11 太陽の神殿編 エピソード9 part1
火の精霊サラマンダー(サラ)
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北方から東に少し行ったところに、今でも古代教を信じている村がある。王都とは北部平原を隔てており、隔離された鎖国状態で暮らしている村である。
生計は放牧を中心に、質素な倹約生活をしていた。
アリスは、前に、とある事情で北部平原には来たことがあった。当時は、平原の西の村に少し居た。そこでは平原の東の当主と会っていて、面識があった。
この辺りでは、太陽神を祀り、今もなお様々なイベントが行われている。
生贄を使う祭事は中止されているが、今でも隠れて行っている集落もあった。
平原の東の当主の家に着き、その後の生活について話しを伺った。
東の当主「おおお!!姫さま。お久しぶりです。」
アリス「またご冗談を!」
アリス(小声で)「内密な視察ですので、身分は隠すように!」
アリス「お久しぶりです。その後はいかがですか?まだ無理難題はありますか?」
当主「おひっ‥、お嬢様、無理難題はなくなりました。お嬢様にとても感謝しております。この地にも中央は配慮してくれるようになりました。ただ環境が環境なだけあって、なかなか政策がうまく行きません。古い考えを持つ者たちも多くて、新しいことがなかなか浸透しないのです。」
アリス「なるほど。これは時間がかかるかもしれませんね。最近、変わったことなどありませんか?」
当主「最近、闇の魔物が増えて来ているようです。まだ倒せる程度しか出ておりませんが、もっと北方では、闇の魔王が誕生したと言う噂を聞きます。」
アリス「闇の魔王ですか?なるほど。まさか魔王が誕生したとは。いずれどうにかしないといけないですね。」
ミクリ「最近の異変と関係しているかもしれないね。」
アリス「そうだね。
他に何かありませんか?」
当主「実は、最近、生贄を使う祭事を隠れて行っている集落があるのです。国王陛下の恩恵で中央とつながりができたのでやめるように言ってはいるのですけど。事情があるようでやめてくれません。」
アリス「わかりました。私も冒険者です。皆さんが困っているのを見過ごすことはできません。
早速その集落に行ってみます。」
当主「ひっ、お嬢様。いつもありがとうございます。よろしくお願いいたします。」
その集落に向かった。
北部平原の東のさらに東の端に位置していて、人の往路はないに等しかった。
集落に着くとよそ者扱いが強く、稀有な目つきで、怖がられていた。
道を歩いていると人垣で塞がれた。
東の当主の使いで来たことを伝えて、族長に合わせて欲しいとお願いした。
少し待つように言われて、少し後に族長の前に通された。
族長からは今すぐ戻るように脅されたが、こちらも当主から頼まれたことがあるから引き下がれないと伝えた。
命の保証はないと言われたが、我々はファイアドラゴンを倒した冒険者であると言うと何も言わなくなった。
外に出ると体格の良い族の戦士がいた。
族の戦士「お前たちは本当にファイアドラゴンを倒したのか?
お前たちなんかが、ファイアドラゴンを倒せるものか。この嘘つきめ!」
族の戦士たちが向かって来たが、一瞬で押さえ込んだ。
その様子を見ていた幼い子供が近寄って来た。
アリス「どうしたの?」
子供「お姉ちゃんたち強いの?
ぼくのお姉ちゃんを助けてください。」
アリス「わかりましたよ。大丈夫だから。事情を話してくれるかな?」
話しを聞くと、子供のお姉さんが生贄に選ばれたらしい。子供の家は、お姉さんと2人しか居ないので、お姉さんが生贄に選ばれて途方に暮れていたらしい。
ミクリとアリスは、お姉さんを助けることを約束して、太陽の神殿の祭事について、詳しく話しを聞いた。
お姉さんの名前はエレナ。
生贄は、村の巫女が選ばれるらしい。
代々16歳になる女の子が選ばれて、不作の年は、生贄を出すらしい。
太陽神を信仰している村民は、近くにある太陽の神殿で祭事を行なっている。
明日、生贄のエレナを出すらしい。
ミクリとアリスは、明日、太陽の神殿に行くことにした。
翌朝、早い時間から太陽の神殿に行き、生贄を連れて来るのを待つ。
すぐに生贄のエレナが連れて来られて、神殿の中に入って行った。
エレナ以外が出て来たのを待って、ミクリとアリスも神殿の中に入って行った。
中に大きな祭壇があり、そこにエレナが鎖で繋がれていた。
夜を待っている間に、
アリス(小声で)「ディネ。あそこの祭壇だよね。」
ディネ「もうわかっているでしょ!」
アリスは祭壇に意識を集中して、魔力を繋いで、ウィスプとの契約をした。
光の精霊ウィスプ
ウィプス「数万年ぶりに起こされたよ。」
アリス「ウィスプ!はじめまして!
