旅立ち
数年後、私は17歳になった。その瞬間に家を出る決心をした。冒険者になるためだ。両親は快諾してくれた。なんでも、冒険者は危険だが、同時に名誉なことらしいのだ。村のみんなも応援してくれた。
「頑張ってこいよ!」
「応援してるわ!!」
「たまには戻って来いよ!」
「わかったわ!私、頑張る!!」
こうして私は意気揚々と村を出た。
さあ、まずは共和国の首都、ランデルに向かおう、と思った矢先、魔物と遭遇した。
「ちょうどいい!!ダークスパイダーごとき、私の敵じゃない!!私の聖なる力、見るといい!!デカホーリーライト!!」
村で買った安物の杖からまばゆいほどの光が現れた次の瞬間、蜘蛛は姿を消していた。
「まあまあ形になったわね!」
ちなみに、この17年間少女を演じたせいで、すっかりしゃべり方が板についてしまった。
「試し撃ちも上出来だったし、これからは使役してもよさそうね~」
道中何度か魔物に遭遇したものの、使役の魔法で一発眷属だった。抵抗する力もないのね。
「ちょっとあなたたち、私のために薪をとってきてちょうだい。」
夜になってきたので、ここは人間らしく睡眠をとることにした。疲労回復魔法があるから睡眠なんてとる必要すらなかったのだが、私はなにも魔王になろうとは思っていないのだ。ただ、冒険者とはどんな感じかを知りたいという知識欲なのだ。物質変化魔法を使って、木の板を銀の板に変える。
そこには金髪で、愛嬌のあるアホ毛、おおきな赤い目、かわいらしい大きさの胸があった。
「17歳とは思えないなあ~。身長も低いし。まあ?かわいいから?全然いいけどね!!」
私はこの姿を気に入っていた。物質変化魔法の応用で変身することは簡単なのだが、この姿がいいのだ。異論は認めない。そんなことを考えながら、私は眠りについた。




