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みっつめ

俺達三人は修行をした。主にアリスの修行をしたとんでもなく弱いからだ。魔法の才能はあるくせに今まで特に魔法を使ってなかったせいか、強力なものができない。火も指輪を媒体にして手から出しているけど、なんとも弱っちいものだ。こんなんじゃ、よくて火傷クラス。人は殺せんのだ。


魔法とは、イメージが大事だという。自分が使いたい魔法をイメージする。それを媒体を通してだす。一見簡単そうにみえるがこれがなかなか上手くいかない。自分の系統であってもだ。何回も練習してやっと、自分のイメージする魔法ができるのだ。この習得スピードは才能できまる。アリスはなかなか時間がかかりそうだ。


俺とじじいは媒体がないから、自分の使う魔法のイメージばかりを考えていた。


それから、修行をしながらみんなでキャンプを楽しんだ。少し森の中を探検した。大きい蛇に自分が飲みこまれた時は死ぬかと思った。じじいが助けてくれたからいいもの、本当に死ぬかと思った。


アリスはずっと修行をしている。俺はアリスにイメージする魔法のアドバイスをした。なんでも幻惑魔法がどういうものかさっぱりイメージできないらしい。俺はわかりやすく幻覚を見せる魔法をイメージしたらとアドバイスをした。


じじいはひたすらに剣を振っている。相変わらずでたらめな速さだ。


俺は自分の血代能力をもっと上手く使えるように、練習した。前回、兵隊につかったのは上手くいった。自分の周り10cmの空間に入ってきた物の時間を戻すというかなり高等な血代能力をつかった。使うのになかなか苦労した。今は10cmが限界だが、もっと範囲を広げたり、その空間を手から伸ばしてビームみたいにして遠くの人も時間を戻して倒せるように訓練した。



一年後…




「いやー、なかなか強くなった?」


「強くなったね」


「わしも強くなったのじゃ」


俺達は更に強くなりましたとさ。


「じじいはまた背が伸びたな。今大人と変わらないんじゃないか?」


「まあ、そうじゃのう。わし、元々210cmじゃからのう。まだまだ伸びるぞ。」


「ヒトミってそんなに大きかったの?」


「そうじゃぞ、アリス。わしは大きいのじゃ。」


「さあ、皆さん。修行の成果はバッチリ?今から略奪しにいくからね。しかも、周りを滅ぼしながら。特にアリス。」


「私は大丈夫。一般の人よりかは、強いと思う。虐殺もできるくらいには強くなったと思う。」


「わしも勿論大丈夫じゃ。」


そう俺達は基本的に自分たちの修行を皆にみせていない。なぜかというとそれぞれでやりたい修行が違うからだ。そして、広い場所がみんな必要なため、それぞれわかれて修行していたのだ。じじいが修行したところはなんと木がみんな切り株になっていた。アリスのいたところはなんと焼け野はらになっていた。みんな、大丈夫だとはおもうが実際にみてはいないので少し心配だ。特にアリスは。


「おっけー、じゃあいきますか。ここを離れるのは少し名残惜しいけど、行こう!」


俺達は準備をして、森を抜け出した。








ウルベスタは頭を抱えていた。なぜならこの1年間黄金の悪魔にかんする情報がひとつもないからだ。


「なぜ見つからん!奴らはどこにいるのだ!」


見つかるわけもなかった。騎手団は森の中を捜索していなかったからだ。騎手団は甲冑をきているので森の中では動きにくいのだ。そして、町の聞き込みをしていたので森などにはたどり着けなかったのだ。


「ウルベスタ隊長!報告があります!」


「なんだ!こんな時に」


「黄金の悪魔討伐隊は今日で解散となりました。」


「なぜだ!」


「黄金の悪魔を見つけることができずに1年たち、副団長から、討伐隊は無意味ということで解散されました。それに一部の貴族達からは死んだのではないかと噂されています。」


「くそっ!」


ウルベスタは机においた手を固く握りしめ、叩きつけた。



一方雑用係から普通の隊員になったリリエッタは現在貴族達の舞踏会にきていた。


「あー舞踏会は暇だわ。なんで皆楽しそうにしているのかしら?犯罪者を潰す方が楽しいに決まってるわ。」


などと、一人で呟いていると一人の男がリリエッタの前にきた。


「すみません、お嬢さん私と踊ってくれませんか?」


その男はリリエッタの見た目に惚れたらしい。リリエッタは面倒だと思いながらも踊ることにした。なぜかはなんとなくだ。ただの気分。


「ええ、いいですわよ。」


二人は音楽に合わせながら踊った。


「知っていますか。お嬢さん、黄金の悪魔死んだらしいですよ。」


あー、討伐隊が打ち切られたやつね。


「あら、そうなのですか?ただの噂ではなくて?」


「ははは、その通りただの噂さ。貴族は噂が大好きなのさ。君もそうだろう?」


「そうですわね。」


あ、そうだわ。あの子にこの噂を教えてあげて少しからかってみようかしら。うふふふ。


リリエッタは舞踏会をおえ、家に戻った。


「ただいま。」


「おかえりなさい。」


ロネスがそう答えた。最初は反抗的ではあったが、諦めたのだろう。私からは逃げられないと。今では抵抗する態度はみられない。しかし、その目は相変わらず憎悪に燃えている。


