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道化と拒絶
笑いながらスティーブに別れを告げる。そして謝罪も。だって今からスティーブを傷つけるから。
「オーウェン様?」
スティーブは困惑した声を上がるが、俺はもう行動に移した。
(ちょっと、カッコつけてみよう。)
「破壊」
俺は、俺の最大の魔力を使って固有スキルを発動した。
バチバチバチッッッ!バンバンバン!ババンッッッ!
意識して使ったからか、先ほどより強い威力の爆発が起こった。
「オーウェン様っ!」
スティーブは結界を使って防御した様だ。やっぱりスティーブは凄い。
「オーウェン!」
勢いよく母上が走り込んできた。俺を心配してくれているのだろう。ありがとう。でも、母上もどうせ俺を拒絶するからね。大好きだけど、さようなら。
「母上。」
俺は笑って母上に話しかけた。
「この爆発、俺がやりました。俺は固有スキルをコントロール出来ませんよ。」
さあ、最後まで道化を演じよう。俺を拒絶して。