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182 4大魔王会議 西の魔王 誕生編


ディアブロ「アリス様。実は東の魔王アヴォスヘイム様の要請で、新しい西の魔王を入れて、

      4大魔王会議を開催する必要があるとのことです。

      そこで、南の魔王が東の魔王領に進攻しようとしたことに釘を刺したいとの意向です。」


アリス「なるほど。私が北の魔王になったときも4大魔王会議を開催したし、

    ここは東の魔王の言うとおりにした方がいいな。

    それで。いつやるの?」


ディアブロ「それが、・・。誠に言いにくいのですが、・・。」


アリス「いいよ。一週間後でも。」


ディアブロ「今からです。」


アリス「はぁ? なにいってるの? 今から? ありえん。」


ディアブロ「申し訳御座いません。東の魔王様が善は急げ と申しますので。」


アリス「今、休暇中なんだけど。」


ディアブロ「本当に申し訳御座いません。

      すでに東の魔王城に、東の魔王様と南の魔王様が揃っております。」


アリス「もういるの?」


ディアブロ「後は、我々が行くだけです。」


アリス「やばい。悪夢だわ。なんでだよ。ついてない。くそう。」


サラ「いってらっしゃい。」


ノーム「のんびり待っていますから。」


ディネ「頑張ってね。」


アリス「鬼! 悪魔! やば、暗黒の悪魔だった。」


ディアブロ「それではよろしくお願いいたします。」


アリスとディアブロはきらきらと輝く光の中に消えていった。


----------------------------------------------------


<東の魔王城>


東の魔王領の中央、漆黒の城壁に囲まれた玉座の間。

重厚な扉が音を立てて開き、アリス(北の魔王オルブレス)とディアブロ(西の魔王)が、輝く魔力の輪の中から姿を現す。


玉座に座るのは東の魔王アヴォスヘイム、そして隣の玉座には冷酷な表情の南の魔王ラファエル。


重々しい沈黙の中、アヴォスヘイムがゆっくりと立ち上がる。


アヴォスヘイム「新たに西の魔王となったディアブロの正式な任命式をここに執り行う。

       そして、この場で今後の魔王間の連携と、南の魔王の侵攻問題についても討議しよう。」


ラファエルは軽く嘲笑を浮かべながら立ち上がる。


ラファエル「我が南の魔王領の動きを止めようとするならば、それが許されると思うなよ。

      だが、会議という形式であれば、一応は耳を傾けてやろう。」


アリスは眉をひそめてラファエルを睨みつける。


アリス「南の魔王の侵攻は何度も阻止してきた。もう言い訳は聞き飽きた。

    今日は冷静に話し合う。だが、見せかけの平和など我々は求めていない。」


アヴォスヘイムは黒曜石の杖を高く掲げ、古の魔法陣を召喚する。

空間に浮かび上がる魔法陣は力の象徴。


ディアブロの胸に紋章が光り輝き、彼が正式に魔王の一人として認められたことを示す。


しかし、魔王たちの目は単なる儀式の域を超え、互いの力を探り合う鋭い光を帯びる。


ディアブロ「我が力を証明するために、力の試練を提案する。

      この会議の場で、戦いを通じて互いの強さを確かめ合おう。」


ラファエルは不敵に笑っていた。


ラファエル「望むところだ。弱者はここで排除されるべきだからな。」


黒曜石の玉座の間は、一瞬にして緊迫感に包まれた。

空気が重く波打ち、魔力が渦巻いている。


アリスは深呼吸し、冷静に周囲を見渡した。

彼女の手には氷晶の剣が現れて、透明な刃が淡く青白く輝いている。


一方、ディアブロは両手から灼熱の赤黒い炎を纏い、地面の岩がひび割れていく。


アヴォスヘイムは杖を掲げ、空間に雷の魔紋を描き出し、次の一撃の準備を整える。


ラファエルは黒い霧のような魔力を手にまとい、暗黒の毒を内包した刃を生み出した。


アリスの氷の刃は空気を切り裂き、ラファエルの黒霧の刃と激突する。

二つの魔力が火花を散らし、暗闇の中に冷たい光が踊る。


ラファエルは毒の黒霧を操りながら、左右に素早く移動。

アリスは氷の結界を展開し、防御を固める。


その隙に、ディアブロは両手の炎を爆発させ、一気にアヴォスヘイムに向かって突進。

赤黒い火柱が玉座の間を照らし、轟音とともに熱波が走る。


