17くち 9
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「テロリストソルジャー"血みどろ魔女マリー-ブラッディ・ウィッチ・マリー-"出陣!攻撃力5500、防御力0だ!マリーにサポートカード"血だれる蝋燭"を装備して攻撃力を500ポイント上げ、伏せカードを二枚セット。ターン終了」
「俺はレジスタンスソルジャー"星守りの善き王-スタークラスター・ツァーリ-"を出陣!攻撃力1000、防御力5000だ!そこにサポートカード"ホワイトホール"で、防御力を500ポイントアップ。もう一枚"ワームホール"で、俺の墓所に眠るソルジャーカード×100ポイントをツァーリの防御力に更に加算。おまけにジャマ―カード"ブラックホール"で、自分の手札を一枚捨て、マシューの伏せカードを一枚破壊。最後にカードを一枚伏せ、ターン終了だぜ!」
二人は先ほどまで朝食があったテーブルを挟んで向かい合わせになり、腹休めにカードバトルをしていた。
ツァーリの防御力は6200ポイントに上昇した。
このツァーリの防御力を、マシューのエースソルジャーであるマリーの攻撃力が上回っていなければ、マシューに勝利はあり得ない。
マシューはデッキからカードを一枚手札に加えながら、自分のターンを宣言した。
「僕のターン!ジャマーカード"サバトの館-オルギア-"の効果で、マリーの攻撃力700ポイントを代償に、お前の伏せカードを破壊する!」
「甘いぜ!リバースジャマー"スターバースト"発動!このカードは破壊宣言された時にのみ発動出来る。破壊宣言を受け付けず、相手ソルジャーの攻撃力を1000ポイント下げるぜ!」
マシューは舌打ちをした。
"スターバースト"の効果で1000ポイントダウン。発動に失敗したとしても"サバトの館"の代償は支払わなければならないから、更に700ポイントダウンで、マリーの攻撃力は4300にまで落ちた。
マシューだけではなくダンケのアドバイスも聞きながらオリジナルの「ユニバースデッキ」を作っただけはある。
結構張り合いがあるな。
「だが、まだ手はあるぞ!手札から、サポートカード"契約の刻印"を発動!マリーの攻撃力が5000以下になった時、OLを500支払うことで発動出来る!今からゲーム内で経過した僕のターン数×400ずつマリーの攻撃力が上昇する!更にサポートカード"深紅の靴"を装備させ、攻撃力500アップ!マリーの攻撃力は4800になる!カードを一枚伏せ、ターン終了だ!」
「悪いけどもうこれ以上ターンはかからないぜ!俺のターン!サポートカード"流星群"だ!このカードは、ソルジャー同士の最高能力値の差分を相手オフィサーのOLから削る効果がある!ツァーリの最高能力値は防御力の6200。マリーは攻撃力4800だから、マシューにその差分1400ポイントのダメージを与える。"星守りの善き王-スタークラスター・ツァーリ"でマシューを襲撃!」
このカードゲームに置いて、ソルジャー同士の戦闘以外で勝利を得るには、ソルジャーを指揮するオフィサーの体力である、"OL"を0にしてしまうことだ。
攻撃特化のテロリストソルジャーがソルジャー同士の戦闘で有利ならば、防御特化のレジスタンスソルジャーはOLを削ることが主な戦法になる。