42 盗賊討伐編 エピソード21 part3
メドゥーサ
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翌朝、アリスたちは馬車に乗って、西のデュークという廃村に向かった。途中、アリスはミクリとフノンに昨日の出来事を話した。
ミクリ「メリッサは、メドゥーサだったの?!」
フノン「お願いですから、石にしないでね。」
メリッサ「石にしませんよ。後が怖いですからね。」
ミクリ「やっぱり盗賊団をやっつけたんだ。きっとそうするだろうなとは思っていたけど。」
アリス「単なる盗賊団にしては、異常な気がしたからね。
でも最初は偵察だけのつもりだったんだけど、メリッサもいて、話しがややこしくなって、つい手を出してしまった。内緒でごめんなさい。」
フノン「まあ、魔王絡みは少し危険だからね。」
アリス「それで、馬車で、デューク村までは行くんだけど、もう盗賊団はいないので、その後、さらに西に進もうと思っているんだけどいいかな?」
ミクリ「そうなるよね。きっと、西の魔王に挨拶しに行くんだよね?」
メリッサ「えっ?」
フノン「また西の魔王の領地で暴れるんだよね?」
メリッサ「えー?」
アリス「そう!そんなに気にしているなら、挨拶しておかないとね。」
メリッサ「あのー?どういうことでしょうか?」
ミクリ「ああ、メリッサは知らないよね。
南の魔王が最近おとなしいわけ。」
メリッサ「そう言われますと、いつもあっちこっちで何かしら茶々入れている南の魔王様なのに、最近ではとんと話しを聞かなくなりましたね。何かあったのですか?」
アリス「たぶん南の魔王領地内の再整備でお忙しいんだと思うよ。」
ミクリ「アリスがあれだけ暴れてしまったからね。」
フノン「魔王領地の4分の1を壊滅して、今後、手を出さないように言っちゃったからね。」
メリッサ「それで、西の魔王様にも何かしようと?」
アリス「いやいや別に何もしないよ。ただ人の国に如何なる干渉もしなでね、とお願いに行くだけですよ。
人の国の冒険者を7組みも殺すようなことはしないでね、と。」
メリッサ「でもそれは、西の魔王様のご指示とは違いますのけど。」
アリス「西の魔王の指示は関係ないの。西の魔王の部下がシエステーゼ王国の冒険者を7組も殺した事実が問題なだけだから。つまり、西の魔王が諜報部隊を各国に送らなかったら、こんなことは起こっていなかったということだけかな。」
メリッサ「それについて、アリス様は怒っていらっしゃると」
アリス「まあ、そういうことかな」
メリッサ「あの!すみません!急に用事を思い出したので、ここで失礼いたします!」
と言って、慌てて馬車を降りた。
アリスたちはそのまま進んだ。
ミクリ「メリッサはこんな何もないところで降りて、大丈夫なのかな?」
アリス「ミクリ。メリッサはワープできるから大丈夫だよ。」
フノン「さすがメドゥーサだね。」
ディネ「アリス。メドゥーサを行かせてよかったの?
きっと西の魔王のところに行ったわよ。」
アリス「わかっているよ。それで西の魔王がどう出るのか?見ものだね。」
サラ「やっぱり脳天気だね。ガッチガチに警備を固められるかもしれないのに。」
アリス「その時は、召喚獣をフル動員して、大暴れしてやる!」
ノーム「西の魔王を滅ぼさないでね。またバランスが崩れて、後が面倒だから」
アリス「それはないよ。たぶんきっと。おそらく?自信がないけど。」
エント「西の魔王は、心配いりませんよ。あのクソジジイはビビりーだから。あれだけ脅したら、今頃は、各国のインビジブルナイトを呼び戻しているでしょうから。」
後で聞いた情報だと、本当にそのタイミングでインビジブルナイトを呼び戻していた。すごい読みである。さすがエント様。精霊の中でも別格である。
それから、デューク村のかなり手前で、馬車を降ろされた。どうも盗賊団が怖かったらしい。
もう壊滅したんだけど、その情報はまだ内緒なので。
アリスたちは仕方なく、歩いて西に向かった。
アリス「疲れたよー。足が痛いよー。やっぱり馬車がいいよー。ちっとも馬車が通らないよう。」
ミクリ「西は盗賊が出るから、商人はこちらまで来なくなったらしいよ。」
アリス「やっぱりあのインビジブルナイトはムカつく。もう倒したのにムカつく。」
