義が多すぎるから。強さが多用的だからより、弱者は際立ってしまう。さらに残酷なのは多数が必ず強者だということ。本当の強者は集団で集まって群れてる奴ら。厄介なのはその集団は自分たちが強者ではなく、弱者だと思っていること。


自分は言ってしまえば弱者だ。群れることはないし、力が強いわけでも、頭がいいわけでもない。基本1人で教室の端っこで本を読んでる。こんな自分にも女の子の幼馴染はいるもので、単に親が仲良かっただけだが、昔よく遊んでいた。彼女はクラスの中心。そんでもって可愛いときた。自分と幼馴染なのは不釣り合いだとよく言われる。自分でもそう思う。


そんな彼女はよく何もないのに自分につっかかってくる。側から見ればクラスの端っこものとクラスの中心人物が仲良くしているのだ。何か恋愛漫画でも始まりそうだが、それはまずない。自分が拒否するから。まあ、色々あるのよ。あの子に手を出すなとか、話したら殴るとか。彼女の方から突っかかってくるんだから自分的にはどうしようもない。だから基本学校では無視してる。それでも話しかけてくる彼女のメンタルにも少し困ってる。


学校帰りのある日。いつも何故かついてくる彼女に言われる。


「なんで無視するの?」


怒ってた。無理もないだろう。ここ最近は目すら荒合わせてない。


「お前と関わると色々と面倒なんだよ。」


自分は今まで受けてきたことを無責任に彼女にぶつけてしまった。彼女には何も非はないのに。言い終わった後、はっとした自分が見たのは泣いている彼女だった。


「わかった。」


その一言を残して彼女は行ってしまった。


次の日、彼女は学校に来なかった。その次の日も、その次の日も。クラス中がざわざわし出して、案の定自分を問いただすということになった。嘘をつく意味もないので、正直に話すと、まあひどかった。女子はその子のことを可哀想とか、自分に対してはひどいとか。言いたい放題。男子はその声に乗り、あたかも自分たちは正義であるかのように手を出してきた。


次の日から自分は学校に行けなくなった。まあ少なかった居場所すらなくなったのだから仕方ない。転校しようと親に相談して、叔母の家から通える県外の学校に行くことにした。


転校したその日。もう1人転校生が数日前にきていたみたいで、自分みたいなモブがさらにモブになるだろうなと悟った。教室に入って、一応顔を確認する。すると1人の生徒が顔を伏せながら自分に近寄ってきた。


「私の彼氏です。よろしくお願いします。」


自分が名乗るより前に、とんでもない爆弾を落とされた。顔を確認すると、ご存知の通り、彼女の顔だった。


「なんでここにいるんだよ。」


「言ったでしょ。わかったって。私はあなたから離れることはないから。たとえ無視されても、勝手に転校されても。」


「だとしてもこんなところまで。」


「関係ないから。これからもずっと一緒。いい?」


「はい・・・。」


教卓の前で、知らない人がたくさん見ている中だったので、半ば強引に押し切られたが、これから狼の尻に敷かれる兎の生活が始まった。


『誰も知らない狼と兎』


石猫様リクエストありがとうざいます。


どんでん返しにはなってなさそうですが、自分にはこれが精一杯でした( ;∀;)


今回のようにリクエストを募集してます。

メッセージか近況報告のところのリクエストのところに送ってください。

相談でも、これについてどう思うでもいいです。

よろしくお願いしますm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[良い点] 肉食女子だから狼。なるほどです。転校先までついてくるとは、かなりのフットワークの軽さですね。
[良い点] こんばんは! 読み始めたらいつの間にか、最後まで読んでいたくらい面白かったです。 狼の尻に敷かれる兎の生活も楽しいでしょうね。 この御作品、好きです。 素敵なお話を読ませて頂き誠にあり…
[良い点]  短い作品なのにとても丁寧に書かれていて嬉しかったです。 [一言]  この作品は可愛いですね❗  幼なじみって特別な絆かあるんでしょうかね❔  無条件に優しくできる対象だったりしますよね。…
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