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短編シリーズ( ・∇・)

お父さん

作者: 葛之葉

 お酒の飲み過ぎでお父さんが昨日死んでしまいました。

 お医者さんが言うには、末期の肝硬変とその弊害による蜘蛛膜下出血と言う事だそうです。


 誰も家族は異変に気付かなかったのか、とお医者さんに聞かれました。

 私達の家族は皆バラバラでご飯でさえ一緒に食べる事はありませんでした。


 お酒の臭いを年中漂わせる父親を私達は嫌がり、いつも汚い物を見るように接していました。


 お父さんの会社の同僚と言う人が来て、お父さんは兼業でやっていた田んぼの借り入れの時、コンバインに絡まった稲をスイッチを切らずに外そうとした時に落としとしまった小指が原因で、上手く重機を扱えなくなり痛みと同僚の視線から逃れる為に更にお酒に逃げていたそうです。


 職場でお酒の臭いを漂わせる父親に、他の同僚は陰口をたたき、現場の仕事が上手くいかない父親を見かねた中の良い同期の上司の人が昇進してデスクワークにつく事を提案したらしいのですが、学の無い事を心の中で引け目に感じていた父親は断っていたそうです。


 死んだお婆ちゃんは、女手一つで五人兄弟を育てていたらしく衛生兵帰りの死んだお爺ちゃんの暴力に耐えかねて、親戚の人に小さな土地を借りて、3畳あるかどうかの掘っ立て小屋で六人で過ごす程の貧乏な生活だったそうです。


 何も知りませんでした。

 始めて聞くことばかりでした。

 時間を戻したいと思いました。

 私達が食事に困ることが無いようにと、お金を貯めて田んぼを買ってお米を作っていたなんて知りませんでした。


 謝りたいたいです。

 今までありがとうと伝えたいです。


 もし、この文章を読んで下さる方がいましたら、後悔をしないうちに自分達の為に頑張ってくれている人に感謝を伝えてあげて下さい。


 後悔する前に。

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