2月第3週 重大政治ニュースベスト5【パスポート 香港 台湾 アメリカ閣僚 教育無償化】
『 』の中が記事の引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてあります。
どうぞご覧ください。
第5位『パスポート保有6人に1人どまり 24年発行382万冊と低迷』
日本経済新聞25年2月20日の記事より
『外務省は20日、2024年に発行されたパスポートは382万冊だったと発表した。同年末時点で有効なパスポートの累計は2164万冊で、保有率は17.5%だった。4〜5割の韓国や米国を大きく下回る。円安による渡航費用の高騰や若者の意識変化などが背景にある。
発行数は23年から30万冊の微増だった。新型コロナウイルス流行前の19年が451万冊だったのと比べると70万冊ほど減っている。
国内で取得されたパスポートを男女別でみると、男性が4割強、女性が5割強となった。年代別では60歳以上で1割ほど、30歳未満の若者層がおよそ5割だった。
使用可能なパスポート数を人口で割った保有率は13年の24%から低下傾向が続き、21年に2割を割り込んだ。コロナ禍からの正常化が進んでも回復していない。日本旅行業協会(JATA)の統計によると、米国の保有率は5割、韓国は4割、台湾は6割にのぼる。
日本のパスポートはビザ(査証)なしで渡航できる国と地域の多さから「世界最強」ともいわれる。英コンサルティング会社のヘンリー・アンド・パートナーズの「パスポート指数」は日本が190で2位につける。
外国訪問の選択肢が限られる途上国や新興国の人たちに比べ恵まれた状況にもかかわらず、日本人のおよそ6人に1人しかパスポートをもっていない計算になる。』(長いため後略)
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主にここ3年の円安が大きく響いた形になっています。
海外旅行者数は2019年が2000万人越えだったのに対し、2024年は通年で962万人と半分以下になっています。
しかし問題は日本人国内旅行の人口は2019年のコロナ前の9割程度と日本人旅行需要全体が沈没しているということです。(ただし消費額は2019年比24%増と“格差社会”が顕著になっている)
円安と貧困化からパスポートを持っている意味が無い状況で、
かといって国内旅行も「外国人向けのイベント料金」になりつつあるという悲惨な状況をこれらのデータを総合すると示唆していると言えます。
海外旅行はおろか国内旅行すらも「一般国民からすればかなりの贅沢品」になってしまったという恐ろしい状況だという事を共有していただければと思います。
本来であればインバウンド需要などを推進せずに日本人を豊かにして国内旅行需要を満たすことが理想だと思いますけどね……。
第4位 『香港、民主党が解散協議へ 国安法で党勢衰退』
共同通信2月20日の記事より
『香港民主派の最大政党、民主党は20日の幹部会議で、党を解散するかどうかを決める大会を開催することを決めた。日程は未定。2020年の香港国家安全維持法(国安法)施行後に幹部らが逮捕され、立法会(議会)選挙から事実上排除されるなどして、党勢の衰退に歯止めがかからない状態だった。
香港では国安法施行後に民主派政党、公民党を含め多くの民主派団体が解散に追い込まれた。大会で解散が決定すれば、残る民主派団体は社会民主連線(社民連)などごく一部だけになる。香港の民主派の活動は一層後退する。』
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密かに「香港の民主主義」が完全終了しました。
2020年が大きな節目の年で、施行された香港国家安全維持法では29条に「外国人と共謀して憎悪を誘発する行為」を犯罪とみなすようになることや51条には保安当局者に対し、「複雑で深刻あるいは難解な国家安全保障事件の一部を調査する権限を与える」といった曖昧でありながら大きな権限を持つ言論弾圧手段を得てしまったことから一気に逮捕者が増え、デモ活動や活動家が減少していきました。
更に、2021年の決定では中国当局の許可を得なければ立候補すらも出来なくなり、政党としての存続も難しくなったのです。
香港の方々は自由も人権もない独裁国家の住人として粛々と日常生活を送っているのだと思います。
第3位 『戸籍国籍欄「台湾」可能に これまでは国名原則で「中国」記載、法務省が5月に省令改正へ 』
産経新聞2月17日の記事より
『法務省は17日、日本人が外国人と結婚した場合の戸籍上の表記に関し、5月から国籍欄に地域名を記載できるよう省令改正すると明らかにした。これまで国名が原則で、台湾出身者も「中国」との記載だった。地域名の表記を認める住民票や在留カードとの統一を図るとともに、アイデンティティーに配慮した形だ。
法務省によると、現行の戸籍では外国人と婚姻した場合、配偶者の氏名などとともに「国籍」の記載欄を設けている。帰化した際も帰化前の国籍を記す。
改正省令ではこれを「国籍・地域」に変更し、台湾との表記を可能とする。施行前に結婚や帰化した台湾出身者も、申し出があれば変更を認める方針。
婚姻や離婚時には日本の法律だけでなく、相手の国・地域の法規定も考慮されるケースもあるため、表記の明確化で混乱を防ぐ狙いもある。これまで「パレスチナ」との表記を特例で認めてきたが、台湾は対象になっておらず、見直しを求める声が上がっていた。
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それと同時期にアメリカ国務省が公式サイトで公開している米台関係を概説した文書「ファクトシート」が更新され、従来は盛り込まれていた「台湾独立を支持しない」との文言が削除されました。
