超合金
通されたのは、宿屋の広い部屋だった。しかし、部屋は仰々しく飾られ、中央に巨大なテーブルが置かれ、猛々しい魔物や魔族がそれを包囲していた。そして、テーブルの一番奥に、おどろおどろしい装飾が施された椅子が用意されている。
「・・・まさかあそこに私を座らせる気で?」
「ふさわしい装飾だと思いますが?」
「・・・」
複雑な気持ちで席に着き、会議が始まった。
席にはファーストたち三姉妹を筆頭に、言葉を話せる魔族が座った。
「まずは御復活おめでとうございます、魔王様」
「あ、ありがとう?」
「そして早速申し上げるのですが、あのような行為はお控えください」
「ん?」
「オリハルコンです!世間ではあれは失われた伝説の超合金です!そんなものをぱっと出されては困ります!」
「あー、ごめんごめん。ていうか、なくなったの!?」
「・・・かつて大魔国レストは大陸アクセリの豊富な鉱脈を利用し、鉄鋼業が栄えていました。そこまでは知られていますよね?」
「うーん。あんまり覚えてないかも」
「そうなのですか!?」
「え?そんな重要?」
「魔王様。現在あなたの側近で生きているものはすでにおりません。私たち三姉妹のみでございます。その私たちも当時子供だったため、あまり国のことは知らず、後に母から聞いた知識のみなのです。」
「・・・そーか」
「・・・失われた二つの超合金。母から聞いた話によると、ひとつは青色に輝き、魔力をこめることで推進力を得られるものだとか。」
「それがオリハルコンだね」
「はい。オリハルコンはその性質から超低空飛行を可能にし、レストに交通革命をもたらしました。当時は世界で一番栄えていたでしょう。そして、神の怒りを買ったのも、おそらくオリハルコンが原因かと」
「神の怒り?」
「・・・オリハルコンは当時、レストの力の象徴でした。オリハルコンを扱う職人はレストでのみオリハルコンを扱える。オリハルコンはレストの外での使用は禁止。などなど、オリハルコンは門外不出だったのです。それに他の部族は怒り、さらに神までも・・・」
(・・・まあいまはいいか)
「それで、もう一つは?じつはもう一つあったのは覚えてるんだけど、どんなものかわからなくって。名前さえわかればもう一度作れるんだけど」
「・・・もう一つの超合金は、その危険性から、母も知らないと言われました」
「危険なの?」
「その合金は太陽のように輝き、決して錆びることのない合金だったそうです。魔力を込めるとその魔力を増幅させ、爆発的なエネルギーを生み出すとか。産業ではオリハルコンが重宝されましたし、武具にもその堅さと推進力によるサポートなどが魅力であったためオリハルコンが採用されていましたが、おそらく武具で言うとその合金が最強だと、母は言っておりました」
「六高官ですら知らない合金か・・」
「魔王様、諦めるのは早いです。亜人の大陸イルミに本を集めることが好きなものがいます。魔王様は臨終の際、忘れてしまってもいいように記憶を書き記したと母から伺っております。もし、その本があれば・・」
「また作り出せると」
「そのとおりです」
「よし、じゃあイルミにいったら寄ってみるか!」




