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僕たち結婚しました!魔王と始める異世界生活  作者: ヒカリ
第1章 馴れ初めは、魔の森でばったり会ったことでした!
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第3話  ブラッディ♬プロポーズ

第3話は、洞窟の門番ドワーフとの遭遇回です。

予定通りの入国儀式……になるはずが、なぜか場がプロポーズ会場に。

そろそろタイトル通りの結婚展開が動き出す……かもしれません。

「長すぎるぞ!こんなに歩くんなら言ってくれよ!」

森を抜け、洞窟を歩き……ドワーフの国は、俺の感覚では遥か先で、タクシーなら万単位がとられる距離だった。


俺の足はガクガク。

魔王も魔力と体力を使い果たした後の強行軍は辛かったのか、額には汗がにじんでいるーそれでも表情に出さないのは流石だ。


岩壁に手をつきながら、ようやくたどり着いた。


洞窟の奥は思ったより広く、奥の壁には大きな鉄の門がそびえていた。


門の前には、樽を枕に居眠りしているドワーフのおっさんが一人。奥には門番が待機している建物があった。


酒くさい……いや、芳醇な香りといったほうが正しいかもしれない。


「客か。珍しいな。おめーら、この国に用か?」


おっさんはむくりと起き上がり、目をこすりながら笑った。

なんかノリが、居酒屋の常連の親父と同じじゃね?


「用というか……ここ通らないと勇者に殺されそうでして」


「勇者?そっちにいるのは、魔族か。ドワーフは、人間と魔族のいざこざには興味ねぇ……ドワーフに火の粉がかかったら捻り潰すだけだ。

まあ入るには構わねぇぞ。“血の杯の儀”をするのならな」


「それ、どんなの?」


「お互いの酒に血を垂らして、それを交換して飲み干すんだ。血の契りってやつだな」


「ドワーフとやらないとダメなの?」


「おれの前でやってくれたらいいぜ。最近、文化知らずに入国して問題ばっか起こす奴が増えてよ。

だから、ちゃんと契りを結んで“兄弟”になってから通すことにしたのさ。

これ聞いて、やらなかったら、どうなるか分かってるな?」


凄みをきかしてくる。居酒屋の親父より怖いかも。


「へえ……契り結んだら、どうなんの?」


「そりゃ兄弟同然よ。俺と契ったら、この国にいる間、ずっと面倒見てやるぜ」


また頭の中で囁きが聞こえる気がする。

契り…そうだ!

いいこと思いついたぞ!!


「……おれ、こいつとやるわ」


「は?」


「魔王と」


「はあああああ!?」


 魔王が目を見開いた。


「だって、おれ、チートないんだぞ。40のおっさんだぞ。死んじゃうぞ。それでもいいのか? 血の契り、ちょうどいいじゃん! 結婚しよ、わたしたち!」」


「お前、それがプロポーズのセリフか? それに知ってるか? 私は魔王だぞ?」


「いいじゃん。魔王で。おれ、2回目だから、今度こそ幸せにしてやるよ」


「それが一番気に入らん!!」


魔王はぷいと顔をそむける。

けれど、その頬がほんのり赤くなっているのを、俺は見逃さなかった。


「ナイス判断です!マキトさん!いい感じですよー!」

焚き付けてくるリス…こいつ、絶対に面白がってやがる。


「……何をにやけている、人間」


「いや、何でも。照れてんのかなって」


「照れてなどおらん!」


声を張り上げながらも、耳まで真っ赤だ。

この人(魔族だけど)、ツンツンしてるくせに可愛いところあるな……。

ツンデレじゃん。クッコロでツンデレとか、ご褒美属性じゃん。

いいだろ? みんな。おれ、コイツと結婚しちゃう。


ドワーフのおっさんは腹を抱えて笑い、

「おめーら面白ぇな! いいぞ、やっちまえ!」と樽から酒を注ぎ始めた。


「おーい!こいつらが血の契りやるってよ!」

門番が声を上げると、建物の影からぞろぞろと酒樽を担いだドワーフたちが現れた。最初から宴の準備が整っていたみたいに。


そして、あれよあれよという間に、酒宴の準備を進めるドワーフたち。

これ……ドワーフがやばいんじゃなくて、何かと飲み会にしようとする異様な文化が、他の種族に受け入れられなかっただけじゃない?

って気がしてきた。


横を見ると、少し顔を赤らめて座っている魔王がいる。

コイツ……ピュアじゃん。かわいいじゃん。オジサン嬉しい。


「それでは、血の契りを結んでもらう」

ドワーフの合図で、俺と魔王は互いに酒を指定し、指を少しだけ切って杯に血を垂らす。

交換された杯を手に取り、見つめ合う。


「「乾杯」」


一気に酒を飲み干した――その瞬間。


ぐらりと視界が揺れる。

まるでブラックアウトするように、世界が真っ黒に沈んでいく。


え? なに? おれ、死ぬの?


読んでいただきありがとうございます!

魔王のツンデレが少しだけ顔を出しました。

次回はいよいよ「血の杯の儀」本番……のはずが、いきなりブラックアウト!?

酒のせいか、儀式のせいか、それとも別の何かか――お楽しみに!

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