これらは必ずしも「台湾の独立を容認」したわけでは無いものの、
このあたりは密かに水面下で日米連携が進んでいたとプラスに評価していい点だと思います。
台湾は放置すれば先ほど見たような「香港化」してしまう事は間違いなく、
これらの動きは地味ではありますが中国が猛烈に批判していることからもかなり重要であることには間違いありません。
台湾の国連からの国家承認や日米台の国交樹立と安全保障条約締結と言った方向性まで行くと安心できる領域だと思います。
第2位 米FBI長官にパテル氏、上院が承認 過去の発言で物議
CNN日本語版2月21日の記事より
『米上院は20日、連邦捜査局(FBI)長官にカシュ・パテル氏を充てる人事を賛成多数で承認した。
パテル氏はトランプ大統領の熱烈な支持者で、保守的な考えを持つ。民主党議員らはパテル氏がFBI長官の地位を利用して、トランプ氏の政敵とみなされる人々に報復するとの懸念を示していた。
パテル氏は上院司法委員会が開いた指名承認公聴会でFBIを「政治化」することはなく、「報復措置もない」と述べ、民主党議員が自身の過去の発言から都合の良いところだけを抜き出しているとして非難した。
FBI長官の任期は政治の影響を受けないよう10年とされている。だが、トランプ氏は先の大統領選で勝利した後、自身が1期目時に任命したレイ前長官を更迭する方針を示し、レイ氏は辞任に追い込まれた。
共和党はパテル氏がFBIに必要な透明性をもたらし、物議を醸した同氏の過去の発言については単なる誇張だとして、同氏のFBI長官就任を支持した。
トランプ氏が指名し、当初は承認が疑問視されていた閣僚人事はほぼ全て共和党議員の賛成多数で承認された。ここにはケネディ保健福祉省長官、ヘグセス国防長官、ギャバード国家情報長官の人事が含まれる。』
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日本ではあまり注目されませんでしたが、トランプ大統領の提案した閣僚人事が上院で全て承認されました。
物議を醸すメンバーが多かったにもかかわらず共和党から「造反」が少なかったのは、やはりトランプ大統領が大統領選挙で快勝したことが非常に大きかったようにも思います。26年の中間選挙でのトランプ大統領からの推薦を得なければ共和党内での地位の確立が難しくなるからです。
また就任1カ月で公約の5割着手し、就任1カ月で大統領令は100超、バイデン大統領が定めた大統領令は80ほど撤回したという事実もあります。
賛否別れる点でもありますし、今後世界や日本がどうなるかは不透明ですが、圧倒的なリーダシップで「アメリカを良くしたい」という気持ちというのは政治家としてあるべき姿の一つだと僕は思っています。
第1位『高校無償化、自民・公明・維新が実質合意…25日にも党首会談で予算成立が確実に』
読売新聞2月22日の記事より
『自民、公明両党と日本維新の会の政調会長は21日、国会内で会談し、高校授業料無償化を柱とする2025年度予算案の修正で実質的に合意した。25日にも党首会談を開き、合意文書に署名する。自公は衆院で過半数を確保していないが、維新は予算案に賛成する方針で、予算成立は確実な情勢となった。
自民、公明は「年収103万円の壁」の見直しを巡り、国民民主党との協議を急ぎ、予算案へ国民民主の賛同も得たい考えだ。
自公維の合意文書案によると、高校生の就学支援金は25年度から公立、私立を問わず、所得制限を撤廃し、年11万8800円を助成する。焦点だった26年度からの私立高生への支給は所得制限を外し、現行の年最大39万6000円から年「45万7000円に引き上げる」と明記された。
低所得世帯の高校生などへの奨学給付金や、公立専門高校の施設充実への支援を拡大するほか、給食費無償化は小学校で26年度から実現し、中学校でも「できる限り速やかに実現する」ことが盛り込まれた。
政府・与党はこれらの実現のため、予算案を1000億円程度、増額修正する方針で、基金など一時的な財源を活用する案が出ている。26年度は5000億円超が必要だと見込まれ、恒久財源を検討する考えだ。
合意文書案では、維新が主張する社会保障改革を議論するため、3党による協議体を設置することも掲げられた。』(長いため後略)
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これについては予算が衆院通過した時点で詳しく書こうと思っているのですが、
国民民主党の要求する「所得税の壁」の引き上げと比べて教育無償化の方が「安くつく」ために維新案を飲んだという形になります。
本来であれば政治家で話題となっている中では国民全体の窮状を救うための方策である「所得税の壁」「ガソリンのトリガー条項発動」の方に全力を注ぐべきですが、その方向性で無いのは本当に国民目線では無いのだなという事が分かります。
(年収200万円以下の人は123万円から160万円に引き上げるなどとした案は税制が複雑になるだけでワーキングプア層にとって絶望的に良くない)
密かにこの維新の案を公明党が容認するのか? が注目です。公明党は昨年10月の衆議院選挙で大阪の小選挙区で維新の会に全敗しており、良い思いを持っていないはずです。
ここで公明がこの予算案を容認すれば「自民と一体」と国民からは余計見られ、予算案を反対すれば「連立から追放危機」という興味深い状況になるからです。
この案のまま成立すれば野党で抜け駆けて裏切ったのはやはり「第二自民党」と名乗っていた維新だったということです。
そして、今後予算を見る上においては「公明党の立場」と言うのに注目したいと思います。
いかがでしたでしょうか?
皆さんの2月第2週の注目ニュースを教えていただければ幸いです。