アヴォスヘイムは杖を地面に突き立て、雷霆の魔法陣を展開。

雷光が彼の周囲を取り囲み、火柱に反撃の雷撃を放つ。


火と雷が激しくぶつかり合い、振動が玉座の壁を揺らす。


戦況は激烈を極める中、アリスは冷静さを失わない。

黒霧の刃が迫る瞬間、氷の刃で反撃しつつ、影のステップで敵の死角に回り込む。


アリス「ここまでだな!」


彼女は氷の槍を生み出し、ラファエルの腹部を狙う。

だが、ラファエルは毒霧で槍を溶かし、煙の中に消えた。


アヴォスヘイム「力だけでは決着はつかない。策略を使う時だ!」


彼は雷光を分裂させ、四方へ飛ばす。

その中の一筋がディアブロの足元を狙い、爆発を起こす。


ディアブロは爆炎に飲まれそうになるが、炎の翼を広げて空中に跳躍。

そのまま背後から雷撃を狙う。


アリスはそれを察知し、氷の盾でディアブロを守る。


ファエルが突然、闇の渦を生み出し、空間の歪みを作り出す。


ファエル「この渦に飲み込まれれば、誰も逃げられない!」


アリスは直感で渦の中心に向かい、強力な氷の結界を放つ。

凍結魔法が渦の動きを鈍らせ、一時的に鎮めることに成功する。


だが、四者の魔力は限界に近づいていた。

互いの眼光は、次の一撃を躊躇なく放つことを告げている。


戦いは激烈のまま、玉座の間を揺らす雷鳴と火花の渦となった。

この激闘は、魔王たちの真の力と覚悟を示す、歴史的な戦いとなった。


アリスは一瞬の隙を狙い、ラファエルの黒霧に切り込む。


アリス「ラファエル! あなたのやり方は短絡的すぎる。

    力で支配しようとしても、結局は破滅しかもたらさない!」


ラファエル「北の魔王に幾度も敗北した我が身だ。簡単に諦められるか。

     …だが、その言葉には少しだけ同意する。力だけではない、策略も必要だな。」


ディアブロは冷静に会議の本質を見据え、声を上げる。


ディアブロ「我々は闘争だけでなく、世界の均衡を守る役割も負っている。

      南の侵攻を防ぐには、協力と調停も不可欠だ。

      ラファエル、貴様も無意味な抗争に執着せず、戦略的に動け。」


アヴォスヘイムは冷静な声でまとめに入る。


アヴォスヘイム「感情に流されることなく、冷静に議論を続けるべきだ。

        今回の戦いはお互いの力を知るためのもの。

        だが、それ以上に重要なのは、この世界の未来をどう創るかだ。」


アヴォスヘイムの言葉で戦闘が収束し、四者は疲労を見せつつも互いの力を認め合う。


アリスはディアブロの肩に手を置き、信頼の意を示す。


アリス「ディアブロ、お前の力と判断力は認める。正式に西の魔王として共に歩もう。」


ディアブロは微笑み、頷く。


ディアブロ「ありがとうございます。北の魔王様の信頼に応えられるよう努めます。」


アヴォスヘイムは合意を宣言する。


アヴォスヘイム「これより四大魔王は互いに監視しつつも、世界の均衡を守る同盟とする。

        南の魔王ラファエルよ、貴様もその一員として振る舞え。」


ラファエルは渋々頷くが、目にはまだ敵意が残っていた。


やっと会議を終えて、各自が玉座を離れる時。

ラファエルは部下のゾーラを読んで何かを話していた。


それを見て、アリスはディアブロに小声で囁く。


アリス「ラファエルの動きはまだ油断できない。次はもっと厳重に監視しよう。

    だが、力でねじ伏せるだけではこの混乱は収まらない。」


ディアブロは真剣な表情で答える。


ディアブロ「その通りです。これからは策略と力、両方を駆使し、我々の世界を守り抜きましょう。」


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<南の島>


アリス「ただいま。あーーー疲れた。これでやっとゆっくりできる。」


ディネ「お疲れ様。」


ノーム「おかえりなさい。」


サラ「帰って来なくてもいいのに。どうせまたどこからか呼び出されるくせに。」


アリス「もーーいやだ。もーーどこにも行かないぞ!!絶対にゆっくりしてやる!」


サラ「無理だね。」


アリス「うるさい!」


とりあえずは、南の島で落ち着くのであった。(今のところはね。・・)


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