寮に入れる
沙織と相原は違うところに配属になった
沙織の仕事はパソコン等に使われる基盤の政策だった
部品を乗せたり、はんだと塗ったりする機会と感想させる機械、4個の機会がつながっている
長い機械が6列おいてあった、沙織はその機会のオペレーターという事だった
配属された部署はほとんどが男性、唯一の女性も今月いっぱいで退職するとの事だった
その、退職する女性、岸田佳代子に仕事を教えてもらうことになった
長い機械の後ろと前に操作版があり、それぞれ前だけ後ろだけでしか出来ない事があり
オペレーターは機会をぐるぐると走り回ることになる
基盤によって枚数が違い多く作るときは暇になる
機会のセッティングが終われば、トラブルが無い限りやることは無い
たが、長年使っているらしい機会で、しょっちゅう止まることがあるらしい
初日という事で、沙織は岸田の後ろをついてどんな風に仕事するのか見てるだけだった
とにかく後ろをついて回るのがやっとで、何をどうしてるのか良くわからなかった
午後からは、実際に機会に触らせてもらった
それぞれの機会にマニュアルがぶら下げてある、エラー番号と対処の仕方が書いてある
それを見れば大方わかると岸田は言っていた
仕事が終わりホテルに戻ると、足がパンパンになっていた
もう引き返すわけには行かない、仕事を自分の物にしなくては
そう自分に言い聞かせていた
次の日は土曜日で休みだった、携帯に水野から電話だ
「寮を借りたから、今日にでも引越ししたいんだけど、大丈夫ですか?」
「私は大丈夫ですよ、でも相原さんまだ寝てるんじゃないですか?」
「そうなんだよ、電話でなくてね、ちょっと部屋ノックしてみてくれるかな」
「わかりました、起きたら水野さんに電話します」
「じゃ頼むよ」
水野は忙しそうに電話を切った
相原の部屋をノックしてみたが応答が無い
自分の部屋に戻って電話をしたが出ない、困ったなぁ引越し早いほうがいいのになぁ
部屋でお菓子を食べながら待ってみることにした
1時間ぐらい立った頃、相原が部屋へやってきた
ドアを開けると眠そうに目をこすっている
「電話くれたよね、水野さんからも何回も電話入ってて何かあったの?」
「寮に入れるんだって、今日引越ししたいって水野さんがいってた
私は何時でもかまわないって返事したけど、ちょっと水野さんに電話入れてみ」
「うん、わかった」
そういって、私の部屋から電話を掛けた
引越しは午後からとなった
私は先に水野さんの車で寮に行き、場所を確認して後から車で荷物を運んだ
荷物といってもボストンバック2個とパソコンだけである
自分の車に相原の荷物を積んで行った
寮は4階建てのマンション、女性だからという事でセキュリティのしっかりしたオートロックだ
相原は3階、私は4階の部屋になった
玄関を入ると右手にキッチン、左手にバス、トイレ奥のドアを開けると、8畳ほどのフローリングの部屋になっていた。
さすがに4階、ベランダからの眺めは良かった
派遣会社の事務員さんが掃除してくれたらしかった
布団にテレビ、冷蔵庫の生活必需品は会社の物だ
これだけの広さに、光熱費込みで5万の家賃がお給料から引かれる
光熱費込みなので、高くはないむしろ近所の相場からいうと安いほうだろう
次の日近所の大型家電店に炊飯器とトースターを買いに出かけた
いくらなんでも外食ばかりじゃ、お給料が持たない
ついでに安かったのでフローリングに敷くラグを買って帰った
なんとか部屋らしくなってきた
何とか新しい生活を始められた、今までのように親に頼ることが出来ない
ここまできたら、なんとしても頑張らなくてはいけないと新たに思う沙織だった