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ひとつめ2

 じじいと俺は砂漠から抜け出すことを決めた。そして僕たちの目的はこの世界を滅ぼすことだ。理由は特にない。ただ、暴れまわりたいのだ。オアシスの中でじじいと作戦会議をした。

 

 「問題は、出た後のことじゃろうな。おぬしとわしの能力があれば必ず脱出できる自信がある。しかしそのあとがのー」

 

 とりあえず2つの問題を解決しないといけないらしい。

 

 「別に脱出したからといって、すぐ捕まるわけでもないし大丈夫なんじゃないのか?」

 「おぬしはわかっておらぬ。幻想砂漠を抜け出すと感知できるように魔法があるのじゃ。」

 「そんでもって、兵隊さん達が攻めてくるのだな?」

 「そういうことじゃ。幸いわしが捕まってから60年たっておる。見た目がこの状態だからわしとはきづかんから、能力の心配もないの。」

 「てか、追い出されたんだろ?」

 

 その言葉の意味はわしにはわかる、あの娘は家族の心配などする必要があるのかと言っている。確かにそうだろう。しかし、わしは貴族の社会を知っている。貴族に能力を疑われた貴族は周りから孤立していき衰えていく。それは、嘘をついたからであり、暗黙のルールといえど表に出れば、世間の一般人や商人などに不審に思われるからである。そして、本当の能力を言っても信じてはもらえず、いってしまうと他の貴族に狙われるという最悪の事態になるからである。こうなると一部の貴族に能力がばれ弱みを握られるほうがましである。わしは、別に不幸にはなってほしくはないからの。


 「まあ、貴族にもいろいろあるのじゃ。しかし、わしの見た目は大きく変わっとる。この問題は解決されたも同然じゃ」

 「わかった。なら、問題は一つだけだな。脱出した後の兵隊さんたちをどうするかだ。」

 「わしに任せろ。剣の腕ならだれにも負けん。」

  

 確かにじじいは強いだろう。しかし、俺は能力が強くても、剣の腕もないし、魔法も使えない。これではいけない気がする。

 

 「なあ、じじい。ここの兵隊さんたちほどれくらい強いんだ?」

 「そりゃ、幻想砂漠にいる罪人を逃げ出さないようにしているからの、一般的にみて相当強いぞ。」 

 「俺でも勝てる?」

 「おぬしが能力を使いこなせば勝てるじゃろうな。ただ心配なのが身体能力が低いからのあっさり首を切られるかものう」

 「俺の能力は戦闘向きじゃないもんな」 

 「そうじゃのう。しかし、おぬしの能力はかなりすごいと思うぞ。王様がしったら妃にして子供を生まそうとするじゃるうな」 

 

 じじいの話にぞっとした。優秀な能力というのは権力者からすれば喉から手が出るくらいほしいものなのか。

 

 こうして、血代能力者がでたら、嫁や夫に向かい入れて能力を自分たちのものにしたんだろう。


 「そうして自分たちの能力を増やしていったのか?」

 「そうじゃ、わしは1つしかもってないがのう」

 「ひとつしかねーのかよ、俺と同じじゃねーか」

 「わしの家系は他の血が入ることを嫌っておるからのう。そのかわり反対の能力はわしの家系しか持っておらぬのじゃ」

 「ふーん、もしかして王様はすごいくらいあんのか?」

 「王様はわしが知っとる限り20くらいは能力があったのう」

 「めっちゃ持ってんじゃん」

 

 うわー、王様つよそー


 「安心せい、わしとおぬしの能力は世界で最高クラスに強くて希少じゃ。いくら能力をいっぱい持ってしても負けることはないわい。まあ、能力勝負での話じゃがのう。おぬしは能力がなかったらただの小娘じゃ。」

 

 やっぱり鍛えるしかないのか。俺はごろごろするのが好きだから、体を動かすのはあまり嫌いなのだが、やるしかない!夢のために!

