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洗車ならぬ洗猫
今日は、そんな気分な猫様。
コロコロから離れていかない。
猫様の頭よりやや低めでコロコロを持つと、まるで車が洗車機に洗われるように…いや、コロコロを動かさずともゆっくりと前進してくる。
目を瞑り額から、そして頭を通り過ぎる寸前で傾けて「首毛ヨロ!」とばかりに進むのを一時停止。思う存分やられたら発進し、尻尾の付け根――ピンと立たせた尾っぽにぶつかると今度は「尻ヨロ!」と尻だけを高く上げてストップする。
で、方向転換。
元の場所へ戻って行く間、腹の下にコロコロを挿し入れると、彼はゆっくりと進みまた方向転換し、洗猫は繰り返されていく。
ちなみに、身体の側面をやって欲しいときは、スタート地点に戻る途中で右向いたり左向いたり自分で向きをかえてくれるので、私がやることといえば彼が満足するまで小刻みにコロコロを動かすだけ。
そうして行ったり来たりを五回繰り返し、終わりの合図はスタート地点に彼がお座りして「ご苦労さん」と目を合わせることだった。
「ご利用ありがとうございました」
…猫って面白いね。