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魔王の結婚  作者: ちゃい
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再会

ここからユーリ視点です。

 あー、面倒だ、こんなところで会うなんて。この娘の婿探しを手伝うのが帰国の一番の近道になってしまった。


 魔王様に抱きつかれて、頭の中は今後自分にふりかかる面倒事がくるくる回る。

 だから会わないように気をつけていたのに。


 戦時中の交渉役として、各国のトップレベルの人たちに会うことが日常的に多い。それはこの娘の婿候補でもある。

 彼女は魔の国の魔王なのだから。


 どうしてみんな自国でいろんな事を解決しようとしないのだろう。


 魔人と恐れられているが人と変わりない。違いは風習と服装くらいだろう、他国より魔力量がある人が多いか。


 地下帝国のため、色素が薄く色白で美しい人が多い。ほとんどが一般人で他国と同じ生活をしている。


 神殿で魔人が嫌われていた歴史はあるが、今では魔力ほしさでかなりの友好国になっている。


 辺境の小国には未だに伝説を恐れている国もあるが、そこにはふさわしい婿がいないだろう。


 魔力量が魔王と大差なくて、魔国で王と共に頂点に立てる力のある男はごく限られている。大国①②、N国と神殿在住の中でだ。


 もう名簿が頭の中で完成しているが、どれも面倒な男ばかりで勝算がない、わたしに利益もない。

 この戦時中のいそがしい時にだ。


 N国の一線で活躍している各部門のトップクラスの人間に今抜けてもらっては困るし、N国の不利益になる。


 大国①②の宰相、魔術師、神殿の高位神官…他国のトップは皆くせがあり、素直にはいそうですか、とうなずいてくれる人がいない。


 魔王本人の魅力はあるのだが、それだけで今の地位を捨てて魔の国に入るメリットがない。魔の国自体小国で裕福ではない。


 そして従えている人ではない種族に理解があるとなると、自分の身近な者もしくは自分くらいしか思いつかない、しかしわたしに愛人はいらない。


 魔王様を振りほどいて向きあった。


 「魔王様、お久しぶりです、N国のユーリです。今回の独立運動はあなたが支援されているのですか?」


 「してないよ、ユーリ」


 「わかりました、それでは」


 「あっ、待って、私はしばらくユーリと一緒にいることにしたよ」

 そうきたか、もう会った時点であきらめてたけど。


 「では今回のユーデイアの騒動にかかわると?」


 「ユーリがそういうなら、てへっ❣」


 やっぱりこの娘連れて戦後処理かー、いうこときけよ。

 「魔王様のお力添えをお願いしますね、わたしの指示には従ってもらいますが、よろしいですか?」


 「わかってるよー、大丈夫」


 わかっているのか?お嬢ちゃん、魔の国は魔王に付ける従者や護衛はいないのか、一人でふらふらとどこへでも行かせているのか、止められるものでもないが。

 


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