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169 ロッフェル島編 part2

漆黒の巨人闇の神ノクトゥスが、塔の最上部から空へとそびえ立つ。


その全身は黒い霧のように揺らめき、無数の目が開閉しながらこちらを見下ろしている。


闇そのものを具現化したような存在だった。


ノクトゥス「クゥォォォォォ……!」


ノクトゥスが吠えると、空間がねじ曲がり、まるでこの世界が飲み込まれようとしているかのような圧迫感が襲いかかる。


ノーム「大変です。空間そのものが崩壊しかけてる!」


ディネ「こんなの、まともに戦ったら勝ち目はないわ……。」


サラ「でも、ムカつくからぶっ飛ばす!」


アリス「……みんな、私に力を貸して!」


ディネ、サラ、ノームの三人はアリスに、それぞれの精霊力を最大限に解放した。


——聖剣の究極形態「神聖精霊剣」


三大精霊の力を受けたアリスの剣は、今までにない輝きを放ち、純粋な光と精霊の力を内包した究極の剣へと進化した。


アリス「行くよ、ゼオルド!」


ゼオルドは冷静に笑った。


ゼオルド「なるほど……それが光の力の結晶か。しかし、それでも我が神には敵わぬ。」


彼はノクトゥスに向かって手を掲げる。


ゼオルド「闇の神よ、我が命を贄とし、究極の力を解放せよ!」


ゼオルドの体が黒い光に包まれ、ノクトゥスと融合し始める。


ゴゴゴゴゴ……ッ!!


塔の最上階が崩れ、暗黒の空が広がる。そこに現れたのは、巨大な漆黒の神——ノクトゥス。


まるで影が凝縮したかのような身体に、無数の赤い眼が瞬き、世界を見下ろしていた。


その存在だけで、空間が歪み、大地が震えている。


ディネ「……やばいわね、これ。」


サラ「まさか、ここまでやるとはな!」


ノーム「ノクトゥスの本体は、ゼオルドと融合している。つまり、ゼオルドを倒せば、神も消滅する……はずだ。」


ゼオルド「させるか。」


ゼオルドがノクトゥスの肩に立ち、黒い魔剣を掲げる。


すると、闇の神の周囲に無数の闇の槍が生まれ、一斉にアリスたちへ向かって放たれた。


ディネが巨大な水の盾を展開し、サラが火炎で迎撃する。


しかし、すべての槍を防ぎきれず、ノームが地面から土の壁を築いてギリギリで防ぐ。


ドゴォォォン!!


爆発が起こり、塔の最上階が崩壊していく。


アリスたちは瓦礫を飛び越えながら、ゼオルドへと突進した。


アリス「もう逃がさない!」


アリスは聖剣を構え、聖なる斬撃を放つ。


ゼオルドは魔剣で受け止めるが、その一撃に僅かに押し返された。


ゼオルド「……ほう、やるな。」


アリス「まだまだこれからよ!」


ディネが神聖なる水流を放ち、サラが紅蓮の炎槍を投げつける。


ノームが大地から巨大な岩槌を生み出し、ゼオルドを襲う。


しかし——


ゼオルド「無駄だ。」


ゼオルドが片手を上げると、ノクトゥスの眼が輝き、闇の波動が爆発的に広がった。


ドォォォォン!!


アリスたちは吹き飛ばされ、床に激しく叩きつけられる。


アリス「ぐっ……この力……!」


アリスが立ち上がると、ゼオルドはゆっくりと歩み寄ってきた。


ゼオルド「私は闇そのもの。お前たちに、この力を超えられるか?」


アリス「超えてみせる!」


アリスは剣を掲げ、精霊の力を最大限に込める。


アリス「サラ、ディネ、ノーム——力を貸して!」


三人の精霊がアリスの剣に宿る。


アリス「水の浄化、火の情熱、大地の安定——すべての力を一つに!」


アリスの剣が、黄金の光を放った。


それは聖剣の本来の姿——神剣エクレシア。


ゼオルドの顔に、初めて焦りの色が浮かぶ。


ゼオルド「なに……!?」


アリス「これでトドメだ!」


アリスがノクトゥスの心臓めがけて突撃する。


ゼオルドは闇の魔剣を振るい、迎え撃とうとするが——


バシュッ!!


ゼオルドの剣が砕ける。


ゼオルド「なにぃ!?!?」


そのままアリスの剣がゼオルドの胸を貫いた。


ゼオルド「が……ぁ……!!!」


ゼオルドが絶叫し、ノクトゥスの身体が崩れ始める。


ゼオルド「この私が……敗れる……だと……!?」


ゼオルドの身体が光に包まれ、消えていく。


ノクトゥスも断末魔の咆哮を上げながら、闇と共に消滅した。


アリス「……終わった……?」


アリスは剣を構えたまま息を整える。


ディネ「勝った……みたいね。」


ノーム「ゼオルドが消えたことで、この塔も崩壊する。急いで脱出しよう。」


アリスたちは崩れゆく塔を駆け下り、最後の一歩で外へ飛び出した。


背後で塔が完全に崩壊し、巨大な闇の魔法陣も消えていく。


夜明けが近づき、東の空が薄く明るくなる。


サラ「ねぇ、美味しいレストランを見つけたの?」


アリス「それもいいけど、世界にはまだ私たちが知らない闇がたくさんあるはず。」


ディネ「そうね。また別の脅威が現れたら、私たちが戦えばいいのよ。」


ノーム「それでは、次はどこへ行く?」


サラ「まずは腹ごしらえしてからね。」







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