「学校はどうだ?楽しいか?」


「なのしくない。みんないじわる。」


「ははは、貴族は性格悪いからな。」


「まあ、夕飯作るから、まっとけ。」


私は二人分の料理をつくり、ロネスと一緒にご飯を食べた。ロネスがご飯を食べながら聞いてきた。


「黄金の悪魔は見つかったの?」


聞いてきたか。討伐隊が解散になったっていったら怒るだろうな。


「いや、見つかっていない」


「そうなんだ…」


しょんぼりしているロネスも可愛い。


「ロネスひとつ報告がある。討伐隊は解散した。」


ロネスの顔色が変わっていく。怒りに満ちた顔に染まっていく。


「どうして!なんで!やつらはみつかってすらいないのに!私の村だけじゃない。モルト町では1万人も殺されたんだよ!なんで!なんで!」


「いやーなんか、見つからないし、もしかしてら死んでるのではないかって噂もあるみたいだ。」


「え?…死んだの?」


「わからない、もしかしたらということだ。この1年間やつらは姿をみせていないし、被害もない。死んでるのでは?という声があがっているんだ。」


「そうなんだ…」


そう呟きながら、ロネスは釈然としなかった。死んだ?やつらが?そんなことがあるのか?仮に死んだとしてもこの胸の中にあるドロドロした感情はどうしてもおさまらない。本当に釈然としないとロネスは思った。






ここはメルデア都市人口100万人の大都市。ここにある美術館にはたくさんの魔法媒体道具がおいてあるらしい。さらに美術館に展示してあるものは、とても価値のある優秀な物らしい。この情報をくれた、アリスに感謝だな。


俺達は通しすがりの商人を殺して奪った馬車で移動していた。


「いやー、馬車の中は快適だな」


「そうだね。移動楽だね。」


「いいのう。わしは馬の手綱を握っておらなあかんからのう。ゆっくりできんわ。」


移動にかかる時間の間お互いの修行でできるようになったことを互いに教えあった。二人とも早く試したいみたいだった。俺もそうだ。


「みんな、メルデア都市に着いたらその瞬間虐殺を始める。道中人を脅して美術館にいく。そこで各々すきな魔法媒体道具を4つ手にいれる。それも4つ同時に身に付けれる物でだ。」


「4つも必要なの?」


「当然じゃのう。魔法は媒体となるものがないとできんのじゃ。戦闘中に壊れたら、アリスおぬしは簡単に殺されるぞ。」


「じじいのいう通りだ。ひとつ壊されても。他に媒体があれば魔法が使える。だから4つくらいは各々欲しい。」


「わかった。」


「よし、作戦は以上だ。かなりパワープレーだが俺達ならできる。俺達は大事な家族で絆は深い。一蓮托生だ。お互い死なないようにカバーしながらやろう。ちなみに俺の能力は血を飲んだ二人には効かないようにしてあるから、安心してくれ。」


「おーよかったのじゃ。おぬしの新しい能力は恐いからのう。」


「私もうっかり当たったら死ぬからびくびくしてた。」


「ははは、殺すわけねーだろ。」





メルデア都市


「おっついたか!でけーなー人口100万人だっけ?いっぱい殺せるな」


「じゃあ私から火炎魔法だしていい?」


「いいよ。じゃあアリスが攻撃したらヒトミもお願いね。殺しながら美術館を目指そう。」


そういったあと、都市の外からアリスは極大な火炎魔法を都市にぶつけた。あれはもはやミサイルといっていいだろう。凄い威力だ。美術館大丈夫かな?


俺達は都市に突入した。


都市の人達は泣き叫んでいたり阿鼻叫喚だった。少し面白かった。じしいはものすごい速さで人をばっさばっさ切っていく。よし私もやるぞ!


手から触れたものの時間を生まれる前まで戻す空間を出しそれを大きく伸ばし凪ぎ払った。


人達の体は真っ二つしかもまわりの家も真っ二つになった。


これだよこれ。一気に破壊できるこの爽快感これを俺は求めていたんだ。今までは大量に殺すことができなかったけどこれなら大量に殺すことができる。


近くにいた怯えている男に話かけた。


「おい、美術館はどこだ?答えたら命は助けてやる。」


「お前達知っているぞ。黄金の悪魔だな。女の姿をしているからデス=ゴールドだろ。」


なんと、身バレしている。まあ、町の時は逃げてる人もいたしな犯罪者として知ってるのも無理ないか。大量殺戮だし。有名だったのかな。黄金の悪魔ってのはあれか名前とあまりの強さからとったのかな?気に入った。


