準備
「そういえば勇者さん」
「アサトでいい」
「アサトさん。この国にはなぜ来られたんですか?」
朝、今日は旅の支度を整えるといわれ、仲間の皆さんの武器や防具を見に来た。いまはサーレさんやマナミさんの杖選びの最中だ。
「ここは俺の祖国でね。北の王国へ遠征して、帰ってきたんだよ。そこで、お前を拾ったんだよ」
「なるほど。」
「本当はこの後すぐに聖王国に行きたかったんだけど、共和国がこんな有様じゃあね。仕方ないし、帝国との交渉でもしてあげようかなって」
「共和国はもう帝国と戦争を?」
「ああ。帝国は森林の崩壊を機に攻めてきた。戦況は芳しくないらしい。そこで、俺が出て争いをやめさせて、なんとか和平までいけたらなと思ってる。」
「聖王国へはなぜ?」
「俺を共和国の人間なのに一方的に勇者認定してきたのは聖王国だ。おかげでおれは強くなったのはいいのだが、共和国と仲の悪い帝国が猛反発してきてね。さらに関係が悪化してきたってわけ。聖王国を恨んではないんだけど、魔王討伐の前に挨拶くらいしたいだろ?」
「なるほど~」
「ちょっとセレナちゃん!?これ、あなたにプレゼント!!」
「え!?ちょっ!?こんな立派な杖受け取れませんよ!!」
(こんな杖で魔法使ったらまずいんだよ!!村の安物の杖で森一つ壊滅させちゃったんだから!!)
「まあまあ♡受け取りなさいおちびちゃん♡あなたも自分の身は自分で守らなきゃ、っでしょ?」
「うぅ、はいい」
「よし、みんな準備できたか?」
「おう!」
「出来ました!」
「もちろんよ♡」
「あ、ちょっ、ちょっとまっててもらえませんか!?」
「うん?ああ、まあいいが」
私は人気のない路地裏へと向かった。ここにはチンピラのアジトがあるはず。
(いくらお金共有とはいえ、さすがに一文無しはまずい・・・)
「おい、何もんだ!!」
私は使役魔法を使った。
「金」
「どうぞ・・・」
(金貨2枚に銀貨5枚、銅貨30枚か。10人そこらだし上出来だわ!!さすがアジトね!!)
「おまたせしました!!」
「よし、じゃあいくか!!帝国との前線に!!」




