絶望
剣の切っ先が少女の目を貫こうとしたとき、彼女はもう私の前にはいなかった。
彼女は後ろにいた、100の魔物の死骸とともに。
彼女は笑っていた、血にまみれた剣を持って。
「な!?し、信じられません・・。こんな、一瞬で・・」
少女が次に出現したのは、私のすぐそば、剣を振りかぶった状態で。
私はそれを咄嗟に防ぐ。
「ぐっ!?」
笑っている。と、思ったときには、彼女はいない。
(後ろ・・!)
私は後ろから蹴りを入れられる。
「グハッ!」
すぐに体制を整え、彼女に魔法を打ち込む。
「キロアイス!!」
彼女はそれを止めた。防ぐのではなく、止めた。
「っはあ!?」
彼女はそれを笑いながら手でたたき割った。
「時間魔法だよ。なかなか強いね、アッハハ!」
そう言うと、彼女は高く飛んだ。そして急降下する。
彼女が降りた場所はえぐられ、散らばった破片が飛んでくる。
「ぐっ!?」
私は飛んできた石を避け、払った。
「でも、後ろから来るとは思わないよね」
その瞬間、散らばった石が時間がまき戻るように急に逆方向へ戻っていく。
「ッ!!?」
(避けられない!!)
私はここで致命的なダメージを負い、地面に一度倒れた。
上を見ると、赤黒いエネルギー弾6つとともに浮遊する彼女が目に入る。
「まさか、闇魔法まで使えるのか!?」
「ファースト、逃げましょう!とてもかなう相手じゃない!!」
隣で隠れていたサードが言う。
(ここは引くべきだ・・。相手を軽く見積もりすぎた!まさか、ここまでとは!もはや彼女は・・・)
「礼を言うよ、君たち。」
「!?」
「君たちの表情のおかげで、私は絶望を知った。これで感情という者はあらかた経験できたはず。又私は新たな魔法を使えるようになった!!」
彼女は私たちを指さす。
「!?」
(なんだこれは!?体が震える!?彼女が恐ろしく、怖い!!)
「感情操作の魔法だよ。効果はありそうだね」
「っ!?ふざけるな!!貴様はもはや人間、いや、生物ではない!!時間や感情を操るなど、摂理に反している!!何なんだ!!お前は!!」
「アッハハハ!!!私は・・そうだな、傍観者、とでもいっておこう。さあ、何が目的か、洗いざらい話してもらおうか」
(もはや彼女は神の領域にいる・・。従う他ない・・・)
絶望が、私を染め上げていた。




