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132 聖なる気の修行編 part7


エリュシオンの泉「ここは選ばれし者が聖なる気を高める場。この地に相応しいと証明できた者のみ、泉の力を受け入れることができる。」


アリスは静かに膝をつき、目を閉じて祈りを捧げた。


その姿を見てミクリとフノンとメリッサも言葉を発せず、同じように祈りを捧げた。


そして、みんなはその場の神聖な空気に圧倒されていた。

泉から立ち上る蒼い光がアリスたちの周囲を包み込み、やがてアリスたちの体に染み渡るように吸い込まれていった。


泉から穏やかな声が響くように、アリスの内面に指示が降りてきた。


エリュシオンの泉「聖なる気は流れのごとく絶えず動き、世界を支えている。その流れを感じ、己の内なる流れと合わせよ。」


アリスたちは深く息を吸い込み、泉の輝きを心で感じ取ることから始めた。


アリスたちの中の心臓の鼓動が、泉の輝きのリズムと重なり合い始める。徐々に、その輝きがアリスたちの中を巡り、手の指先から足の先まで、全てが泉と一体となる感覚を覚えた。


光が体内を流れるたびに、アリスたちは自分の心の中に残っていた迷いや不安が洗い流されていくのを感じた。


そして、その代わりに生まれてくるのは静かな確信と覚悟だった。


次に、泉の光が大きく波打ち、アリスたちの前に幾つもの光の玉が現れた。それらは滑らかに動き、複雑な軌跡を描いていた。


エリュシオンの泉「これが気の流れだ。制御するには、力ではなく意識の柔軟性を磨け。」


アリスたちはその光の玉を自らの手で触れようとするが、力を入れるたびに弾かれてしまう。


アリスたちは一度深呼吸をし、力を抜いて光の流れを見つめ直した。


次に、アリスたちの手が柔らかく光に触れると、それは彼女の指先に応えるように動きを変えた。


その後、アリスたちは泉の上に浮かぶ光の玉を片手で優しく導きながら、もう片方で新たな流れを作り出すよう試みた。


次第に、アリスたちは光の玉たちを泉の中で調和させ、複雑な光の舞を織り成すことに成功した。


最後に、泉の水が激しく渦を巻き、アリスたちの全身を包み込んだ。


水の流れはアリスたちの動きに連動し、まるで自身の身体の延長であるかのようだった。


エリュシオンの泉「聖なる気は流動的でありながら、芯を持つ。流れに身を任せると同時に、そこに自らの意志を宿せ。」


アリスは剣を手に取り、泉の水の動きに合わせて舞うように動き始めた。


剣の軌跡には水の輝きがまとわりつき、空中に煌めく軌跡を描いていた。


その動きは次第に洗練され、まるで剣が彼女と一体化したかのように軽やかだった。


ミクリも剣を、フノンとメリッサは杖を手に取り、アリスを真似た。


やがて水の流れが静まり、泉の輝きがアリスたちの体に集まり始めた。


全ての光がアリスたちの心臓に吸い込まれると、アリスたちは目を開き、静かに立ち上がった。


修行を終えたアリスたちの姿は以前とはまるで違っていた。


彼女の全身からは、穏やかでありながらも圧倒的な力を感じさせるオーラが漂っていた。剣には新たな紋様が刻まれ、それは聖なる気が宿った証だった。


アリスは聖樹に向かって深く頭を垂れ、静かに誓いを立てた。


アリス「この力を乱用することなく、守るべきもののために使います。」


泉の上には再び静けさが戻った。


ミクリ「アリス、すごいよこの力、まるで泉そのものが我々と一体になったみたいだ。」


フノン「これで私たちは、どんな困難にも立ち向かえるね。」


アリスは仲間たちに微笑み返しながら言った。


アリス「そうだね。でもこの力は一人だけのものじゃない。みんなで繋いでいこう。」


こうしてアリスたちは、より強大な力とその責任を手にし、旅の新たな一歩を踏み出す準備を整えたのだった。


ミクリ「ところで、さっき褒美でもらった青く輝く水晶はどう使うの?」


アリス「わからん。エリュシオンの泉に聞いてみよう。」


アリスはエリュシオンの泉に向かって話し始めた。


アリス「エリュシオンの泉に教えて欲しいことがあります。さっき褒美としてもらった青く輝く水晶はどのように使うものなのですか?」


エリュシオンの泉「青く輝く水晶は、エリュシオンの泉がアリスに与えた「聖なる力の象徴」であり、その使い道にはいくつか特別な役割と秘密が込められています。


この水晶は、汝が新たに得た聖なる気を集中させる「媒介」としての役割を持ちます。


戦闘時、汝がその力を解放する際に水晶を通じてエネルギーを増幅し、剣や防御フィールドに変換することができます。


例えば、戦闘で仲間を守る際、汝が水晶を握り締めると、青い光が汝の周囲に広がり、全員を覆うバリアが形成されるのです。


それからこの水晶には、邪悪なエネルギーを浄化する力が宿っています。


例えば、呪いや闇の影響を受けた土地や仲間に使用すれば、瞬時にその影響を消し去ることが可能です。


また、重傷を負った仲間の傷を癒す際にも役立ちます。


エリュシオンの泉は「選ばれし者がさらなる試練に挑む道」を秘めており、この水晶はその鍵としても機能します。


特定の神秘的な場所で水晶をかざすと、封印された扉が開き、新たな冒険への道筋が示される仕組みです。


たとえば、古代の神殿や失われた王国への入り口を開く場面が考えられます。


水晶はエリュシオンの泉とつながっており、自然界の精霊たちと共鳴する力を持っています。


この共鳴を使えば、精霊を召喚したり、自然の力を借りて状況を有利にすることができます。


たとえば、森での戦闘中、水晶を掲げた汝が精霊を呼び出し、敵の進行を妨げる蔓を生み出すことができます。


それから水晶は、汝が極限の状況に追い込まれたときに「一度だけ放てる最強の浄化の光」を秘めています。


この光は邪悪そのものを完全に打ち払うほどの力を持っていますが、一度使用すれば水晶の輝きは失われ、泉の力を失う危険性があります。


またこの青い水晶は単なる道具ではなく、汝自身の成長と冒険の象徴です。」


アリス「ありがとうございます。なんかすごくなんでも使えて便利だとわかりました。」


修行を終えたアリスたちは、より強大な力を手に入れただけでなく、その力を正しく使う覚悟も手にしていた。アリスは聖樹に向かって誓いを立てた。


アリス「今なら、聖騎士団を簡単に倒せる気がする。でもこの力は自分のためではなく、すべての人の命を守るために使うべきだと思う。」


聖樹の葉が風に揺れ、まるで彼女の言葉に応えるように光を放った。


アリスたちは再び立ち上がり、レンブラン王国へと戻る道を進み始めた。


アリスたちの身体には、かつてよりも一層強い光が宿っていた。



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