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僕たち結婚しました!魔王と始める異世界生活  作者: ヒカリ
第1章 馴れ初めは、魔の森でばったり会ったことでした!
8/25

第7話  異世界探偵マキトの事件簿:魔王初夜事件

こんにちは、ヒカリです。

今日はちょっと趣向を変えて……推理回です。

異世界生活二日目の朝に発覚した、最大級の“事件”とは――?

探偵マキトの語りでお送りします。

事件は、異世界生活二日目の朝に発覚した。

探偵クドウ・マキト――職業、元サラリーマン、魔王の婚約者(予定)――が目を覚ましたとき、そこはすでに事件現場だった。


前夜、私はランプの明かりを消し、魔王と背中合わせで眠りについた……はずだった。

そして朝――脳にまず突き刺さった事実は、こうだ。


第一の謎。

私は服を着ていなかった。


……お分かりいただけただろうか。

私は異世界に来てから、まだ二日目である。冒険もしていなければ、畑を耕したことすらない。

それなのに、なぜ裸。どこで脱いだ。誰が脱がせた。これが第一の謎だ。


そして、第二の謎。

隣に魔王が寝ていた。


いや、同じ部屋で寝ているのは昨日からの話だし、ベッドも一つしかない。

だが――布団の中の温もりがやけに近い。探偵の勘が告げる。「これはただ事ではない」と。


ここまでの時点で、読者諸君の中には「おめでとう!」などと軽率に祝辞を述べたくなる者もいるだろう。

だが待ってほしい。事件の全容はまだ明らかになっていない。


私は慎重に、そして紳士的に、魔王に掛かっている布団の端をそっと持ち上げた。

そう、これは調査のためであって、決してやましい気持ちではない――


暗がりの中から現れたのは、真っ白で、滑らかな――


「あ、それ、私ですよ」


……耳元から声がした瞬間、心臓が飛び出すかと思った。


「え? 誰?」

「リスです。マキトさん、あまりにもヘタレだったんで、操っちゃいました」


……容疑者、発見。


「リスううううあああ! てめえええ!」

「サービスです!」

決めポーズを取る容疑者。悪びれるどころか、誇らしげである。


そのとき――新たな証人が目を覚ました。

魔王だ。

彼女はしばし私を見つめ――頬を染め、視線を逸らす。


「……昨日のことは……その……」


やめろ、その意味深な前置きは。おじさんの心臓が持たん。


これは本当に事件なのか? それとも……ただの、始まりなのか?


異世界で初めての夜を明かし、二日目の朝――

私はすでに、この世界最大級の難事件に巻き込まれている。


『魔王初夜事件』、捜査開始だ。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

いやー……今回は完全に作者も読者も探偵気分でしたね。

服がない、距離が近い、魔王が照れる――証拠が揃いすぎて逆に混乱するやつです。

次回、この“魔王初夜事件”は新たな展開を迎えるのか、それとも……?

引き続きお楽しみに!

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