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149 ロスフルリント共和国 part3

ロスフルリント共和国で虚無竜の脅威を退けたアリスたちは、星海の目の残党を追跡する任務を請け負うことになった。


共和国の知識人であるダリオスから得た情報によれば、星海の目の首謀者たちは南方の大陸に隠れ、さらなる陰謀を企てているという。


ダリオス「星海の目が求めているのは、虚無竜だけじゃない。他にも封印された遺産がいくつか存在するはずだ。それを手に入れる前に阻止しなければ……!」


ダリオスは険しい表情で地図を広げた。


その地図に記されていたのは、「星海の塔」と呼ばれる伝説の場所だった。


塔は古代の遺跡群の中心にあり、星海の民が宇宙からもたらした知識と力を管理していたと言われている。


アリス「塔を目指すしかないかな。」


アリスが決意を新たにし、ミクリとフノンも頷く。


アリスたちはまず、星海の目の残党が活動しているという近隣の港町に向かった。


町には密輸品や違法な文献が取引される秘密の市場があり、情報を得るには危険な賭けをしなければならなかった。


フノン「噂では、ここに星海の目の協力者がいるらしいです。」


フノンが冷静に周囲を観察する。


ミクリ「用心して行こう。あまり目立ちたくない。」


彼らは市場の奥で、影のように振る舞う情報屋と接触した。


情報屋は、星海の目が星海の塔への鍵を探していることを明かしたが、その直後、突然逃げ出した。


アリス「あいつ!何か隠している!」


アリスが叫び、三人で追跡を開始する。


情報屋は隠された地下倉庫に逃げ込み、そこには星海の目の小規模な作戦基地が広がっていた。


アリスたちはそこで激しい戦闘を繰り広げ、情報屋を捕らえることに成功する。


捕らえた情報屋の持っていた文書から、星海の塔への正確なルートが判明した。


その道筋には、危険な山岳地帯と呪われた森を越えなければならないことが記されていた。


フノン「塔の封印を解くには、三つの試練を乗り越える必要がある。星海の目もそれを知っているはずだ。」


フノンが文書を読み上げる。


ミクリ「試練か……また厄介なものに巻き込まれたね。」


アリス「でも、放っておけないからね。私たちが止めないと。」


アリスたちは険しい山岳地帯に向かった。


そこには古代の魔獣が眠りについており、塔を目指す者に試練を与えるとされていた。


アリスたちは険しい山岳地帯の入り口に着いた。


その山々は空に届くほど高く、薄暗い霧が絶えず漂っている。


その先には星海の塔があるとされていたが、この地帯を越えた者はほとんどいないと噂されていた。


アリス「やっぱり簡単には行かせてくれないわけだね。」


山の奥に進むにつれ、周囲は静寂に包まれ、不気味な気配が漂い始めた。


そして、突然地面が震え、巨大な岩の塊が崩れる音が響いた。


崩れた岩の中心から姿を現したのは、全身が硬い岩の鱗で覆われた巨大な竜だった。


その目は琥珀のように輝き、アリスたちを鋭く睨みつけた。


竜「侵入者よ、この山を越えたければ、力を示せ!」


竜の声は地鳴りのように響き渡り、彼らの身体にまで重さを感じさせた。


竜は咆哮を上げると同時に、巨大な爪を振り下ろしてきた。


アリスは素早くその攻撃をかわし、剣を抜いて竜の足元に斬りかかる。しかし、岩のような鱗に剣が弾かれてしまう。


アリス「硬すぎる……!」


アリスが歯を食いしばる。


ミクリは魔剣を構え、竜の隙を見つけてその腹部に斬り込んだ。


魔力を帯びた剣が一瞬だけ鱗を裂き、竜を痛みに震わせた。


ミクリ「よし!効く!でももっと深く攻めなきゃ!」


竜は怒りに燃え、口から灼熱の炎を吐き出した。


フノンはすかさず杖を掲げ、魔法陣を展開する。


フノン「この炎、普通の魔法じゃ防げない!少しでも時間を稼ぎますね!」


フノンの魔法陣は光を放ちながら炎を遮り、アリスとミクリの動きを援護する。


アリスが竜の視線を引きつけている間に、ミクリは竜の背中へ飛び乗り、魔剣を振り下ろして鱗を砕く。


ミクリ「今だ、アリス!」


アリスは竜の喉元へと聖剣を突き立てる。


その一撃が決定打となり、竜は苦しげなうなり声を上げながら倒れた。


竜「……試練を乗り越えた者よ。先へ進むがよい……」


竜は弱々しい声でそう告げると、再び岩へと姿を変え、静かに眠りについた。


竜を打ち倒したアリスたちは、次に現れた呪われた森に足を踏み入れた。


