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魔王の結婚  作者: ちゃい
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ユーリ

 白の塔の魔術師は完結しましたが「魔王の結婚」の話を追加したいので、別に書きました。

 N国宰相補佐ユーリの視点です。

 

 魔力があるこの世界では、魔力が最も強いN国が世界中の戦争を止めるために仲裁役をしている。

 わたしはN国で宰相補佐をしているユーリ。N国で最強の魔術師集団である、白の塔に所属している。


 そして現在内戦中の大国②と、その属国ユーデイア国の仲裁をしているところだ。とりあえず外交員に任命されたばかりの後輩アンリとともに、情報を集めながらユーデイア国のトップと話し合う場をもとうと狙っている。


 騎士団を動かして早く解決したい宰相や白の塔には、適当な報告を入れてある。もう少し時間をかけて説得したい。


 N国の騎士団は世界最強で、ここが動くとその力を使ってどんなことでもできてしまう。わたしがここを抑えておかないと、本来の解決とはかけ離れた歴史が刻まれる。


 威圧しながら団長のイザクを脅しておいたが、どこまでいうことをきいてくれることやら。副団長のレイナード君も、出兵することを前提に動いているから容赦ない対応をするようだ。


 宰相様は本来中立を好む性格だが、団長、副団長ともに好戦的になっている、久しぶりに攻撃魔法を堂々と使いたいのだろう。しかしそんなことをさせるわけにはいかない、わたしたち外交員は話し合いでうまくまとめようとやって来ているのだから。

 

 そんなこともあり、ユーデイア国の王か外交の代表と話し合いの機会を持ちたいと思っているのだが、N国の外交員というだけで拒否反応があるらしい。


 魔術師が苦手だという。

 大国②との戦争も考えているはずなのに、魔術師がいない想定で動いているのだろうか?特別な武器や武装集団でも持っているのか。小国が独立していくのは仕方ないと思うが、ユーデイア国に関しては理解できないことが多い。

 N国と積極的に交渉を始めるくらいの人材がいないのだろうか?

 ユーデイア王は温厚な人柄で、もめ事を好むタイプには見えなかったのだが。


 大国②にはすでにN国代表のアンリがしっかり入りこんでいて、どのようなことになるか想定しつつ、同盟国としてできることを王や議会と交渉しているが、どっちに転んでもお互い利益があるように話は詰められていて順調だ。


 王制が揺らいだといっても、議会や大臣に優秀な人材がそろっている。民主化一歩手前なだけでN国と大差ない。宰相として実質権力を握っている、貴族のヒュー・ベルリハルト氏は優秀を絵に描いたような男で、すでにこの状況を楽観視している。


 アンリにいざとなったらユーリ氏に頼んでくれ、と言い放ったそうだ。大国が小国に恩を与えてやるくらいの様子らしい、大したものだ。そこまで言うならわたしの好きにさせてもらう。


 他国の人間がユーリを買いかぶっているとしても、わたしは生まれも育ちも一般の小市民だ。国の争いに国民が犠牲になるのを好まない。そのへんの誤解はわたしの経歴が公表されていないのだから仕方ないが、王族ではない。


 目を閉じれば、ケントとフィルが草原で風に吹かれてのんびりしているのがみえる。馬にケントたちを頼んできたから大丈夫、この日常を守るのがわたしの仕事だ。


 さあて、独立運動の首謀者に会ってみるか。

 王は無事らしいが、軟禁状態の可能性もある。ヒュー・ベルリハルトに対抗できる人間が出てくるのかどうか、楽しみだ。


 


 


 

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