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180 パブロフ正教国の聖女編 part4

<南の島>


アリス、ディネ、サラ、ノームたちは、ロアン王国の沖の小さな南のリゾート島にいた。


アリス「あーーーーー。気持ちいい。のんびりできるわ。

    ディネ。良いところを見つけたね。」


ディネ「そうでしょ!」


ノーム「見つけたのは僕だけどね。」


サラ「それにしても、こっちに来るのが遅かったね。」


アリス「いやね。戦後処理してすぐに合流する予定だったけど、変なのに捕まってね。」


サラ「変なのって何?」


アリス「聖女。」


サラ「聖女!!? なにそれ? ヤバくない!」


ディネ「大丈夫だったの? 聖女って魔王の宿敵でしょ!」


アリス「そうなんだよね! いきなり攻撃して来て、びっくりしたよ。」


ノーム「まさか聖女をやっつけたのですか?」


アリス「あれは強い! 時間を止めてやっと引き分けたくらいだからね。」


ディネ「引き分け?????」


サラ「聖女は引き分けで納得したの?」


アリス「それがさぁ! 戦いの後、話し合いで、お茶とクッキーを出したら、気に入ったみたいで。それから、毎日のようにお茶会をしようと、押しかけられたから。」


サラ「お茶会? クッキー? わからん!」


アリス「でしょ!!わかんないよね。聖女が考えていること?」


ディネ「今は大丈夫なの?」


アリス「1ヶ月分のクッキーを渡してあるから大丈夫。1ヶ月は来ないはず。」


などと話していると、突然、きらきらと輝く光の霧の中から小さなかわいい少女が現れた。

バーストエンドミラージュの謎の女の子レイでした。


レイ「アリス様」


アリス「あれ。どうしたの? こんなところまで来て。今、休暇中なんだけど。」


レイ「突然、申し訳御座いません。至急、シエステーゼ王国にお戻りいただけますでしょうか。」


アリス「国王か王妃に何かあったの?」


レイ「国王も王妃もご健在でございます。ですが、国王がことのほかお困りで、至急、シェラール王女を連れ戻してほしいとの依頼が御座いましたので。」


アリス「緊急事態じゃ、仕方ない。ディネ、サラ、ノーム、ちょっと行ってくる。」


ディネ「いいわよ。」


ノーム「気を付けてくださいね。」


サラ「もう、帰って来なくていいよ。」


アリス「サラ、ほんとムカつく!」


アリスとレイはきらきらと輝く光の中に消えていった。


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<シエステーゼ王国 王宮>


シエステーゼの王宮に転移したアリスは、すぐに国王に謁見しに向かった。


シエステーゼ国王「シャルルよ。よく戻った。やっぱり、シャルルはかわいいの。」


アリス「お父様。何があったのですか?」


シエステーゼ国王「実は・・、王宮の宴の間に行けばわかる。ちょっと顔を出してくれないか。」


アリス「????? とりあえずわかりました。」


アリスが王宮の宴の間に入ると、そこに聖女がいた。


アリス「聖女様?? どうされましたか?」


聖女「おう。会いたかったぞ! さぁ、お茶会を始めようぞ!」


アリス「お茶会??」


聖女「そこの従者よ。お茶会の準備じゃ。早う、クッキーを持って参れ。」


従者「かしこまりました。」


アリス「聖女様。何かお話でもありますか?」


聖女「そうじゃのう。旅の話でもしてたもれ。」


アリス「聖女様。1か月分のクッキーをお持ちになったと思いますけど。」


聖女「あんなもの。あまりに美味しいのですぐに無くなったわ。」


アリス「では、今度は半年分のクッキーをお渡しいたしますね。」


聖女「ほう。それはありがたい。それではお茶会じゃ。」


聖女とのお茶会が終わって半年分のクッキーをお渡して見送ることができた。


アリス「やっと、帰ったか。聖女め。いい加減にしてほしいんだけど。

    さあ、バカンスに戻ろうと。」


アリスは、国王と王妃に挨拶して、南の島に転送した。


----------------------------------------------------

<南の島>


ディネ「もう戻って来たの。」


ノーム「おかえりなさい。」


サラ「帰って来なくてもいいのに。」


アリス「サラは、ほんとムカつく!」


ディネ「ところで何だったの。」


アリス「聖女だよ!聖女が突然お茶会して来たらしい。」


ノーム「1か月分のクッキーを渡していたのでは。」


アリス「すぐに無くなったらしい。今度は半年分にした。」


サラ「聖女の相手も大変だね。ずっとお茶会していたら。帰って来なくていいから。」


アリス「サラは、ほんとムカつく!でもこれでゆっくりできるかぁ。」


すると、


振動波「どーーーーん。」


アリス「なにこれ?」


ノーム「これは大きな魔力振動ですね。」


ディネ「どこかで魔力が爆発した?」


サラ「なになに?わくわく。」


ディネ「最近はこんな魔力振動を感じたことがないわね。」


振動波「どーーーーん。どーーーん。」


ノーム「魔力振動の第二波ですね。」


ディネ「いやな予感。前にもこの感じを受けたことがあるかも。」


アリス「気になるね。マリア? はディアブロに付けたから呼べないね。

    アルテミス。通信オープン!チャンネルDで。」


アルテミスの思念波「アリス様。なんでしょうか?」


アリス「魔力振動をそちらでも感じた?」


アルテミスの思念波「感じました。」


アリス「忙しいところ悪いけど、今の魔力振動について調べて欲しい。」


アルテミスの思念波「かしこまりました。すぐにバーストエンドミラージュに調べさせます。」


間髪入れずに、きらきらと輝く光の霧の中から小さなかわいい少女が現れた。

またまたバーストエンドミラージュの謎の女の子レイでした。


レイ「アリス様。」


アリス「またお前なの? 忙しいね。」


レイ「先日の西の魔王軍との戦闘で、バーストエンドミラージュも大半を失いましたので。」


アリス「そうだよね。ところでもうわかったの?」


レイ「はい。アリス様。先日の西の魔王軍の侵攻で壊滅したパルキニア共和国の魔術師神官たちが再度の魔王軍の侵攻に対抗するために、古代の文献を解読して、勇者召喚を行ったようです。」


アリス「勇者!? 勇者を召喚したんだ。」


ディネ「そうだったわ。勇者召喚だよ。」


アリス「でも勇者なら害はないよね。」


ノーム「それが、・・。 勇者召喚にはあまりいい記憶がないですね。」


サラ「性格が曲がった人間が多かったよね。」


ディネ「私は関わりたくないからね。」


アリスの心の声「何があったの? 私が転生者ってことは黙っていよう。」


ノーム「まあ、今すぐどうのこうの、ということはありませんので。」


サラ「何かやらかさないといいけどね。」


ディネ「私は関わりたくないわよ。」


アリス「何があったの?」


ディネ「言いたくない。」


サラ「気持ちはわかる。」


ノーム「いずれわかりますよ。数年後位に。」


アリス「でも監視はしとかないと。レイ、ルクレール王国の暗黒旅団に勇者の監視を依頼しておいて。」


レイ「かしこまりました。ルクレール王国の暗黒旅団に勇者の監視をするように命じておきます。

   ほかにご用件はございますか?」


アリス「もう大丈夫。ご苦労様。これからバカンスだから邪魔しないでね。」


レイ「かしこまりました。」


レイがきらきらと輝く光の中に消えていった。


アリス「さあ。ゆっくりしようっと。」


そのとき、またまた突然、聖女が偉そうに現れた。


アリス「なんでだよ!!! 人がゆっくりしようと思っているのに!!」


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