その森は薄暗く、木々が奇妙にねじれており、まるで生きているかのように動いている。


ミクリ「嫌な感じだな……足元に気をつけろ。」


森に入るとすぐに、彼らは幻覚に襲われ始めた。


道は突然別の方向に伸び、まるで出口が消えたように見える。


フノンが冷静に魔法で周囲を調べるが、その魔法さえも幻覚に惑わされる。


フノン「魔力を乱されてる……これじゃ正しい道が分からないよ!」


そのとき、アリスが星海の果実を取り出した。


その光が森の暗闇を裂き、一本の光の道を作り出す。


アリス「これなら私たちを導いてくれる。」


アリスは果実を掲げ、前を歩き始めた。


光を頼りに進む中、木々の動きが激しくなり、彼らを引き留めようとするかのように枝が絡みついてきた。


ミクリが魔剣で枝を切り払い、フノンが火の魔法で道を開く。


森を抜けたアリスたちは、ついに星海の塔の麓にたどり着いた。


そこには巨大な石造りの門があり、その上には星海の民の文字で「試練を超えし者、ここに至る」と刻まれていた。


アリス「やっとここまで来たか……」


アリスは息を整えながら剣を鞘に収めた。


ミクリ「これが最終試練ってわけだな。気を抜くなよ。」


フノンが塔を見上げ、静かに呟いた。


フノン「ここに、すべての答えがあるのかもしれないのですね……」


三人は新たな決意を胸に、星海の塔の門をくぐり、その奥にある未知の世界へと足を踏み入れたのだった。


塔は荘厳な輝きを放ちながらも、その入り口には厳重な結界が施されていた。


アリス「ここが、星海の目の狙いだ……!」


アリスが警戒を強める。


その時、塔の前にはすでに星海の目の幹部たちが集結していた。


彼らは封印を解こうと儀式を始めており、アリスたちはそれを止めるために突入した。


アリス「またコイツらか!」


アリスが叫び、激しい戦闘が繰り広げられる。


星海の塔が持つ謎と陰謀を完全に解明するための、最後の戦いが今、幕を開けようとしていた。


アリスたちが塔の広場に突入したとき、星海の目の幹部たちは結界の中心で古代の呪文を唱えていた。


その呪文は塔に眠る力を解放するものであり、もし完全に発動すれば、世界のバランスが崩れる恐れがあった。


アリス「止めるぞ!」


フノンが冷静に魔術の構築を始める。


フノン「結界の一部に綻びがあります。そこを狙えば儀式を妨害できるはずです。」


ミクリはその指示を受け、星海の目の幹部たちに突進する。


アリスたちは星海の目の幹部たちと直接対決することとなった。

幹部の一人、冷酷な剣士であるザードはアリスの進路を阻み、刃を交えることに。


ザード「星海の塔の力を操れるのは我らだけだ。お前たちには手に負えない!」


ザードが叫び、異様な剣技を繰り出す。


アリス「その力を使って何をしようというの?世界を混乱に陥れるつもりか!」


一方、ミクリは呪術師マーレと対峙していた。


マーレは星海の塔の力を利用して幻影を作り出し、ミクリの判断を狂わせようとする。


ミクリ「幻影など通じない!」


ミクリは魔剣の力で幻影を振り払い、マーレを追い詰めた。


フノンは塔の結界を破るための魔法陣を展開していたが、その隙を狙った星海の目の射手たちが襲いかかってきた。


フノンは咄嗟に防御魔法を発動し、射手たちを一掃する。


アリスたちの奮闘により、儀式は未完成のまま中断された。


しかし、その結果、塔は不完全な状態で覚醒し、制御不能な力が解き放たれてしまう。


塔の中心から放たれる光の柱が空を貫き、周囲の大地を震わせた。


その光景を見たフノンが焦りの声を上げる。


フノン「まずい……塔が暴走している!」


幹部たちは混乱の中で撤退を始めるが、一人の幹部が笑いながらこう言った。


幹部「封印は解けた。後はお前たちがどうにかするがいい!」


塔の暴走を止めるため、アリスたちは光の柱が発生している中心部へと急いだ。


内部には星海の民が残した巨大な制御装置があり、それを操作しなければ暴走は止められない。


だが、その装置を守るかのように塔の守護者が姿を現した。


それは星海の民が遺した究極の防衛機構であり、知性を持つ巨大な機械兵だった。


アリス「ここが最後の試練かな……!」


ミクリ「僕たちで止めるしかない!」


フノン「制御装置を無傷で残す必要があります。慎重に戦いましょう!」


フノンが冷静に指示を出す。


三人は連携を駆使して機械兵を撃破し、ついに制御装置に到達する。

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