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181 パブロフ正教国の聖女編 part5

<パブロフ正教国>


パブロフ正教国は、全世界の信徒たちの信仰を一身に集めていた荘厳な大聖堂の中心国家である。

前最高司祭長マクシミリアンは慌てた様子で右往左往していた。


マクシミリアン「聖女様?聖女様?」


輝く光の中から、透き通るような肌、目は星空を閉じ込めたように輝き、その存在そのものが威厳と恐怖を兼ね備え、長い銀髪をたなびかせた聖女が現れた。


マクシミリアン「おう!聖女様!どこにいらっしゃいましたか?」


聖女「シエステーゼ王国でお茶会と称して、北の魔王を見張っておったのじゃ。

   世界のパワーバランスが乱れぬようにな。我ながら仕事熱心で困るの。」


マクシミリアン「聖女様が外に出られては、それこそ世界のバランスが崩れてしまいます。」


聖女「北の魔王を見張るのは我の役目じゃ。あやつに対抗できるのはこの世界では我だけじゃからの。」


マクシミリアンの心の声「そう言って。単に外で遊びたいだけじゃないのか?」


聖女「なんじゃと。」


マクシミリアン「いえ。なにもございません。」


そのとき。


振動波「どーーーーん。」


マクシミリアン「何でしょう?これは?」


振動波「どーーーーん。どーーーん。」


振動波の第二波が届いた。


聖女「ははーん。どこかの馬鹿者がとんでもないことをしたのう。」


マクシミリアン「何が起こったのでしょう?」


聖女「勇者召喚じゃ。どこかの国で禁忌の勇者召喚をしたものがおる。近くはないが、それほど遠くでもない。大陸中部の聖騎士団に調べさせよ。」


マクシミリアン「かしこまりました。すぐに調べさせます。」


マクシミリアンは司祭長に命じて、すぐに調べさせた。

一刻後、司祭長が戻って来た。


司祭長「マクシミリアン様。ご報告いたします。

    先日の西の魔王軍の侵攻で壊滅したパルキニア共和国の魔術師神官たちが、

    再度の魔王軍の侵攻に対抗するために、古代の文献を解読して、

    勇者召喚を行ったようです。」


マクシミリアン「なんということか。馬鹿なことを。」


司祭長「マクシミリアン様。追加でご報告がごさいます。」


マクシミリアン「なんだ?」


司祭長「パルキニア共和国での勇者召喚を行うために、失われたはずの古代魔術を使い、無理やり次元の裂け目を作ったようで、今も次元の裂け目が残っているとのことです。」


マクシミリアン「次元の裂け目は自然に消滅するはずじゃが。」


司祭長「それが、パルキニア共和国で作った次元の裂け目の影響で、各地に次元の裂け目ができているそうです。現在確認できているのは、パルキニア共和国、リト王国、ミケロス共和国、レイン王国です。」


マクシミリアン「それはまずい。すぐに対処しなければ。聖女様。いかがいたしましょう?」


聖女「それだけ各地に次元の裂け目が広がっているとなると、

   いずれ世界全体が次元の裂け目に飲み込まれる可能性もある。 何とかしよう。」


マクシミリアン「これだけの次元の裂け目が広がっては、いかに聖女様でも難しいのでは?」


聖女「大丈夫じゃ。心当たりがある。それでは行って参ろう。」


聖女は輝く光に覆われて、消えていった。


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<南の島>


アリスたちの前に、聖女が偉そうに現れた。


聖女「なにをのんきに、水着など着て、のんびりしておるのじゃ。」


アリス「はぁ??? いきなり現れて何言っているの?」


聖女「早く着替えよ。出発するぞ。」


アリス「意味が分からないんですけど。」


聖女はアリスに次元の裂け目が各地にできていて、このままでは世界が飲み込まれると説明した。


聖女「我とそちのパワーがあれば簡単に修復できるはずじゃ。理解できたか?」


アリス「簡単なら。聖女様ひとりでやれば。」


聖女「つれないのう。我ひとりでは時間がかかる。そちが居ればすぐにおわるじゃろ。」


アリス「仕方ないか。」


聖女「ではすぐに参ろう。まずはパルキニア共和国じゃ。」


アリス「ちょっと待って。

    次元の裂け目について詳しい人を知っている。そいつも連れて行った方がいいと思う。」


聖女「よかろう。」


アリスと聖女はレンブラン王国に寄って、ライラを連れて、パルキニア共和国に向かった。


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<パルキニア共和国>


パルキニア共和国の首都モンテーヌに到着した。

パルキニア共和国の聖騎士団の案内で、次元の裂け目に着いた。


聖女「じゃ。とっとと次元の裂け目を塞ぐぞ。」


アリス「どうやって?」


聖女「無理やりじゃ。」


ライラ「ちょっと待ってください。無理やり力づくで、次元の裂け目を塞ぐと、

    他の場所の次元の裂け目に影響がでます。下手をすると、

    ある場所の次元の裂け目を塞いでも他の場所の次元の裂け目が再びできたり、

    広がったりする可能性が強いです。ここは、綿密に調べて確実に塞いで行かないと。」


聖女「なんだか面倒じゃのう。」


アリス「よかった。ライラを連れてきて。

    この聖女様はやろうとしていることはいいんだけど。

    馬鹿なのか。考えなしでやることが多いからな。」


聖女「何か言ったか?」


アリス「いえ。なにもございません。」


アリスの心の声「あぶない。あぶない。」


ライラ「計算が終わりました。では、聖女様は光の魔法を73パーセントの力で、アリスは修復魔法を80パーセントの力でお願いします。」


こうして、アリスと聖女とライラは、パルキニア共和国、リト王国、ミケロス共和国、レイン王国と次元の裂け目の修復を行った。


アリス「やっと終わった。お疲れ様。」


聖女「最後は、シエステーゼ王国じゃ。」


アリス「えっ!!!! シエステーゼ王国にも次元の裂け目ができていたの?」


聖女「何を言っておる。シエステーゼ王国に次元の裂け目はできておらん。」


アリス「じゃ、なんでシエステーゼ王国に行くの?」


聖女「決まっておる。お茶会じゃ。」


アリス「はぁ???」


ライラ「ここは観念してシエステーゼ王国に行きましょう。」


アリスの心の声「聖女め。絶対呪ってやる!!!」


こうして無事に次元の裂け目を修復して、アリスと聖女とライラはシエステーゼ王国王宮の宴の間でお茶会をした。


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<南の島>


アリス「ただいま。これでやっとゆっくりできる。」


ディネ「お疲れ様。」


ノーム「おかえりなさい。」


サラ「帰って来なくてもいいのに。」


アリス「サラは、ほんとムカつく! デジャブ―か。」


サラ「そんなことを言っていると。」


アリス「なに!」


そのとき、またまた突然、ディアブロが現れた。

ディアブロは少し気まずそうでした。


アリス「今度はお前か!!! いい加減にゆっくりさせろ!!」


ディアブロ「アリス様。申し訳御座いません。」


アリス「なんで次から次に。バカンスを楽しみたいのに!!もう!!」


サラ「そういう宿命なんだよ。」


ノーム「僕たちはここでのんびり待っていますから。」


ディネ「頑張ってね。」


アリス「くそ忌々しい。もうやだ。」


効果音「ちゃん!ちゃん!」


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