プロローグ
VRMMOは多くのゲーマーたちの夢であった。
そう、であった。
時は20XX年、ついに夢は現実となった。今まで無名だったその会社はゲーム業界に彗星のごとく現れ、全世界初のVRMMO『Cross Saga Online 』略称CSOを発売。
法的問題や技術的問題の全てを解決し世に送り出されたCSOは、発売発表当初はその完成度を疑問視されるものの、オープンβテストによって想像を絶する程の完成度の高さを証明した。
「VRMMOは創作の中の物ではなく、正しく現実の物となった。」
と、βテストに参加した者は口を揃えて言った。
また、オープンβテストの様子は動画投稿サイトによって一部公開され、一部で噂されていたβテスター買収説も吹き飛んだ。
満を持して発売されたCSOは、初回発売分の十万本は2日と経たずに完売した。
更に、第二回分発売後は、その自由度の高さや充実した時間の取れないライトユーザーへの配慮から、従来のゲーマー層だけでなく、幅広い客層に購入され、多くの人々に愛される文句無しの神ゲーとして認定された。
そんな神ゲーを運良く電気屋の福引きでヘッドギア型VRゲーム機本体と共に手に入れた一人の高校生がいた。
両親から離れた独り暮らしであり、学校は明日から夏休み、両親からの仕送りは十分な額で月々の接続料も問題ない。VRMMOをやるにはラノベ主人公並みに最高の環境が整っていた。
彼は昨日壊れた電子レンジと少々奮発して買った電子レンジがちょうど福引き一回分の額だった事に感謝を捧げ、スキップで電子レンジとCSOを抱えて家に帰った。なお途中でスキップは止めた。電子レンジは重かった。
家に到着した彼は、電子レンジの設置を後回しにしてさっそく仮想世界へとログインを開始した。
現実ではそこまで目立たない彼、山田太郎の新たなる物語が今始まる!
この物語は彼による数々の悪行の記録である。
この作品はノリと勢いとトラブルによって投稿を開始したものです。なので更新速度も遅く、誤字脱字等が散見され内容も悲惨な物が投稿される可能性がそこそこあります。それでもよいという人は楽しんで行ってください。感想、誤字脱字報告お待ちしてます。