「そうだ、俺達が黄金の悪魔だ。死にたくなかったら、美術館を教えろ。」


「美術館にいって何をするんだ。」


こいつ面倒だな。殺して別の人に話を聞くか。


「お前、面倒だから殺すわ。他の人に聞く。」


「わかった、教える。この都市の中央にある。大きい建物だ。ここからは遠いぞ。」


「ありがとう。じゃ。」


「おい、殺さないのか?」


「教えてくれたら殺さないといったろ?」


男はポカーンとしていた。自分が殺されると思っていたのであろうか。別に殺してもよかったが、ここであいつが生き残ったらまた、黄金の悪魔が有名になる。そしたら、俺達を倒しにくる。


一回やってみたかったんだ。倒しにくるやつを返り討ちにすること。楽しみがまた増えた。


「ヒトミ、アリス!美術館の場所がわかった。この都市の中央だ。いくぞ。」


ヒトミは切り捨てながらすすんでいく。


アリスは周りを氷漬けにしたり、火炎で燃やしたり爆発させたりして進んでいる。


俺は時間戻り空間を使って周りを壊していく。


俺達が進んだ後には何も残っていない。


美術館に着いた。周りに兵隊や魔法使いがいたが俺達の前には無力だった。まあ、アリスは攻撃がくらうので、俺とヒトミはアリスに注意しながら戦っていたが。


美術館を制圧したら各々で魔法媒体道具を手に入れた。


「さあ、帰るか?」


「帰りましょう!」


「帰ろうかのう」


なぜがアリスはテンションが高かった。良い物でも手に入れたのだろうか。






これは、どういうことだ。騎士団長は頭を抱えていた。討伐隊を打ち切ったあとになんと、黄金の悪魔が現れた!しかも今度は子供を連れていたと報告があった。なんてことだ。犠牲者は30万人前回の非にならん。これは大変なことだ。早く討伐隊を再結成しなければ。


「ウルベスタ隊長を呼んでこい!」


ウルベスタがきた。


「失礼します。お呼びですか?」


「黄金の悪魔のことは聞いているな。」


「はい、あいつら今度は30万人の人達を許せないです。」


「また、討伐隊を再結成しようと思うまた、討伐隊を率いてくれんか?」


「わかりました。この騎士団にかけて、必ず悪魔共を滅ぼしてみせます。」


ウルベスタは再結成した隊を率いて悪魔の討伐に出掛けた。その中には騎士まで昇格したリリエッタの姿もあった。




リリエッタが出発する前日。私は彼女の話を聞いて驚いた。それは悪魔が生きていたということではなく、悪魔が少ない時間に30万の人を殺したことだ。やつらは強くなっている。復讐をしたい気持ちはあるがその熱が少し冷めていく気がした。


「まあ、そういうことだから。私は当分帰ってこない。もしかしたら死ぬかもしれない。今回ばかりは大物すぎる。相手はB級犯罪グループとして認定された。B級とは国が滅ぶ可能性がある時に使われる値だ。だから、死んだあとは、おばあ様に任せてある。安心してくれ。」


彼女はそういった。この人の弱気なところを初めてみたかもしれない。今まで、少し傲慢で自分の思い通りに生きる彼女が死ぬかもしれないと。それほどの敵なのだと私は思った。


「わかりました。ですが、生きて帰って来てくださいね。」


最初は彼女のことが嫌いだったが1年過ごしていくうちに好きではないが嫌いではなくなった。死なないでほしいと思うくらいには。




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デスの魔法媒体道具

ルビーのブレスレット 国宝級

サファイアのピアス 国宝級

ダイヤモンドのネックレス 国宝級

金の指輪 国宝級


ヒトミの魔法媒体道具

カインズの聖剣 国宝級

ロマネのピアス 国宝級

ナサールの指輪 国宝級

ネストの短剣 国宝級


アリステラの魔法媒体道具

父からもらった指輪 普通

呪いの髪飾り 国宝級

魔導王の杖 国宝級

魔女の爪 国宝級



デスの魔法媒体道具は国宝級の魔術師が作った現代最高傑作と呼ばれるもので鉱石のアクセサリーに魔法加工してあるもの。ちなみにデスはネックレスを首にかけているが服の中に入れている。これは、ダイヤモンドがキラキラしすぎて派手なため。


ヒトミの魔法媒体道具は歴史的人物のまさに伝説の武器やアクセサリーに近代魔術師が魔法加工を施した一品。歴史が好きなヒトミらしい魔法媒体道具だ。


アリステラの魔法媒体道具は魔法使いが使っていたものだ。魔法を極める身としては、同じ魔法使いが使ったものがいいのではないかという思いから選んだそうだ。ちなみに魔女の爪は左手の人差し指につけている。人差し指の爪だけ赤く長い。杖は金で出来ている。髪飾りはプラチナで出来ている。


余談だが国宝級というのは、ひとつ売るとお城が20個くらい帰るものだぞ。そして今国の国宝が11個なくなり、国は大慌て。



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