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ふたつめ3

わしは目の前で行われていることがわからなかった。しかし、一瞬で理解した。こやつ素直に結婚するなと思っておったんじゃ。なるほど、わしが結婚楽しみにしとるのを察してぶち壊そうと考えておるのだな。憎たらしい奴め。まあ、そんなとこもデスらしいがの。


「おい、デスどうせおぬしのことじゃ、ここでまたあの村みたいに暴れたいのじゃろ」


「ああ!そうだぜ!ヒトミ!全員やるぞ!」


相変わらず、楽しそうに人を殺すわい。わしもやらんとなー。



町のお祭りムードが変わった。






人を殺していく友達二人を見て体が固まっている。どうしてこんなことをするのだろう。ということも思い浮かばなかった。ただ、頭が真っ白で考えることを放棄していた。ただ二人が殺して、消していくのを見ることしかできなかった。




「おい、お前ら!逃げんじゃねー!はっはー!」


ああ、なんて楽しいんだ。逃げる人達を追いかけるのが本当に楽しい。この時だけ思う。この世界にきてよかったと。


兵隊たちが囲いにくる。この時すでに教会の中と周辺は倒れている人しかいなかった。他の人たちは殺されたか、逃げたのだろう。何せ一万人以上いたのだ、流石の二人も一気にそれだけの数は殺すことが出来なかったのだろう。


兵隊たちがいった。


「どういうつもりだ!なぜこんなことをする!」


「きまっている。やってみたかったからだ。この世界を俺は壊したい、滅ぼしたいんだ!破壊衝動がふつふつと沸き上がってくるんだよ。」


「まあ、わしはデスの相棒じゃ。それだけ。」



「ふざけるな!者共やれ!」


アリスは見ていた。二人の殺戮を。ヒトミは兵隊一人を殺すと、兵隊の剣を手にいれ、周りの兵隊を殺しまくった。デスは兵隊がデスを切りかかるとデスに剣が届くまでに剣が消えるのだ。この二人を見ていて、この町に二人に敵うものはいないと思った。

兵隊達の顔が絶望に染まっていく。


「はっ、俺に攻撃はきかねえ」


「なんだ、こいつ近づくと剣が消える!?」


「ほら、ハグしてやるぞ」


「ぎゃぁぁぁあああ!!!」


そういって近づくデスはハグをした。するとデスのハグは空を切った。ハグされた箇所が消えていたのだ。兵隊から血がたくさん溢れた。


虐殺は続く。兵隊達はみんな逃げようとする。しかし、ヒトミが凄い速さで逃げる者達を切っていく。




生きている人は自分だけだ。


私は震えている。二人が近づいてくるからだ。恐怖で口がカチカチしている。二人が目の前にきた。


「アリスこれからどうする?」


デスはアリスに話かけた。アリスはカチカチする口をなんとか動かした。


「デスはなんでそんなこと聞くの?」


「お前がよければ一緒にこないか?俺はお前の笑顔が好きだ。」


「私あなたにお父さん殺されたのよ?なんで笑顔が好きとかいえるの?」


「アリスの答えたはもうわかった。俺とくるんだな?」


「意味がわからない。なんでそうなるの?」


「だって、アリス今緊張してない。口調がアリスだよ。俺達のこと友達っておもってんでしょ?普通こんな後会話したら緊張するよ。」


いわれて見ればそうだ。緊張していない。なんともいえない気持ちだ。今まで友達と接していたから、話すと自然に返してしまう。声は震えているけど。けど、町の人達が殺されたのにいいのか?こんなこと。自分がその犯人達と旅だなんて。しかし、恐い。親を殺された怒りよりも恐怖が勝る。この二人に逆らうと死ぬと思う。自分が生死の間にいるとき、自分は他人のことよりも自分を大事にするのだろうか?