フノン「仕方ないよ。ゆっくり休みながら、進みましょう!」
アリス「フノンが大人の発言をしたよー。えらいよー。」
サラ「その喋り方をやめな!バカ!」
アリス「バカ言うな!クソー!これでも一国のお姫様だぞ!」
サラ「あーあ。自分から言い出した。誰も言ってくれないからね。」
ディネ「サラは、もうバカの相手はしないように!バカが移りますよ!もうやめておきなさい!」
サラ「ハイ。バカが移らない内に止めます。」
(実際にはバカは移るモノではありません。)
パルキニア共和国周辺地域
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山道に入り、シグナス王国の南を少し抜けて、西のパルキニア共和国に入った。ちょうどカンタレラ王国の北に面する国である。砂漠の多い国で西方との交易ルートとして栄えている。山に入ると、カイザーウルフやゴブリン、オークなどの魔物に襲われることが多くなった。
ミクリ「なんか。魔物が増えましたね。シエステーゼ王国ではほとんど出なくなっていたので、面倒くさいですね。」
フノン「前はシエステーゼ王国でもこの程度の魔物に遭遇していましたけど、最近はめっきり減ってしまいましたからね。」
アリス「ほんとに。この程度の魔物を倒すのが煩わしいよね。」
山を超えたら、一面の砂漠が広がっていた。
砂漠を西に進むと、途中、スコーピオンやゴーレム、サンドワーム、ワイバーンなどの魔物に襲われた。
アリスは、面倒になって、アンデッドのオークキングを召喚して、魔物の相手をさせた。
アリス「最初から、アンデッドを使えば良かったよ。」
ミクリ「そういうことをしていると身体がなまりますよ。」
フノン「適度に身体は動かした方がいいですからね。」
アリス「やっとオアシスが見えてきた。」
アリスたちはオアシスの町ビスラムに着いた。
西の交易ルートだけあって、市場では珍しい物が売られていた。
ディネ「まあ!珍しい化粧品があるじゃないの!
ちょっとぶらついてくるわ。」
サラ「珍しい果物を売っているよ。見てくるね。」
アリス「精霊ってほんとうに自由だわ。」
ミクリ「あっちに変わった武器を売っていたから見てくる。」
アリス「精霊だけじゃなかったよ。フノンは見て来なくていいの?」
フノン「ここには魔道具の種類がないようです。」
アリス「それじゃ、我々は宿を見つけて休みましょう!」
アリスたちは早々に宿を見つけて休んだ。少し後から、ミクリが戻ってきた。
3人は居酒屋に行って食事をした。
ミクリ「良い買い物ができたよ。ほら。」
ミクリは宝石の付いた剣の鞘を見せてくれた。
ミクリ「ねえ!格好良いでしょ!ひと目で気に入ったんだ。この宝石は、魔力のある魔石だよ。すごいでしょ!」
ディネ(小声で)「あの石に魔力はないわよ。」
アリス(小声で)「本人が気に入っているからいいの!」
アリス「さてと宿屋の主人に聞いたんだけど、この先、西北に、パルキニア共和国の首都モンテーヌがあるらしい。」
フノン「確かパルキニア共和国は、軍事政権で、軍のトップが大統領をしていたはずです。首都には、軍事政権の中枢が集まっていて、いつも監視されていて気が抜けないと聞いたことがあります。」
アリス「そんなのいやだな。それじゃ、西南に向かいましょう。宿屋の主人によると、西南には、パルキニア共和国の第二の都市ガナスがあるらしい。パルキニア共和国で一番の魔法都市という話しだったよ。」
フノン「それは行かないとね。魔法都市か。どんな町か?早く見たいなぁ!
となりの国だったけど、エルフ族はあまり外の人間との交流はしないから、情報も入らないので、よく知らないのです。軍事政権の情報もシエステーゼの飲み屋で聞いた話しですからね。」
アリスたちは、3日間歩いた。砂漠を抜けて、草原を抜けると大森林が現れた。森の中に入ると魔物がウジャウジャ出てきたので、アンデッドのアシンを召喚して、先行させた。
後ろには、アンデッドのオークキングを召喚して配置し、アンデッドのケルベロスを召喚して、ケルベロスの上に乗って、進んだ。アリスは最初からケルベロスに乗ればよかったと後悔していた。
そして森を抜けると、目を疑う景色が広がっていた。