 

 それから、砂漠を出た後に来るであろう兵隊のために修業をした。じじいの指導の下たくさん筋トレや走ったり、した。とても疲れる。女の体力はこんなにないものなのかと思い知った。あと、はしるときの胸がすごく痛い。ブルンブルン動くもんだからすごく痛い。女の子は大変だ。じじいはというと時折、揺れている胸を見て鼻を伸ばしている。きもいからみんな。

  

 さらに2ヵ月がたった。肉体は引き締まりさらにナイスバディなスタイルになった。身長が低いから、子供っぽいんだけどね。これからだが大きかったら、色気ほとばしるいいお姉いさんになっていたであろう。身長が低くて悔しい。

 能力もいろいろ試してある程度使えるようになった。


 「さあ、じじいついに旅立ちの日だ。何か言うことはあるか?」

 「何もないがそうじゃ、まだお互いの名前も知らんかったの。わしは家を追い出された身新しい名前を付けてもらえぬか?」 

 

 そういえば名前聞いてなかったな。俺もこの世界にきたから名前変えるか。


 「じじい、俺も名前を変えるぞ。じじいが俺の名前を決めろ。」

 「わかった。ならファミリーネームは同じにせんか?」

 「いいだろう。ファミリーネームも考えてくれ」


 俺とじじいは考えた。しかし、俺は思った。この世界ってどういう名前が当たり前なんだ?桃太郎とかでもいいのか?それともマイケルか?わからん、もういい適当に元カノの名前にするか。

 

 「決めたぞ」

 「わしも決めた」

 「先に言ってくれ」  

 「おぬしの名前はデス=ゴールドじゃ!」

 「じじいはヒトミ=ゴールドだな」

 

 俺は思った。デス=ゴールドだと?もっとましなものを思いつかんかったのか、と。中学生でもまだましな名前を思いつく。本人はかっこいいとか思ってんだろうな~。はー、しょうがないか。これからは、デス=ゴールドとして生きていくか。せっかく考えてくれたし。

 

 わしは思った。ヒトミ=ゴールドだと?なんかわからんがヒトミという名前、男に付ける名前ではない気がするのだが。わしの気のせいか?ヒトミってなんか女っぽいんだが気のせいか?本人はなんて思っているのだろう。はー、しょうがないのう。これから、ヒトミ=ゴールドとして生きていくか。せっかく考えてくれたし。


 俺とじじいことヒトミは、砂漠を抜け出した。簡単だった。まず、幻だがヒトミの能力を使った。俺のやつより楽そうだったから。何をしたかというとヒトミのまわり半径5m(限界)いないの空間に幻を見せることを反対にして見せないようにした。そして、半年歩いて脱出した。もちろん休憩もヒトミの能力でオアシスを作った。

 

 俺は何もしていない。


 「いやーながかったな」

 「しかし、半年もかかるとはのう」

 

 そういって、お互い見つめあうと脱出した喜びがあふれ抱き合った

 「やったな!じじい」

 「おぬしこそ女の体でよくそこまでできた」


 じじいは鼻を伸ばしていたが今だけは許そう。


 二人とも離れた


 「さて、くるかのう」

 「じじい、きたらいえよ」

 「二人だけの時はじじいでいいけど、人がいるときはヒトミで頼むぞ」

 「俺のこともデスって呼べよ」


 そう、お互い名前を決めてから最初は名前で呼んでいたものの気づいたら戻っていたのである。これでは、名前を決めた意味がないので頑張って外の世界では名前を使うようにしたのだ。

 

 「それにしてもこないね。もう60年たっているから兵隊さん達ここにいないのかもね。ここに罪人を送らなくなったとか。」

 「それはあるのうもしかしたら、60年の間に何かあったのやもしれぬ。」

 「とりあえず、人のいるところに行こうか」 

 

 そういうと俺たちは森のほうに向かった。周りには森しかないからである。じじいもここがどこかわからないらしい。剣の腕だけでのし上がったので、地理とかは頭には何もはいってないという。残念だ。

 

 森の中でさらに半年が過ぎた。ワープ系の魔法が欲しいと思った。


 森を抜けると、人がいた。俺は人がいるところを聞いた。

 

 「すみません、少し話をしませんか?俺たち道に迷ってて近くの村とかあります?」

 

 気さくな感じのおじさんが笑顔で自分の村を教えてくれた。おじさんは森で薬草を取りに行くらしいのでそこで別れた。

 

 ようやくだ、ようやく村につく俺の夢への第一歩だ。ここまで1年もかかった。なんてこったいだよ。しかし、ついに暴れることができる。道中俺はじじいに話しかけた。

 

 「じじい、ついたら早々に暴れるぞ。」

 「わしにまかせろ。」

 

 俺たちは村についた。暴れようとしたときあることに思い付いた。

 

 「ヒトミ、剣とかほしくないのか?」

 「そういえば、そうじゃな。」

 