「ねえ、アリス無視してる?早く決めてほしいんだけど。もうこの町出てくし。助けくる前にとんずらしたいから。」



私は焦った。ヤバい殺されるとおもった。親を殺された相手なのにどうすることもできなかった。恐かった。


「わかった。仲間になるよ。」


「アリス緊張してる?」


ヤバい、可能な限り男口調はでないようにしよう。


「大丈夫だ。」


無理だった。


「まあ、緊張すんなって。これからは仲間より深い繋がりだよ。僕らはなあじじい?」


「そうじゃのう。アリスとは家族じゃな。さしずめアリステラ=ゴールドじゃな。」


「ああ、いいなそれ家族いなくなったし、俺らが家族だな!」


「じゃあ、これからは私はゴールドなのね」


「そうだね、よろしくアリス」


殺されないのうに頑張らないと。






悪魔討伐隊の指揮を執る、ウルベスタ=ラーハルド隊長に連絡がきた。


「ウルベスタ隊長!悪魔らしき人物が現れました。特徴が一致します!」


「なに?はなせ!」


部下の話を聞くと領主の娘を盗賊から助けたお礼に結婚式をあげてもらった二人が悪魔だったらしい。話を聞く限り唐突すぎてわからん。どうやらその結婚式にはたくさんの人がきて、その時にたくさん殺されたらしい。領主は死に。娘はいなかったので安否は不明。しかし、悪魔の中に消滅させれる者もいるので、死んでいる確率が高い。


一番いい情報は二人の名前がわかったことだ。男の方はヒトミ=ゴールド、女の方はデス=ゴールド。これがわかればさらに捜索できる。二人の特徴と名前を全都市に連絡し、都市から町、村へと情報が回っていけばいずれかは見つかるだろう。




情報をまわしていく間にその余りの暴力性、残虐性、名前から畏怖を込めて二人のあだ名は悪魔から黄金の悪魔へと変わっていく。







俺達は逃げるようにそそくさと町からでていった。もちろん道中あった人は全員殺した。


「ふーっ、ここなら平気か?キャンプたてるか」


逃げるときに、自分達の荷物を城からもってきた。もちろん全員殺した。


ここの森はじめじめして気持ち悪いな。と思いながら、三人で大きいキャンプをたてた。とりあえず、当分ここで生活するだろう。


まず、やることがあるな。アリスの強さをみないと。これから旅したり滅ぼしたりするとき、弱いと困るしな。それと俺らの能力も教えておくか。


俺達は夜火を囲みながら、じじいがとってきた。いのししを食べた。


食後にアリスがヒトミがリアルじじいと知りびっくりしていた。


「血代能力ってそんなことできるの?」


「ああ、そうだよ、アリスだって若くしてやれるぞ」


そういい、俺は思い着いた。そうだアリスを自分の娘にすればいいのだ世間的にも俺が尺だかじじいの妻でアリスが娘。なんていいんだ!そうしよう!


「アリスすまん後で説明するから子供になってくれ。」


「えぇ!?」


俺はアリスに触り4歳くらいまでに年齢をさげた。我ながら、戻しが上手くなっておる。


その後アリスに今後のふるまいかたを説明した。ひとつめは家族として、誰かが子供役にならなければいけないこと。ふたつめはアリスは領主の娘だったので顔が割れないように幼くしたこと。まあ、最後のひとつはとっさに思いついたものなんだけどね。本音は小さいアリスが可愛いと思ったからだ。アリスも納得してくれたみたいだ。


「しかしのう、わし達が家族となるんやったらデスとわしも結婚というか舌に印がないといかんのう」


はっ!そうだ。アリスが自分の子供ということは結婚してないとおかしく思われるのか。確かにそうだ。婚約前という言い訳も4歳時がいたら4年も結婚してないことになる。これはだめだ。するしかないのか、じじいと血を飲ましあう。濃厚ディープキスを…うげー。しかし、アリスのためだ。頑張ろう。



「じじい、仕方がないやるぞ!」


「え!?いいのか?やったぞ!」


わしゃ、嬉しいのう。一生結婚せんとおもっとったし。浮気できんし。でも、デスよりいい女はおらんて。やったぞーーー。こんなべっぴんさんと結婚じゃ。長生きはするもんじゃ。




デスとヒトミはディープなキスをした。それを見ていた小さいアリスは顔を赤くした。


「うげーーーー、おえおえ」


「ちょっと、夫に失礼じゃないかのう?」


「うるせいじしい!」


「あ、舌に印できてる」


アリスが呟くと、デスとヒトミはお互いの舌をみた。星がたくさん描いてある、模様だった。デスはなんかアメリカの国旗みたいだと思った。


ほんとは今日アリスの強さを調べたり、自分達の能力をちゃんと説明しようとしたが、もう疲れたのでデスは眠った。





翌日



はー、こんなに憂鬱な朝はない。昨日は色々ありすぎた。アリスは自分の小さくなった体を見て更に憂鬱になった。自分はこれからどうなるんだろう。このままあの人たちの娘として暮らしていくのかな?そう考えていると、隣でねているデスが起きた。



