第8話 朝から修羅場!? 夫婦疑惑と兄弟契り事件
こんにちは、ヒカリです。
第8話は、朝食の席でまさかの「二つの疑惑」が炸裂します。
勇者とダンディードワーフの謎の関係、そしてマキトと魔王の誤解が入り混じるカオスな朝食タイム――ぜひお楽しみください。
朝――
俺と魔王は、ドワーフ宿の食堂に並んで座っていた。
昨夜の“魔王初夜事件”から一夜明けたばかりだが、周囲の視線は完全に「新婚夫婦」に向けられている。
「おう、酒の妖精様! 昨夜は熱かったな!」
「奥方様、今日はますます綺麗だ!」
「いや〜新婚さんは違うねえ!」
……誰だ、そんな証言を広めたやつは。
横で魔王が真っ赤になって下を向く。
「……忘れろ」
あ、ツンが出てきた。恥ずかしくてツンが出てきてる。久しぶり!
視線を合わせてくれない魔王の横で、リスがドヤ顔をしていた。
「私のお陰です!」
「リスうううう!! お前許さねーからな!!」
パンとスープを前に、俺はため息をついた。
魔王はまだ落ち着かない様子でパンをちぎり、口に運ぶ。
……可愛い。いや、そうじゃなくて。
そのとき、食堂の扉がきぃっと開いた。
勇者が入ってきた。……なんか様子がおかしい。
席に座っては落ち着かず立ち上がり、スープを取っては席を移動。
そして何度もチラチラと、部屋の隅に座るダンディードワーフを見ている。
これは……事件の匂いがするな。
昨夜、あの二人の間に何があったのか――探偵クドウマキト、興味津々である。
「……お前たち……昨日、部屋から声が……」
勇者が低い声で問いかけてきた。
食堂が一瞬静まり返る。
「「おおぉ……!」」
どよめくドワーフたち。
誰だよ、この世界のドワーフは怖いとか言ったやつ。
リスが「ふふふ……」と不敵に笑う。
こいつ元凶だからね。
「待ってくれ。魔王と結婚するけど、昨日の夜は誤解がある!」
必死に弁明する俺。
魔王は視線を逸らし、小声で「……誤解……なのか?」と呟いた。
やめろ、その不安そうな顔。読者の誤解が加速するだろうが!
一方で、ダンディードワーフは勇者の肩をバシンと叩き、
「なぁ兄弟、昨夜は楽しかったなぁ!」と豪快に笑った。
勇者は真っ赤になり、「やめろ!」と叫ぶ。
……はい、こっちも事件確定。
「「兄弟! 兄弟!」」
「「夫婦! 夫婦!」」
朝食の席は、“夫婦疑惑”と“兄弟契り疑惑”が入り混じる、修羅の食卓と化していった――。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回は朝から事件の匂い……いや、香りというより完全に修羅場の空気でしたね。
勇者とダンディードワーフの“兄弟契り疑惑”は果たして真実なのか?
そして魔王の「……誤解なのか?」発言は何を意味するのか?
次回、さらにカオスになるのか、それともほんの少しだけ話が進むのか……お楽しみに!