 武器屋にいって買おうかとおもった。がしかし…

 

 「きゃあああああああああああああ!!!!!!!!」


 なんと、じじいが村人を殺し始めたのだ。それも手に触れただけで。


 「武器などなくても生きているの反対は死んでいるじゃからのう。能力も隠す必要もないし。どんどん反対にしていくのじゃ。それにこの村を滅ぼしてから武器屋の武器を奪えばいいのじゃ」


 そういうと、じじいはどんどん殺していった。その光景を見て俺は興奮した。俺もやりたいと思った。昔から知っていたが俺はどうやらおかしいみたいだ。

 

 「ヒトミだけずるいぞ。俺もやるんだから。」

 「早くしないと、俺が全部やってしまうぞ?デス」

 

 何なんだ。この光景は。とても美しい男の子と女の子が笑いながら襲っている。男に触れられた人はばたんと倒れ動かなくなっている。顔を見ると生気が感じられない。死んでいるようだ。もっと怖いのが女の方だ。触れた人はいなくなった。言葉道理の意味だ。パッといなくなったのだ。親戚のおばちゃんは、消えた。僕は怖くなって逃げだした。早く助けを呼ばないと大変なことになる。







  一人の村人が私の前に来た。ここは首都ローザンメイエフ。そこにある騎士団は王直下の栄光ある騎士団だ。その騎士団に所属している私に男は話しかけていた。私は首都の周りを警備しているときだった。ローザンメイエフは高い壁に囲まれた大きい街だ。その外にはあまり魔物はいない、しかし、万が一があるので定期的に巡回をしている。

 

 「助けてください!悪魔、悪魔です!彼らにみんなっ殺されてしまう!!」

 

 ひどく慌てているその男は、がくがくと震えていた。悪魔といったか、いるとは聞いたことがあるが、見たことがないな。しかし、これを私が倒したら昇格できる。なぜなら悪魔とはとても強く倒したとすればそれは自分の力の証明になるからだ。そして、悪魔退治は勲章を国王からもらえる。昇給のチャンスだ。みんなにも、チヤホヤされる。むふふふふ。

 

 「わかった、その悪魔とやらを私が退治してきてあげよう!」

 

 私は他の騎士に何も言わず、男がいた村に向かった。もちろん自分の手柄にするためだ。私自身強い自覚があり、負ける気がないので一人でも大丈夫だと信じていた。

 


 

 あー楽しかった。やっぱり暴れると気分爽快になるなー。俺たちは村人を全員を殺した。そう村を滅ぼしたのだ。


 「ヒトミ、楽しかったな」

 「まあ、わしはおぬしと違い楽しいとは思わんが、おぬしの楽しそうな姿を見て、わしも思わず笑ってしもうたわい」

 「そかそか、じゃあ剣取りに行く?服を変えたいな。ここで必要なもの集めるか。」


 俺とじじいは必要なものを集めた。今まで同じ服を着ていたので、服が欲しかった。いろんな服をリュックの中に詰めた。このリュックも村で撮ったものだ。とても大きいのを選んだ。あとでじじいにもたせよう。

 

 「じじい、もう剣は選んだか?」


 俺はじじいがいる武器屋に来た。


 「今選んだ。ここにある武器はみな品質が悪くて困るわい」

 「そうなんだ、それよりいっぱい服持ってきたぞ。これで毎日着替えれるな」


 デスは嬉しそうにしている。よっぽど着替えたかったのであろう。それもそのはず、1年間同じものだもんな。べとべとしてたりして気持ち悪いと思う。デスは変わった格好をしておるなんでもフード付きのパーカーと呼ばれる物を上半身にきてスウェットのズボンとおいうのをはいておる。デスは遠い国から来たものなのだろうか。


 「これでじじいの、上半身裸の格好ともおさらばだな。」

 「おぬしもベトベトでカピカピの服ともさらばじゃな」


 俺は着替えた。この世界に来る前の服は思い出に持っておこうと思う。俺が前の世界にいたあかしだから。ちなみに俺はこの世界の普通のシャツに普通のズボンをはいた。じじいはというとこれまた一緒でシャツとズボンを適当に選んではいた。


 じじいは服がいっぱい入ったリュックと剣をもった。

 


 「じゃあ、次のところに行こうか」

 「どこまでもついていくぞいデス。」 


 二人は歩き始めた。

  





 「よくもお母さんを…許さない」





 新たな憎悪が今生まれた。 

 




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