101 魔王国のアトラクション編part01
ちょっとした閑話です。
気分転換になります。
メインの話しとは関係ないので、興味がない方は飛ばしてくださいね。
アリス
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アリスはシス島での冒険を終えて、次の島に向かう準備をしている間に、ちょっとだけ抜け出して、こっそりとワープして魔王国に来ました。魔王国にテーマパークを建設するためである。
ラッセン王国の不思議な森は「ファントムヴェール」に刺激されて、ラッセン王国で貰ったすべての報酬を注ぎ込んで、いくつかのアトラクションで囲まれたテーマパークを建設しようと企んでいたのである。
魔王城の片隅で、キラキラと輝きながら、アリスが実体化した。
アリス「久々の魔王城だな。誰かいるか?」
すぐに、マリアが現れた。
マリア「アリス様。御用でしょうか?」
アリス「ディアブロはいるか?」
マリア「ディアブロ様は、現在、東の国境でラインリッヒ共和国との紛争の収拾を図っている最中でございます。」
アリス「あいつも忙しいんだなぁ!じゃ、アルテミスは?」
マリア「アルテミス様はトルメキア帝国より移住した亜人と一緒に南西の草原で自立に向けて、指導をされております。」
アリス「そうだった。忘れてた。もしかして、ウィンも一緒か?」
マリア「ウィン様もご一緒でございます。」
アリス「そういえば、前にお願いした、ファントムヴェールフェイクの森はどうなっている?」
マリア「もう完成しております。ご覧になってみますか?」
アリス「みたい!」
マリア「かしこまりました。ユリアはいますか?」
一瞬でユリアが現れた。
ユリア「はい!ここにおります。」
マリア「ユリア。アリス様をファントムヴェールフェイクの森にお連れして!」
ユリア「かしこまりました。」
アリス「マリア!ちょっと待った!
マリアが連れて行ってくれるんじゃないの?」
マリア「申し訳ございません。最近、バーストエンドミラージュの活動をすべて分析して、対策を練って、ディアブロ様にご報告しているのですが、バーストエンドミラージュの数も増えて膨大な情報を処理するのに忙しくなりましたので、今はそれに集中しております。」
アリス「そんなに大変なんだ。ところで、バーストエンドミラージュは、現在何百人くらいいるの?
マリア「2000人でございます。最近では、軍事、政治、産業と諜報活動の種類も増えておりますので、まだ足りないくらいです。」
アリス「2っ!2000人!!!いつの間に?この間は、200人と言っていたような気がするけど?」
マリア「日々増えておりますので大丈夫です。それでは失礼します。」
マリアが瞬間で消えた。
アリス「なんか最近、部下に相手にされなくなってしまった気がする。ディアブロに見放されて、アルテミスにも見放されて、ディアブロの秘書のマリアにまで見放されて。」
ディネ「仕方ないじゃない!面倒な仕事をすべて部下に押し付けて、その分自由に生きているんだから!」
アリス「すみません。反省しております。」
ディネ「反省してないよね!」
アリス「していないです。反省なんてするかい!生きている間は自由に行動するんだから!
