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177 パブロフ正教国の聖女編 part1

サラ「あー。疲れた。」


ディネ「ほんとに。人使いが荒いから、身の心もボロボロよ。」


ノーム「もう脳みそもへとへとです。」


サラ「それじゃ。南の島のバカンスで、静養するか。」


アリス「何言ってるの。北の魔王領も含めて、壊滅状態の国があるのに、止まっていられないよ。」


ディネ「私たちは手伝えることないから、アリスがやれば。」


アリス「そんな。ひどい。親友だと思っていたのに。」


ディネ「もう、子供じゃないんだから、そのくらい一人でできるでしょ。」


ノーム「大丈夫です。ほかの精霊は残しておきますから。」


アリス「あいつらは、さぼりだから、使えないのに。」


サラ「それじゃ。南の島のバカンスに行ってくるから。」


ディネ、サラ、ノームは、きらきらと消えていった。


アリス「あいつら! 自分たちだけ! 許せん!」

   「仕方ない。北の魔王領の復興はディアブロに任せて、シエステーゼ王国に戻る前に、とりあえず、壊滅した近隣国のシグナス王国の様子を見に行こう。」


アリスはシグナス王国の宮殿にワープした。


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<パブロフ正教国>

パブロフ正教国は、全世界の信徒たちの信仰を一身に集めていた荘厳な大聖堂の中心国家である。


今回の西の魔王の件について、前最高司祭長マクシミリアンは司祭長より報告を受けていた。


マクシミリアン「そうか。精鋭聖騎士団10人の派遣は間に合わなかったのか。」


側近の司祭「報告によれば、精鋭聖騎士団10人がパルキニア共和国に到着した時には、西の新魔王が北の魔王に倒された後で、すでに西の魔王軍は壊滅していたということです。今回の西の魔王軍の侵攻で、ラッセン王国、イングラシル共和国、パルキニア共和国、エルムガント帝国は全国土で壊滅状態です。現在、各国に新しい司祭と聖騎士団を本国より派遣して、復興に勤めております。」


マクシミリアンは眉間に深いしわを寄せていた。


そのとき、部屋の空気が一変、冷たい光が室内に満ち、隠された静寂の扉が音もなく開いた。


輝く光の中から、透き通るような肌、目は星空を閉じ込めたように輝き、その存在そのものが威厳と恐怖を兼ね備え、長い銀髪をたなびかせた聖女が現れた。


マクシミリアン「聖女様!どうされましたでしょうか?」


聖女「世界のパワーバランスが乱れている。何があったのだ。」


マクシミリアンは、西の新魔王の誕生と、ラッセン王国、イングラシル共和国、パルキニア共和国、エルムガント帝国への侵略、各国の信仰者の要請を受けて、精鋭聖騎士団10人の派遣したが、すでに西の新魔王は北の魔王に滅ぼされた後であったことを聖女に報告した。


聖女「そうか。西の魔王の存在がなくなり、世界のパワーバランスが乱れたのだな。早急に対処が必要である。」


マクシミリアン「と言いますと?」


聖女「北の魔王に会う必要があるな。」


マクシミリアン「それでは精鋭聖騎士団数名を派遣させます。」


聖女「私が行こう。」


マクシミリアン「それだけはなりません。聖女様が外に出られては、それこそ世界のバランスが崩れてしまいます。」


聖女「すでに世界のパワーバランスが乱れてしまっている。私でなければこの事態を収拾できないであろう。」


マクシミリアン「しかし、北の魔王に会うのは危険でございます。」


聖女「案ずるな。われはこの世界の聖女である。心配はいらない。」


マクシミリアン「しかし。」


聖女「すぐに出立の準備をせよ。」


マクシミリアン「おやめください。聖女様。」


聖女「今、精鋭聖騎士団がいるのは、パルキニア共和国か?」


マクシミリアン「エルムガント帝国まで進んでおります。」


聖女「精鋭聖騎士団は、誰が行っておるのか?」


マクシミリアン「聖騎士団長のアークレイが行っております。」


聖女「そうか。なら、セイント・ディメンションゲート・オープン!」


聖女は杖を掲げて、転移の呪文を唱えた。


聖女「聖騎士団長のアークレイの元へ!」


聖女は輝く光に覆われて、消えていった。


マクシミリアン「大変なことになった。聖女と北の魔王のエネルギーが衝突したら、世界が終わる。司祭長はいるか。」


最高司祭長「マクシミリアン様、いかがなされましたか?」


マクシミリアン「大変なことになった。今すぐ、アークレイ聖騎士団長に伝令を!  聖女と北の魔王を会わせてはならぬ。」


最高司祭長「かしこまりました。今すぐに、聖魔導師フリードリヒを向かわせます。」


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<エルムガント帝国>


エルムガント帝国の宮殿にて、精鋭聖騎士団は、復興に向けて会議を行っていた。

すると、突然、アークレイ聖騎士団長の前に、きらきらと輝く光のローブとともに聖女が現れた。


アークレイ「聖女様。 どうして? ここに?」


聖騎士団全員が聖女の前に跪いていた。


聖女「アークレイ。われを北の魔王のもとに連れていけ。」


アークレイ「聖女様。 司祭長よりそのような命は受けておりませんが。」


聖女「いいからすぐに連れていけ。」


アークレイ「ですが・・・・・」


聖女「すぐにわれを北の魔王のもとに連れて行きなさい。」


アークレイ「・・・。かしこまりました。」


聖女とアークレイは、北の魔王城に向かった。

しばらくして、聖魔導師フリードリヒが現れたが、なすすべはなかった。


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<北の魔王城>


聖女とアークレイは、北の魔王城に着くと、北の魔王との面会を願い出た。

北の魔王城では、ディアブロが北の魔王オルプレス(代理)として北の魔王領の復興作業を行っていた。


ディアブロ「これは珍しい。聖女様。我々を滅ぼしに来られたのでしょうか?」


聖女「滅ぼすつもりなら、とっくの昔に聖魔法を行使しておる。お前が北の魔王オルプレスなのか?」


ディアブロ「さようでございます。」


聖女「本当に。お前が北の魔王オルプレスなのか?」


ディアブロ「はい。」


聖女「おかしい。世界のパワーバランスを脅かすほどのパワーがない。 どういうことじゃ? 他に要因があるということか?」


アークレイ「聖女様・・。」


ディアブロ「どうされましたか?」


聖女「まあよい。今回は顔を見に来ただけじゃ。またお会いしようぞ。」


聖女とアークレイは北の魔王城を去った。


ディアブロ「突然、宿敵、パブロフ正教国の聖女が現れるとは、どういうことか?」


そこに、ディアブロの秘書マリアが現れた。


ディアブロの秘書マリア「ディアブロ様。こんなときに誠に申し訳御座いません。実は、南の魔王軍が東の魔王領に攻め込んで来たのです。」


ディアブロ「マリア。至急、アリス様にこのことをご連絡するように。」


ディアブロの秘書マリア「はい、かしこまりました。」


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