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復讐  作者: 誠也
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どうにか手掛かりを

「よし、よーし、いい子ね。裕太くん、明菜が目を覚ましたわ。」

「ホントだ。明菜、パパだよー。」


俺は今、今の母親に抱き抱えられている。怪しまれないように精一杯の笑顔を作る。ご機嫌を取らないとな。俺の今の名前は綾瀬明菜と言うらしい。母親が綾瀬奈央、背は低めで細身な感じ、優しそうな女性だ。父親が綾瀬裕太、背は普通で小太り、こちらも優しそうな男性だ。どうやら初めての子供のようで慣れない感じだが精一杯愛情を注いでる感じだ。そんな中だ、俺は前世の記憶があるからといって無茶苦茶なことはできない。赤ちゃんがいきなり喋りだしでもしたら、軽くトラウマものだしな。

辺りを見渡すとデジタル表示の時計を見つけた。今は2017年5月7日11時32分。俺が死んだとされる日から2日経過してる。ゴールデンウィーク最後の日だ、まだ仕事は始まっておらず、アパートの他の住人も出払っていて、俺の死体はまだ発見されていないかもしれないな。警察が俺の部屋に入ると立ち入り禁止になって殺害現場を見ることはできなくなるだろうし、手掛かりを探すには今がチャンスかな。いや、でもどうやって俺の部屋まで行く?奈央と裕太の目もあるし、長い間ここを離れることは難しい。困ったな、何か手はないものか。また辺りを見渡す。お、これならいけるか?でも二人が離れるか、寝るまで待たないとな。一人で行動できるまで様子を見よう。

夜になり奈央がシャワーを浴びに病室を出た。裕太は寝落ちしている。カーテンも閉まってるし、今がチャンスだ。俺は俺のベッドから奈央のベッドへと移動し、机に置いてあるスマホを操作する。あった、〝ツイスター〟だ。アプリを起動し、文章を書き込む。


〝俺は斎藤雅樹という者だ。実はもう一回死んでいる。今は死んだ後、記憶を持ったまま転生した状態だ。この記事を読んだヤツにお願いする。俺は俺を殺した犯人を探している。その為の手掛かりが欲しい。そこでだ、俺の死体がまだ俺のアパートに残っているはずだ、現場の状況と併せて写真を撮って来てくれ。俺の住んでた住所は○○県○○市○○町○番204号室だ。どうか頼む、聞き届けてくれ。〟


送信っと。奈央のフォロワー数は147人、きっとなんとかなる。俺はスマホを元に戻し、俺のベッドに戻る。すると丁度奈央が戻って来た。あっぶねー、だけどギリギリセーフだ。あとは、返事が来るのを待つだけだ。少し眠りにつくとしよう。


・・・


「・・太くん、裕太くん、見てこの記事!」


うっう~ん。なんだ?奈央がスマホを持って騒いでいる。


「どうしたの奈央?」

「こんな記事私書き込んだ覚えが無いのに、ほら私のアカウントで書かれてる。なんだか気味が悪いの。」


早速見つかってしまったようだ。遅かれ早かれ見つかるのはわかってたけど、やっぱりマズかったかな?


「それに変な写真の付いた返信も来てるのよ。」


!来たか!ん~でもこっからじゃよく見えない。また様子を見てからだな。

奈央と裕太は気にしないようにするといった結論に至り、少し落ち着いた。そして、気分転換にとテレビをつけると、ニュースをやっていた。


『昨夜○○市○○町のアパートで住人の男性と見られる遺体が発見されました。遺体で発見されたのはこのアパートに住む斎藤雅樹さん24歳。遺体には心臓を刃物で刺した形跡がありました。発見は現場近くに住む男性がツイスター上に投稿されている記事に、遺体で発見された斎藤雅樹さんの名前を使用し、自らが殺害され、今自身が別人となり犯人を探していると書かれてることを知り、現場に向かった所発見したとのことであり、警察は事件との関連を調査しております。』


俺だ、間違いない。俺は確かに死んでいた。


「すみません。綾瀬奈央さんはこちらにいらっしゃいますか?」


年配の男性と若い男性が病室に入って来た。


「私ですが?」

「どうも警察の者です。少しお話しをさせて頂いてもよろしいですか?」


けっ警察!こんなに早くやって来るとは。さて、どうする?

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