表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

179/181

179 パブロフ正教国の聖女編 part3

<シエステーゼ王国>


アリスと聖女は、王宮の宴の間で、紅茶を飲みながら話をしていた。


聖女「今まで、世界のパワーバランスは、北の魔王の力と、南の魔王と東の魔王と西の魔王の力が拮抗して、バランスが取れていた。だが西の魔王の存在がなくなり、世界のパワーバランスが乱れたのだ。このままでは、北の魔王の力が強すぎて、いずれ世界は破滅に向かうだろう。」


アリス「ということは、北の魔王の力を分散して、西の魔王の存在を作り、世界のパワーバランスを戻せばいいわけですね。」


聖女「その通り。でも西の魔王は存在しないぞ。」


アリス「早急に新たに西の魔王を建てます。この件は任せていただけないでしょうか?」


聖女「できるならやってみよ。だが2日しか待てぬぞ。」


アリス「2日あれば十分です。」


聖女「よかろう。それにしても、このお菓子は美味しいのぉ。」


アリス「クッキーと言います。よろしければお持ちください。」


聖女「いいのか。それでは持って帰る。私は一度、パブロフ正教国に戻る。では頼むぞ。」


アリス「かしこまりました。」


聖女は輝く光に覆われて、消えていった。

アリスは国王の執務室に向かい、国王に事情を説明して、北の魔王領に戻った。


----------------------------------------------------


<北の魔王城>


きらきらと輝く光の中から、アリスが現れた。


アリス「アルテミスはいるか?」


アルテミス「ここにいます。」


アリス「アルテミス。メリッサはどこに?」


アルテミス「来訪の間にいます。すぐに連れて参ります。」


メリッサ「アリス様。ご無沙汰しております。」


アリス「メリッサにお願いがあります。」


メリッサ「なんなりと。」


アリス「ちょっと待ってね。ディアブロ!今すぐ北の魔王城に戻るように。」


ディアブロがきらきらと輝きながら現れた。


アリス「ディアブロ。忙しいところすまない。」


ディアブロ「アリス様。なんでしょうか?」


アリス「ディアブロとメリッサは、すぐに西の魔王城に向かい、ディアブロを西の魔王に仕立て上げてよ。」


メリッサ「え??? 今なんと??」


アリス「だから。メリッサはディアブロを連れて、西の魔王城に向かい、ディアブロを西の魔王に仕立て上げて。ディアブロは今から西の魔王になること。南の魔王の相手は私がするから。」


メリッサ「え???」


ディアブロ「?」


アリス「わかんないかなぁ。 今後、ディアブロを西の魔王にする。わかった?」


メリッサ「かしこまりました。」


ディアブロ「承知しました。それではアリス様。東の魔王をよろしくお願いいたします。」


アリス「大丈夫だ。任せておけ。それではすぐに行け!」


ディアブロとメリッサは、きらきらと消えていった。


アリス「アルテミス。私は東の魔王領に向かうから。あとは頼む。」


アルテミス「かしこまりました。」


アリスもきらきらと消えていった。


----------------------------------------------------


<東の魔王領>


東の魔王アヴォスヘイムの前に、アリスはきらきらと輝く光の中から現れた。


東の魔王アヴォスヘイム「久しぶりじゃのー。北の魔王。」


アリス「ご無沙汰しております。南の魔王は私にお任せください。」


東の魔王アヴォスヘイム「では、頼むことにしよう。」


アリス「瞬殺ですので。」


東の魔王アヴォスヘイム「うむ。」


東の魔王領の南の海には、南の魔王軍の5万隻の船が、空には、2万の巨大なグランドドラゴンがいた。

アリスは、オーディンの魔法「ヘブンズジャッジメント神雷」ですべての船とドラゴンを沈めた。


アリス「東の魔王様。これで南の魔王軍の脅威は無くなりました。それでは失礼いたします。」


アリスは、10万の北の魔王軍と、巨神獣のタイタン、オーディン、バハムートを連れて、北の魔王領に戻った。すぐに、アリスは南の魔王城前にワープした。

南の魔王城の前では、ちょうどゾーラが南の魔王軍壊滅の報告を受けていた。


ゾーラ「な、な、なんと。20万の南の魔王軍が壊滅しただと。」


アリスは南の魔王城前にきらきらと輝く光の中から現れた。


ゾーラ「お前は。北の魔王。」


アリス「私は北の魔王である。ゾーラ。南の魔王に、おとなしくしておくように伝えておけ。」


というと、アリスはきらきらと輝く光の中に消えていった。


----------------------------------------------------


<西の魔王城>


西の魔王城の前に、きらきらと輝く光の中からアリスが現れた。

西の魔王城の謁見の間に入り、ディアブロとメリッサに会った。


アリス「東の魔王は無事だ。南の魔王軍は片づけておいた。」


ディアブロ「アリス様。ありがとうございました。」


アリス「新しい西の魔王の誕生は進んでいるか?」


メリッサ「はい。インビジブルナイトがお膳立てを整えております。」


アリス「明日には新しい西の魔王を誕生されるように。」


ディアブロ「御意。」


アリス「やっと一段落ね。一旦、シエステーゼ王国に戻りますか。」


アリスはきらきらと輝く光の中に消えていった。


----------------------------------------------------


<シエステーゼ王国>


アリスは、シエステーゼ王国で支援物資の手伝いをしていた。


アリス「ふぅ。支援物資もこれで一段落ね。疲れた。宮殿でお茶でもしようと。」


アリスが宮殿の庭でお茶をしていると、突然、聖女が現れた。

アリスはすぐに身構えて、対決姿勢をとった。


アリス「聖女様。リベンジマッチですか?」


聖女「何を言っておる。さあ、座りなさい。」


聖女も椅子に座って、テーブルの上を見て言った。


聖女「私にもお茶を。それから、クッキーはないの?」


アリス「えっ?! クッキー?! すぐに準備させます。」


アリスはメイドにお茶とクッキーを準備させて、聖女と魔王のお茶会が始まった。


聖女「これじゃ、これ。クッキーは美味しいの。」


アリス「この度は、聖女様はクッキーを食べにいらしたのですか?」


聖女「いやー。このクッキーの味が忘れられないので、居ても立っても居られずに来てしもうた。」


アリスはあきれながら、お茶会は進んだ。


アリス「ところで聖女様。聖女様が魔王と一緒にお茶をしていていいのですか?」


聖女「お主は、シエステーゼ王国の王女であろう。聖女が王女とお茶をして何が悪い。」


アリス「聖女様はお忙しいのではないのですか?」


聖女「毎日、退屈で、退屈で、死にそうじゃった。うむ。このクッキーは他と違ってまた美味じゃのう。」


アリス「それはチョコクッキーです。」


聖女「なんと。チョコとクッキーの組み合わせじゃの。うむ。美味じゃ。

   美味しかった。ではまた来るからのぉ。」


アリス「えっ。また、来るの?」


聖女「うむ。あっ。それから、言い忘れておったが、今回のパワーバランスの維持に努めてくれて、大儀であった。ではまた。」


聖女は光のローブに包まれて、きらきらと消えていった。


アリス「はぁ。なんなんだ。先が思いやられるよぉ。

    私も南の島でバカンスしよっと。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