105 時空の歪みとエクリプスの都市 part03
幼少期の天才科学者ライラ
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ライラは幼少期から科学への強い情熱を抱いていました。
彼女の父親もまた偉大な魔法科学者であり、彼の研究所で見た無数の実験道具や奇妙な装置に囲まれて育ったライラは、自然と魔法科学の世界に魅了されていったのです。
彼女は特に時空の歪みに興味を持ち、その秘密を解き明かすことを人生の使命としました。
若き天才科学者ライラ・エヴァンスは、その知識と探究心でレンブラン王国中に知られていました。
彼女の研究対象は、時空の歪みと失われた都市「エクリプス」の謎でした。エクリプスは古代の伝説に登場する都市であり、かつて世界最高の文明が栄えていた場所とされていました。しかし、突如として姿を消し、その存在は神話と化していました。
ライラは、昼夜を問わず研究に没頭しました。
彼女のラボは最新の機器と膨大なデータで溢れており、その中心には次元間の歪みを観測するための巨大な装置が鎮座していました。
ある日、彼女はアリスと出会い、重大な発見をしました。
アリスの話しの中から、次元間の歪みを解析する過程で、異世界へのゲートを開く手がかりを見つけたのです。
ライラ「これだわ... もしこれが正しければ、エクリプスへの道が開かれるかもしれない... アリス!ありがとう!
アリスにも是非協力して欲しい!」
アリス「面白そうだからやるよ!」
ライラ「アリス!ありがとう!ぜひ一緒に頑張ろう!」
興奮を抑えきれないライラは、アリスと一緒に装置の調整に取り掛かりました。
そして、数週間にわたる微調整と試行錯誤の末、彼女たちはついに次元間のゲートを開くことに成功しました。
アリス「ライラ!開いたよ!」
ライラ「夢のようだ!」
青白い光がラボを満たし、目の前に異世界への扉が出現したのです。
アリス「わぁーっ!すごい!素敵だな!」
ライラ「おーーーーーお!初めて見た!」
ゲートの向こうには、見たこともない景色が広がっていました。
アリス「よし!行こう!冒険の旅へ!」
ライラ「アリス!行こう!」
ライラとアリスは装置を安定させ、二人で慎重にその中へと足を踏み入れました。
ライラとアリスがエクリプスの廃墟に足を踏み入れた瞬間、彼女は時間の重みが辺り一面に満ちているのを感じました。かつての栄光の都市は、今や静寂と朽ち果てた構造物の中に埋もれていました。
目の前に広がるのは、まるで時間が止まったかのような異世界でした。空は紫色に染まり、巨大な建造物が廃墟となってそびえ立っていました。
ライラ「これがエクリプス...」
ライラは息を呑みました。
アリス「ヘェー!ここがそうなんだ!ワクワクしてきた!」
ディネ「この次元は不安定だから、アリスの魔力を暴走させないでよね!」
アリス「わかっているよ。」
サラ「わかってねーな!ポンコツ!」
アリス「うるさい!ポンコツ言うな!」
彼女たちが立っているのは、まさに伝説の都市エクリプスの廃墟だったのです。
高い塔や広大な広場、そして美しくも朽ち果てた彫刻が、かつての栄華を物語っていました。
広がる廃墟の中、巨大な建物の遺骸が点在していました。それらは、かつての輝かしい文明の名残をわずかに残していましたが、今は崩れ落ち、苔とツタに覆われています。石畳の道は、亀裂と砂に埋もれ、歩を進めるたびに古びた瓦礫が音を立てて崩れます。
ライラとアリスが目を上げると、都市の上空には次元の歪みが生じたかのような裂け目が広がっていました。
ライラ「あれ?空が!まだ不安定なんだ!」
アリス「やべー!空が裂けてるね!ほんとに次元が不安定なんだ!大丈夫なの?」
ライラ「今のところは多分大丈夫だと思う。」
ディネ「アリスが魔力を暴動させなければね!」
サラ「ポンコツ!気をつけろよ!」
アリス「うるさい!ポンコツ言うな!」