私は自由である。」
ユリア「それではお連れします。」
アリス「よろしくお願いします。」
瞬間で森に移動した。
アリス「ここはどの辺りなの?」
ユリア「ゲルデヘルム魔王国の南西で、シグナス王国の北に辺ります。」
アリス「なるほどね。それで、どこかがファントムヴェールフェイクの森なの?」
ユリア「もうすでに入っております。
この森は単なる木々と生き物の集まりではなく、不思議と神秘に満ちた生きた世界です。
森に足を踏み入れると、最初に気付くのは風に乗って運ばれる静かなささやき声です。この声は、何世紀も立ち続ける古木たちのものです。それぞれの木は独自の人格と歴史を持ち、葉のささやきや枝のきしみで過去の物語や忘れ去られた英雄の伝説を語ります。
これらの木々は森の守護者であり、強力な枝を巧みに動かして森を侵入者から守り、迷子の旅人を知恵で導きます。例えば、老樹エルダーツリーのような木は、時間が刻んだ顔を持ち、四季の変化に応じて表情を変えることができます。
ファントムヴェールフェイクの森の中心には、クリスタルのように輝く魔法の泉があります。この泉は命と魔法の源であり、幻想的な生き物を生み出し、森に魔法のオーラを吹き込みます。
昼間、この泉は穏やかで招かれたように見え、周囲の花々の鮮やかな色を映し出します。しかし、夜になるとこの泉は不気味な魔の沼へと姿を変えます。水は深い渦巻く紫色に変わり、空気は薄暗い霧で満たされます。この魔の沼からは夜の生き物たちが生まれ出で、闇の中を歩き回ります。
魔の沼は、現実と悪夢の境界が曖昧になる暗い魔法の場所です。ここでは最も恐ろしい森の生き物が生まれ、深い場所から現れて森を彷徨います。これらの生き物は「レイスボーン」と呼ばれ、魔法と影で構成され、常に変化する不気味な姿をしています。
その見た目は恐ろしいものの、レイスボーンは必ずしも悪意を持つわけではありません。彼らは森の最も深い秘密を守る守護者であり、古代の遺物や禁じられた知識を守る役割を担っています。しかし、外部の者には警戒心を抱き、脅威を感じると激しく防衛します。
ファントムヴェールフェイクの森の中には、魔法の最も強力な場所である魔法の隠れ家があります。
この隠れ家は色と光の万華鏡のようで、花々は不可能な色で咲き、蝶々は生きた宝石のように輝きます。
空気は花の甘い香りと魔法の優しいハミングで満たされています。
隠れ家の中心には、最も古くて強力な木である「ハートウッドの木」が立っています。この木の根は地球の中心まで深く伸び、世界の核心から魔法を引き出しています。ハートウッドの木は、その価値を証明した者に願いを叶えると言われ、その葉は古代の呪文を囁きます。
ファントムヴェールフェイクの森を訪れる者は、多彩な魔法の冒険に挑戦できます。
木々の語り部の道では、ガイド付きの森の旅で、ささやく木々と交流し、彼らの古代の秘密を学びます。
魔の沼の冒険では、魔の沼への大胆な探検で、レイスボーンの誕生を目撃し、隠された宝を見つけます。
魔法の隠れ家の祭りでは、魔法の隠れ家で開催される祝祭で、音楽、踊り、光と色の魔法の展示を楽しみます。
ハートウッドの挑戦では、勇気と知恵を試される試練で、謎を解き、試練を克服してハートウッドの木の恩恵を得ます。
魔のささやきの森は、想像と現実が交錯する場所であり、訪れる者に魔法と驚きの世界への一歩を提供します。
ここでは、すべての木々が物語を語り、すべての泉が秘密を抱え、すべての影が謎を秘めています。
冒険、啓蒙、あるいはただ静かな反映のひとときを求めるなら、ファントムヴェールフェイクの森は広げた腕と魔法の約束で迎えてくれるそういう場所でございます。」
アリス「素晴らしい!さすがマリアはいい仕事をする。」
ユリア「私も少しお手伝いをいたしました。」
アリス「ユリアも素晴らしい!
ところで、相談があるんだけど、いいかな?」
ユリア「なんなりとお申し付けくださいませ!」
アリス「魔王国にテーマパークを建設しようと思っているから、手伝って欲しい。」
ユリア「かしこまりました。で、どのようになさいますか?」
アリス「いくつかのアトラクションで囲まれたテーマパークを建設しようと企んでいるんだ。一つはファントムヴェールフェイクの森でしょ。そのほかにもいくつか考えているんだ。それを実現して欲しい。」
ユリア「かしこまりました。それで、そのいくつかのお考えとはなんでしょうか?」
アリス「それはね!まずコンセプトから説明すると。
訪れる人々が驚きと興奮を感じるような、奇想天外な体験を提供することを目指していて、魔法と科学の力を融合させた、夢のようなアトラクション。
ただの遊び場的なものではなく、訪れる人々に忘れられない体験を提供するものを目指しているんだ。」