96 リンドバーグ島編 part07
アリス
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アリスたちは、ついに最終目的地である古代の村の跡地に辿り着いた。
村の中央に広がる大きな湖、その湖の底には、失われた文明の宝が眠っていた。
しかし、湖の周囲に立ち並ぶ四体の守護者の像が彼らの進入を拒むように立ちはだかっていた。
アリス「やっと来たよ!この時が!これが最後の試練だね…ウキウキ!」
湖の守護者たちの目が紅く光り、その瞬間、彼らの姿が巨大な石の戦士に変わった。
彼らの目は、アリスたちの力を試すかのように鋭く輝いていた。
まず立ちはだかったのは、水の守護者。青いサファイアを掲げた戦士が、湖の水を操り、巨大な水の竜を召喚した。水の竜はアリスたちに向かって吠えを上げ、その口から高圧の水流を吐き出した。
フノン「私の力を試してみます!」
と叫び、ペンダントの力で水流を制御しようと試みた。
ミクリは水の竜の鋭い爪を避けながら魔法剣を振るい、メリッサは氷の魔法を放って竜の動きを止めた。水の竜は狂暴に抵抗したが、フノンのペンダントの力と仲間たちの連携によって次第にその力を失っていった。
フノン「今だ、アリス!」
アリスが渾身の力を込めた一撃を竜に放つ。竜は水しぶきを上げて崩れ落ち、水の守護者もその姿を消した。
次に現れたのは、風の守護者。翡翠を持つ戦士が空中に浮かび上がり、嵐を巻き起こした。激しい風とともに雷が鳴り響き、アリスたちを襲った。
メリッサが氷の魔法で風の守護者に反撃した。
アリスは無詠唱で風を操り、嵐を静めようと努力した。ミクリは空中の守護者に飛び掛かり、剣で斬りつけた。しかし、風の守護者は素早く動き、彼らの攻撃を避け続けた。
フノン「アリス、あの翡翠を狙ってください!」
アリスは無詠唱で風を操り、空を飛び上がって、精密な気を込めた斬撃を放った。翡翠が砕けると同時に、風の守護者は力を失い、地面に落ちた。アリスたちは再び勝利を手にした。
土の守護者は大地の力を操り、巨大な岩を投げつけてきた。エメラルドを持つ戦士は、まるで地震を引き起こすかのように地面を揺るがせた。
ミクリ「この程度の岩なら!」
ミクリが叫び、岩を魔剣で砕いた。
メリッサは地面から生えた岩の柱を利用して高く跳び上がり、守護者に向かって魔法の炎を放った。フノンは水のペンダントの力で土の守護者の動きを封じ、アリスがその隙を突いて守護者に渾身の一撃を加えた。
土の守護者は崩れ去り、地面が静けさを取り戻した。
最後に現れたのは、火の守護者。赤いルビーを持つ戦士が、周囲の温度を急激に上昇させ、炎の壁を作り出した。炎の竜が現れ、アリスたちに向かって襲い掛かった。
アリス「これが最後の戦いだ、みんな!楽しんで行くよ!」
フノンがペンダントの力で水を召喚し、炎を抑えようとした。
ミクリは炎の竜に突進し、魔剣を振るってその攻撃を防いだ。メリッサは冷気の魔法で竜の動きを鈍らせ、フノンが水の力で竜を包み込んだ。竜は苦しみながらも炎を吐き続け、アリスたちはその猛攻に耐えた。
アリス「よし!一斉攻撃だ!」
アリスが叫び、ミクリとフノンとメリッサも同時に攻撃を仕掛けた。最終的に、四人の連携した一撃が火の守護者に命中し、炎の竜は消え去った。
火の守護者は崩れ落ち、湖の水面が静かに割れ、中から光り輝く道が現れた。アリスたちは互いに手を取り合い、湖の底に眠る宝へと進んでいった。
湖の水が静かに割れ、底へと続く道が現れた。アリスたちはその道を慎重に進み、湖の底へと辿り着いた。
そこには美しい水晶の宮殿が広がっていた。
宮殿の中心には、古代の王が残した宝があった。
その宝は、ただの財宝ではなく、古代の知識と魔法が秘められた聖なるアイテムだった。
宝の光が彼らを包み込み、その瞬間、アリスたちは自分たちが新たな使命を持つことを悟った。
宝箱の中には、古代の巻物と共に輝くクリスタルが収められていた。そのクリスタルは、見る者の心に直接語りかけるような、不思議な力を持っていた。アリスがクリスタルに触れると、彼女の心の中に古代の守護者たちの声が響き渡った。
古代の守護者「あなたたちはこの島の新たな守護者となる運命です。宝を手にしたことで、その力を受け継ぐのです」
アリス「どういうこと?」