その裂け目からは、奇妙な光がゆっくりと揺らめき、時折、異次元の風が吹き荒れていました。
かつてこの都市が持っていた次元間の力は、この裂け目から流れ出し、街を包む闇の原因となっていることは明らかでした。
ライラとアリスが進むと、廃墟の中心には巨大な広場が広がっていました。かつては人々が集い、賑わいを見せていたであろう場所には、今や静けさだけが残っています。
アリス「当時は賑やかだったのかな?」
ライラ「今は面影しかないけど。」
広場の中央には、かつて街を照らしていたであろう石造りの大きな塔がそびえ立っていました。しかし、その塔も今や崩れかけ、頂上部分は欠け落ち、まるで街の最後の息吹を保っているかのように見えました。
ライラ「さあ!アリス!データ収集だよ!」
アリス「わかっているから。やるよ!」
ライラとアリスは慎重に都市を探索し始めました。
彼女たちの手にはデータ収集のためのデバイスが握られ、目には驚きと好奇心が宿っていました。
廃墟の中には、かつての技術や文化の痕跡が数多く残されており、彼女たち(ライラとノーム。アリスは除外。)の知識欲を刺激しました。
広場を抜け、ライラとアリスはエクリプス・コアが納められていた大聖堂へと向かいました。
大聖堂の扉は壊れ、内部は薄暗い光が差し込むだけで、かつての荘厳さは影を潜めています。内部には、巨大な柱や天井が崩れ、床には割れた大理石が散乱していました。
アリス「ここにお目当ての物があるの?」
ライラ「今までの資料や文献を総合すると、ここにあるはずなんだけど。」
彼女たちがある大広間にたどり着いた時、巨大な壁画が目に入りました。
それはエクリプスの歴史を描いたものであり、その最後には次元の歪みが都市を飲み込む様子が描かれていました。
ライラはその壁画をデバイスでスキャンし、詳細を記録しました。
アリス「この壁画はなんなの?」
ライラ「エクリプスの歴史だと思う。エクリプスは次元の歪みによって消え去った... この謎を解けば、私たちの世界にも応用できるはず」
アリス「空の次元の裂け目も関係しているのかなあー?」
ライラ「あの裂け目がいつできたかわからないから、なんとも言えないけど、当時からあるとすれば、可能性はあるかな。」
ライラとアリスはさらに奥へと進みました。
ライラ「エクリプス・コアがないわ。」
アリス「どこに行ったんだろうね?」
中央には、かつてエクリプス・コアが鎮座していた祭壇の遺骸がありましたが、コアは消え失せ、その代わりに不気味な闇がその場を占めていました。
ライラとアリスが大聖堂の中に立ち尽くすと、過去の残響が聞こえるようでした。
かつてここで行われた儀式や、エクリプスの栄光の日々がぼんやりと脳裏に浮かびます。
風が吹き抜けるたびに、かすかな囁き声が響き、まるで都市自体が彼女に語りかけているかのようでした。
エクリプスの廃墟は、ただの崩れた都市ではなく、時空と歴史が絡み合った一種の生きた遺物でした。
ライラとアリスは、その中心に立ち、この都市がいかにして崩壊し、次元の安定が失われたのかを理解し始めました。
そして、ついにエクリプスの中心部にある巨大な装置を発見しました。
それは時空を操作するためのものであり、都市が消え去った原因でもありました。
彼女たちはそのデータを収集し、現代の技術で再現可能な手がかりを持ち帰ることに成功しました。
アリス「このデータは役に立つんだよね!」
サラ「アリスには役に立たないけどね!」
ライラ「ああ!これでエクリプスの謎は解けたも同然だよ!... でも、まだ解明すべきことはたくさんあるからね。」
サラ「アリスは理解できないけどね!バカだから!」
アリス「バカ言うな!うるさいな!もう!」
ライラとアリスはラボに戻り、収集したデータを解析し始めました。
エクリプスの技術を現代に応用することで、彼女は次元間の歪みを制御し、新たなエネルギー源や瞬間移動技術の開発に着手しました。
彼女たちの冒険は終わらず、新たな挑戦が始まったばかりです。