再臨
(はああ~。勇者もすぐへばっちゃったし、包囲の維持も余裕だな~。でも、まだファーストからの連絡がない。あのファーストでも手こずるとは、相当の奴なんだな~。私も戦いたかった!)
「はあ~。もう降参しなよ~。さすがの私も飽きてきたよ!!」
「ぐっ!?」
私の攻撃で勇者が転がる。
「他の人も!おとなしく降参するなら殺さないっていってるじゃん!」
「くそ!魔物なんかに・・・」
「魔族の言うことなんて聞くな!!」
「だから、私は魔族じゃなくてエルフ!!」
「魔物に与してるんだからどっちでもいいわ!!・・・ん?」
「・・なんか急に曇りだしたぞ」
「・・・何?」
空を見上げると、確かに雲が、この王都中心に渦を巻いて集まっていた。
さらに雷も鳴り出し、明らかに穏やかでない状況に陥る。
(なんだ。何が来る!?)
その場の全員が空を見上げる中、一際大きな雷鳴とともに渦の中心が裂け、まばゆい光とともに何者かが現れた。
そのものは現れたと同時に私の周りの魔物を一掃し降り立った。そいつは白い羽を背中から生やした、明らかに天使の形相だった。
「何者だ!!」
「・・・」
そいつは何も言わずに青白く光る剣を取り出し、勇者の前で守るようにたつ。
「オリハルコン!?」
(最高級の物質だぞ!なぜそんなものをもっている!!)
そいつはなにも言わずすごいスピードで向かってくる。
「っ!?」
間一髪、剣で攻撃を受けた。
(重っ・・!こいつ、ただ者じゃない!)
相手の剣が翻し、次の攻撃をされる。
「くっ!」
(スピードも尋常じゃない!!勝てるか・・?)
その後も必死で抵抗するも、防戦一方だった。
「はあ・・・はあ・・・」
「・・・私の剣術についてこられるとは・・・驚きです」
「貴様っ!・・何者だ!」
「・・・しかしあなたは魔法を使わない・・。魔力量を見るに、魔法の勉強をサボりましたね?」
「うるせえ!」
「・・・剣だけでは、私には勝てません」
「っ!くそ!マジで誰なんだよ!!」
「・・・」
そいつはゆっくりと浮上する。そして、言った。
「我は一度世界を制した魔王、レストである!復活を世に示すため、神の御業を見せてやる!!」
「な!?レスト様だと!?」
魔王を語った者は右手を挙げる。するとその者を中心に巨大な魔法陣が展開される。
「あれは・・・水魔法の・・・」
その者が下を指さすと、魔法陣から雨のように水が降ってくる。
その雨粒に当たった魔物は斬られたように消滅してしまっていた。
「とんでもねえ・・・。こんなんありか・・?」
「本題は、ここからだ」
その者が指を鳴らすと、落ちていた雨粒が止まった。止まったのだ。雨粒が宙に浮き、とどまっている。
数秒すると、雨粒が魔物たちを切り刻み始めた。
(こんな・・・まさか、本当に・・・)
十秒もたたないうちに、城を包囲していた魔物は全滅した。
その者はてを挙げる。すると、雨粒が落ちた者も含めてすべて、時間を巻き戻したように魔法陣の中に戻っていった。
その者は私にてを向ける。
上空の魔法陣が私の上に巨大な水の塊を作る。
「お、おおおお許しください!魔王様!!」
しかし、その思い虚しく、攻撃は実行され、私は気絶した。
「・・・勇者よ、次会うときは敵か味方か、どっちだろうな・・・」
そういって、天使は去って行った。




