94 リンドバーグ島編 part05(改訂)
アリス
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フノン「次は、この島がどのようにして創られたのか……その壮大な神話が描かれている部分を読みますね」
遥か昔、世界がまだ混沌としていた時代。大地の女神ガイアと海の神ポセイドンが力を合わせ、このリンドバーグ島を創り出した。
ガイアは豊かな大地を生み、緑あふれる森と美しい山々を築いた。ポセイドンはその周囲に透き通るような青い海を形作り、無数の生命が息づく珊瑚礁を設けた。
『この島は、我らの力の象徴だ。自然の調和と美しさを保つために、守護者たちを選び出そう』
ガイアの提案により、二神は自然の調和を保つための「初代守護者」を選出した。彼らは水、風、土、火の四元素の力を受け継ぎ、島の平和と繁栄を守る使命を授かった。
『我らの力を受け継ぎ、島を守るのだ』
ポセイドンの言葉を胸に、初代守護者たちはその力を駆使して島を導いた。豊かな自然と平和に包まれ、人々が幸せを謳歌したこの時代は、島の歴史の中で最も輝かしい「黄金時代」として語り継がれている。
アリス「へぇー、ガイアとポセイドンね! いかにも神話って感じ!」
ミクリ「神様ってすごいなぁ。そんなに簡単に島を作っちゃうなんて」
アリス「いや、まあ神話だからね、神話。実際はどうだか……」
ミクリ「神話……?」
アリス「そう。神話と歴史は別物なの。空想上の物語って側面もあるんだから」
サラ「……アリスが、まるで頭のいい人みたいな発言をしてるぞ!」
アリス「失礼ね、これでもちゃんと勉強はしてるのよ!」
サラ「へぇー! 意外すぎてびっくりだ!」
アリス「まったく、人を見かけで判断されると困るわね」
サラ「いや、アリスだからなぁ。説得力が……」
アリス「もう一回失礼って言ってやろうか!」
フノン「……二人とも、少し黙って」
アリス「はーい」
フノン「続けますね。巻物には、初期の守護者たちが使用していた基本的な魔法や儀式についても記されています。自然のエネルギーを引き出し、調和を保つためのもので、リズムと発音が非常に重要だったようです」
アリス「そのあたりは、さっきも聞いた気がするわ」
フノン「『我らの声と心が自然と一体となることで、力は発揮される』……そう言って呪文を唱える初代守護者の姿が描かれています」
アリス「声と心が一体? うわー、難しそう。イミフ(意味不明)だわ」
ディネ「アリス、静かに聞けないの!」
アリス「はーい……(本日二回目)」
フノン「時代が進むにつれて魔法も発展し、火山のエネルギーを利用したり、風をより効果的に操ったりする高度な術が編み出されていったようです。後代の守護者たちが『新たな知識を得ることで我らの力は増大し、守護はより強固になる』と語り合う様子も記録されていますね」
アリス「その新たな知識って、具体的には何なの?」
ディネ「さっきからフノンが読んでるじゃない。自然エネルギーを効率よく活用する呪文とかよ」
アリス「なるほどね」
フノン「守護者たちの最も重要な役割は、島を巡回してエネルギーのバランスを確認すること。特定の場所で儀式を行い、力を安定させることでした。『自然の声に耳を傾け、バランスを保つことが我らの使命だ』と互いに励まし合っていたようです」
アリス「……その、自然の声って一体何なの?」
ミクリ「なんだろう、風の音とかかな?」
フノン「ちょっと待ってください、詳細な記述を探してみます……。あ、ありました。どうやら単に環境音を聞くということではなく、もっと深い意味があるようです。自然界のエネルギーや動向を感じ取り、それに応じた行動を取ることを指しています」
アリス「うーん、言い回しが難しい! もっと噛み砕いてよ!」
サラ「フノン! このバカ……じゃなくてアリスにもわかるように説明してやってくれ!」
アリス「今、バカって言おうとしたでしょ!」
フノン「ええと、具体的に言うとですね……。守護者たちは動植物と特別な絆を持っていました。動物の行動や植物の変化を観察することで、異変を察知していたんです。鳥のさえずり、魚の泳ぎ方、葉の揺れ方。そういった微細な変化から天候や環境の予兆を読み取っていた、ということです」
アリス「それならわかるわ。最初からそう言ってくれればいいのに」
ディネ「いちいち文句をつけないの、黙って聞きなさい!」
アリス「はーい……(本日三回目)」
フノン「また、目に見えないエネルギーの流れを感じ取るために、瞑想や特定の儀式も行っていたようです。地面に手を触れて大地の鼓動を感じたり、風の流れから空気質の変化を読み取ったり……」
アリス「そんな超能力みたいなこと、私できないよ!」
ディネ「それを今から身につけるんでしょ! そのための修行なのよ」
アリス「そっか、身につけなきゃいけないのか……。でも、どうやって?」
ディネ「それはこれから読み進めれば書いてあるはずでしょ」
アリス「確かに! わかったわ!」
フノン「……続けてもいいですか?」
アリス「いいよ!」
フノン「守護者たちは、自然との共鳴を高める特別な呪文を使っていました。例えば、嵐が近づいている時に特定の呪文を唱えれば、風の精霊と対話して嵐の進行を遅らせることすら可能だったそうです」
アリス「へぇー。でも、別に呪文なんて唱えなくても精霊とは普通に話せるじゃない?」
ディネ「それはあなたが特殊なだけよ。普通の守護者はそこまで密に会話なんてできないの」
アリス「あ、そうなんだ? ミクリも最初は会話できてなかったもんね」
ディネ「そうでしょ。だからこのマニュアルが必要なのよ」
アリス「なるほどね、納得したわ!」