湖の底に眠っていた宝を手にしたアリスたちは、その輝くクリスタルに触れた瞬間、不思議な力に包まれた。クリスタルは古代の守護者たちの記憶と力を宿しており、その力がアリスたちに宿ることで、彼らは新たな守護者としての役割を担うことになったのだ。
クリスタルの輝きが一層増し、アリスたちの心の中に古代の守護者たちの声が響き渡った。
古代の守護者「私たちはこの島を守り続けてきた守護者です。あなたたちは試練を乗り越え、この島の秘密を解き明かしました。その勇気と知恵、そして友情を示したことで、あなたたちは新たな守護者としての資格を得ました」
フノンはその言葉に耳を傾け、驚きと共にその意味を理解し始めた。
フノン「守護者の力を受け継ぐ?…」
クリスタルから放たれる光がアリスたちを包み込み、それぞれの体に新たな力が宿った。フノンはペンダントの力が強化され、水を自在に操る能力がさらに増した。彼女は手をかざすと、湖の水が舞い上がり、美しい水のカーテンを作り出した。
フノン「この力…信じられない!」
アリスは自然の精霊と心を通わせる能力を得て、植物や動物たちとの対話が可能となった。周囲の木々に手をかざすと、木々は葉を揺らし、まるで自分に応えるように囁き始めた。
アリス「自然の声が聞こえる…」
ミクリは戦士としての力が強化され、剣の一振りで大地を揺るがすほどの力を発揮できるようになった。彼は剣を振るうと、その動きに伴って風が起こり、周囲の葉を舞い上げた。
ミクリ「これが守護者の力か…」
ミクリはその力を感じ取り、誇らしげに微笑んだ。
守護者たちの声は続けて語りかけた。
古代の守護者「あなたたちは、この島の平和と調和を守るために選ばれました。守護者の力を持つことで、この島を守り続けるのです。そして、この宝を使ってこの世界を守る新たな冒険の道へ旅立つのです」
アリスたちはその言葉を胸に刻み、守護者としての使命を受け入れた。彼らはリンドバーグ島をはじめ、この世界を守る責任を負いながら、新たな冒険への道を探ることとなった。
古代の巻物には、他の伝説の島々や未踏の地についての情報が記されていた。それが彼らの新たな目的地となり、彼らは再び冒険の旅へと出発する準備を整えた。
アリス「私たちの使命はこの島、いやこの世界を守ること、そのために新たな冒険を続けること。
と言いたいところだけど、その方が話しはまとまるのもわかるけど、
やっぱ、守護者になるのは面倒だな!」
ディネ「ただ単に縛られるのがいやなだけじゃないの?」
サラ「わがまま!」
アリス「うるさい!サラ!あなたが守護者になれば!」
サラ「私は親から、決して守護者にならないように!
と言われているから無理!」
アリス「なんじゃそりゃ!
うーん! ここは?
ディアブロ無理。アルテミス無理。
そうだ! マリアはいるか?」
キラキラと空気が輝いた瞬間にマリアが現れた。
マリア「なんでしょう?アリス様!」
アリス「マリアに頼みたいことがある。この島の守護者になって欲しいんだけど。」
マリア「大変申し訳ございません!
せっかくのアリス様のご命令ですが、あいにく最近とても忙しく、こちらの島の守護までする余裕がありません。」
アリス「困ったなぁ!マリアがダメだとなると誰に頼もうか?」
マリア「アリス様!恐れ多いのですが、私の秘書にお任せくださいませんか?」
アリス「えっ! マリアの秘書? 秘書の秘書?!」
マリア「私の秘書に、若くてとても優秀なユリアという者がおります。
守護者の件ですが、ユリアに任せていただけますでしょうか?」
アリス「マリアがそこまで言うのなら仕方ない。そのユリアはどこに?」
とアリスが言った瞬間に、キラキラと空気が輝き、ユリアが現れた。ユリアは若いがとても優秀そうに見えた。
マリアの秘書 ユリア
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ユリア「ユリアでございます。」
アリス「よく来た。ユリア! 君にこの島の守護者になって欲しい。」
ユリア「かしこまりました。アリス様」
アリス「マリアの推薦なのだから、マリアに恥を欠かせないようによろしく頼んだ!」
ユリア「かしこまりました。アリス様!」
マリア「ユリア!よろしくね!」
ユリア「はい!マリア様」
マリア「では、私とユリアは失礼いたします。」
と言ってキラキラと消えて行った。
アリス「よし!守護者の後継者も決まったし、他の伝説の島々や未踏の地についての情報が記された地図も手に入ったから、次の冒険に出かけよう!」