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復讐  作者: 誠也
8/13

奈央とお出かけ

社宅に帰ると、奈央がお昼ご飯を用意していた。


「お帰りなさい、遅かったわね裕太くん。」

「明菜にいろんなものを見せようとして、ちょっと遠出しちゃった。」

「そっか、私も行きたかったな。今度はママと一緒に行こうね、明菜。」


そう言うと奈央は俺を抱えて、頬をツンツンした。止めろ、止めろ。そう思うだけで口にはできない。

今日もお昼ご飯はミルク。せめて味を変えてほしい。今度裕太に言っておこう。

満腹になったところで眠気がやってくる。頭は大人でも、体は赤ちゃんだな。それじゃ、お休み。


・・・


「雅樹のバカ、もう知らない。」


バタン。夏希が部屋を出ていく。些細なことから喧嘩になり、夏希を怒らせてしまった。まずいかな、謝りに行くか。ガチャ。部屋のドアを開けると夏希が立っていた。


「「あっ。」」

「夏希、さっきは・・。」

「ううん、私の方こそ・・。」

「「ハハハ、ハハハハ。」」


なんだ、お互い同じこと考えてたんだな。玄関に笑い声がこだまする。


・・・


翌日。裕太は仕事でいないため、今日は調査をお休みだ。


「明菜、お買い物行こうね。」


奈央は俺を車に乗せると街へと繰り出した。チャイルドシートのフィット感がヤバい。まず着いた先はベビー用品を扱うチェーン店だ。ベビーカーを押して向かう先は新生児服のコーナー。奈央はあれもいいな、これもいいなと、俺に服を当てては悩んでいる。30分くらい熟考した末に、水玉模様の服と、ボーダー柄の服を選んだ。うん、悪くないセンス。会計を済ませて次のお店へ。

次に着いたのはスーパーだ。奈央は片手にベビーカー、片手に買い物かごを持って、スーパーの中を回る。キャベツ、玉ねぎ、ワカメ、豆腐、豚肉、生姜・・・。豚の生姜焼きと味噌汁かな?


「あ、奈央ちゃん。」


奈央より少し年上に見える優しそうな女性が近づいてきた。


「明里さん。お久しぶりです。」


どうやら奈央の知り合いのようだ。会話が盛り上がる。


「ねえ、その子って奈央ちゃんの子供?」

「はい、生まれたばかりなんです。」

「生まれたばかりなのにずいぶん大人しいね。」

「そうなんです。私も赤ちゃんのこといろいろ聞いてて、大変なのを覚悟してたんですけど、思ったより手がかからなくて。」

「ふーん。」


明里さんが俺の顔を覗き込む。ただの赤ちゃんですよ~。明里さんが笑顔で手を振ってきたので、こちらも笑顔を作る。


「まあ、あんまり長いこと連れ回しちゃ駄目だよ。それじゃまたね。」


そう言うと明里さんは帰っていった。


「それじゃ私達も帰ろっか。」


会計を済ませて、社宅に帰る。奈央は車から部屋まで俺と荷物運ぶのに2往復。荷物を持ってあげたかったけど、今の状態じゃな。大きくなったときは精一杯孝行するとしよう。

お昼からは奈央と一緒にお昼寝だ。窓から入る日差しが心地いい。


・・・・・・


「ただいま。」


裕太が帰って来た。


「えっ、うそ、こんな時間まで寝ちゃってた。ごめん、裕太くん、まだ晩ごはんの用意全然できてないの。」

「いいよ、今日は出前でも取ろう。」


ふふ、なんかこういうやり取りもいいな。俺も夏希と結婚してたらこんなこともあったのかな。ちょっと羨ましい。

裕太が近づいてきて、スマホの画面をチラッと見せる。メールのようだ。差出人は笠井・・・あの刑事さんだ。

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