「アリスおはよう」


その顔は朝の爽やかともいうべき笑顔であった。アリスは本当にデスの顔は言い換えだなと思った。


「朝食をとったら話したいことがある。」


そういい、火の所にヒトミとデスと三人で朝食を食べた。ちなみにヒトミが早起きして捕まえたうさぎがご飯だった。


「よし、皆くったな。じゃあアリス口をあけろ」


いわれた通り口を開けると、デスとヒトミが自分の指を切って血を私に飲ませた。


頭の中に二人の血代能力の情報が入ってくる。二人とも恐ろしい能力の持ち主だ。


「アリス、わかっていると思うがこの能力のことを周りには内緒だぞ?」


「うん、わかってる。能力がばれるのはまずいことだって、お父さんが教えてくれたから」


「そうか、ならいい。」


「アリスは何ができるんだ?魔法とかなんかあるか?血代能力もってるか?」


「血代能力は持ってないけど、魔法がつかえるよ」


「へー、魔法のこと知らないんだけど教えてくれる?」


アリスから聞いたことをまとめると、魔法は元々魔力がある人にしか出来ないらしい。そして、魔力の媒体となるアイテムがないと魔法は使えないらしい。例えば杖とかがいい例らしい。


「わしはだから魔法使いが弱いと思うんじゃ。杖をとってしまえば何もできんからのう。」


「確かにそうだけど、杖以外にもいろいろ媒体になるものはあるよ?」


「何!?わしがおったころは杖だけじゃぞ」


「30年くらい前からいろんな物に魔法で加工することができるようになって魔法で加工した物ならなんでも媒体にできるの。」


「なんじゃとー、そんなことが!もしかして剣にもできるのか?」


「できるよ」


「ひゃっほーいじゃ!」


なんかじじいはアリスの話を聞いて喜んでいるが、文明がちゃんと発達していることがわかった。そら60年前とは違うよな。改めてアリスがいてよかったと思った。


「じじいは魔力あんのか?」


「勿論じゃ、わし優秀やからのう。しかし、剣士の方がかっこよかったからに魔法は諦めとったんがのう。魔法で加工した剣士ならできるようじゃし、やってみたいのう。」


「なら、魔法で加工した剣、魔法剣が必要ですね。」


「わし、それ欲しい。デスお願い、とりにいこうじゃ。」


「んー、まあとりにいくのはいいんだけど、結局アリスは魔法で何ができるの?」


「私は火炎系魔法と氷雪系魔法と幻惑系魔法が得意というか系統はそうです。」


「へー、ちなみにさ魔法ってどの種類でも使えるの?」


「使えることはできるけど、自分の得意な魔法系統じゃないと上手く魔法が使えないよ。」


系統とかあるのか、なんか面白いな。


「どれが得意系統とかわかるの?」


「魔力がある人はさっきいった媒体となるものに触ると自分がなんの系統が得意かわかります。逆にわからなかった場合、魔力がないことになります。」


なるほどなー、結局媒体になるものが必要なのか。


「アリスは今もってんの?媒体になるやつ」


「はい、父からもらった指輪がそうです。」


「ちょっと貸してもらっていい?」


「いいですよ。」


アリスから指輪をもらった瞬間、自分の系統が頭の中に浮かび上がった。死系魔法、自然系魔法この2つだ。


「俺も魔力あった。死系魔法と自然系魔法だ。」


「ほう。おぬしもあったか。わしも魔力あること知っておるからの、当然自分の使える魔法の系統がわかるぞ。わしは雷系魔法と飛行系魔法じゃな。」


「じじい、空飛べんのかいいな。」


そう話ながら俺達は次の目的を決めた。そう俺達は魔法で加工された物を盗むことにしたのだ。


――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アリステラ=ゴールド


18歳(肉体は4歳)

身長 102cm

魔法系統 火炎系魔法、氷雪系魔法、幻惑系魔法


ヒトミがデスより可愛くないといっていたがタイプの問題で普通にこの世界ではトップクラスに可愛い。紫の髪色に紫の目。



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