私はアリス。
これからよろしくね♪」
ウィスプ「誰?アリス?
えっ!!!
なんなのお前たちは?」
ディネ「ウィスプ!久しぶりに会ったのにその言い方は何?失礼でしょ!」
サラ「ウィスプって、誰だっけ?」
ノーム「光の精霊だよ!忘れたの?」
エント「私は覚えているわよ。」
ジェイド「オレはあまり会いたくなかった。」
アリス「ウィスプ!聞きたいことがあるのだけど、生贄はいつもどうなっているのか?
教えて欲しいんだけど。」
ウィスプ「夜になると闇の魔物が地下から現れて、生贄を食べているよ。」
アリス「ウィスプ。ありがとう!夜に地下からね。」
夜が訪れると、神殿の地下から恐ろしいアンデッドの魔物が現れました。
しかし、ミクリとアリスは颯爽と勇敢に、アンデッドの魔物との戦いに挑みました。長い戦いの末、2人はアンデッドの魔物を打ち倒し、倒した魔物とエレナを連れて村に帰った。
古代の神殿で、祭壇に繋がれた生贄は、神々への捧げ物としてではなく、恐ろしい魔物の餌食として使われていたことを、
村人たちに説明して、倒した魔物を実際に見せて、生贄の習慣を変えるように説得しました。
族長をはじめ、村の長老達は最初は信じていなかったが、実際の魔物を見せられて、少しずつ納得していった。
ミクリとアリスは、村を離れて、東の当主に報告して、ギルドの町へ向かった。
後で北方の東の領主に聞いた話しだと、その後、生贄を繋いでも翌朝まで生贄が生きていたので、冒険者の話しを信じて生贄の習慣をやめることにしたらしい。
(実際にやってみないと信じていなかったのかよ!)
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精霊の会議 6人
場所は、亜空間の会議室。
「皆さん集合しましたね」
ノーム議長が木槌を叩く
「トントン」
「これから第6回6大精霊会議を始めます。
議題は、新しいメンバーの紹介です。」
ノーム「それでは、新しいメンバーのウィプスさん!自己紹介をお願いします。」
ウィプス「ウィプスです。明るいと言われます。」
サラ「頭が明るいの?」
ウィプス「ハゲているわけじゃないです。」
ジェイド「僕とは正反対なんだよね。」
ウィプス「そんなことないよ。仲良くしようよ!」
エント「そういえば、復活したのは何百年振り?相当会っていないよね!」
ウィプス「700年振りかも」
サラ「ながっ!死んじゃう!」
ディネ「良く誰も起こしにこなかったね。」
ウィプス「みんなどうしていたの?
ずっと起きていたの?」
ディネ「色々あって。私はモテたから比較的ずっと起きてたけどね。」
ノーム「さて。今後は強い敵がどんどん出てくるけど、これだけ精霊魔法が使えれば大丈夫だと思うけど、みなさんはどう思いますか?」
ディネ「大丈夫よ。」
サラ「問題ないね!」
ジェイド「もっとアンデッド兵を増やしたいけど」
エント「私が居れば、完璧ですわ。」
ウィプス「俺は闇魔法には強いからね。
でも一つ聞いていいかな?
なんでジェイドが一緒にいるの?
光の精霊と闇の精霊って、確か一人の契約者は同時に契約できないんじゃなかったったっけ?相対する属性だから。」
ノーム「それについては、私も同意見ですが、水の精霊と火の精霊を同時に契約していたから、この契約者は大丈夫なんだと思っていたから疑問に思わなかった。」
エント「精霊王ゼノス様はこのことを知っているのよね!」
ディネ「そういえば、アリスがあっちの世界からこっちの世界に来るとき、ゼノス様にあったらしいよ。会話の内容はよく覚えていないらしいけどね。」
サラ「じゃ、
ゼノス様が力を与えたんじゃないかな。」
ノーム「それでは、問題ないということで、今後も連携を強化していきたいと思います。
以上。」
パチパチ(拍手)
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