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魔法少女の悪役のなかには、平和に生きたい奴もいる  作者: なかそね
第1部 魔法少女アニメ転生
49/51

48 七夕まつり!マイナスモンスターは仲を引き裂く天の川?!

今回は意味不明な点があるかもしれないです

「うおらああああああ!」


 冬先が斬れない刀でピンクに襲いかかる。


「ハァッ!」


 だがピンクは攻撃を軽々と避けた後、そのままの勢いでカウンターを決めるために殴ろうとする。


「ウル!」


「おうよ!!!」


 しかし冬先がウルフェンの名を叫ぶとピンクの死角である背後からウルフェンの牙が襲いかかる。


「くっ!・・・・ハァ、ハァ。」


 なんとか攻撃を避け続けるもピンクの息は上がっており、疲労が目に見えていた。


 もしも冬先とピンクのみ、ウルフェンとピンクのみという1対1の状況であればピンクは苦戦することはなかった。


 むしろ余裕で倒せるほどの戦力差である。




 だが、2対1という数の有利と天井と地面以外の水に囲まれた狭い空間での不利な状況での戦闘で体勢を立て直すために逃げることもできず、冬先とウルフェンの挟み撃ちから繰り出される連続攻撃にピンクは防御することしかできなかった。


「こうなったら、ハピネス・・・・!」


 ピンクは状況を打開するために必殺技である「ハピネスショット」を冬先に向かって放とうとする。


「ほーう?たしかハピなんちゃらだっけか?撃ってみろよ俺の後ろにいる他のスマハピごとよ!!」(待った!それはヤバイって!!)


「え?!」


 しかし冬先の言葉にピンクはハピネスショットを撃つのを中断した。


「おいおいどうした?撃ってみろよ必殺技。そうすれば俺を倒せるし、ついでに俺の後ろで戦ってるスマハピも倒せて幸せハッピーだぜ?」(頼む!これで少しでもビビッてくれ~~~~!!!)


「~~~~っ!なんて卑怯な人なの!!」


「アッハッハッハッハッハッ!」(え?今コイツ俺のこと「人」って言ったよな?あれ、もしかしてバレてる?!いや!これは恐らく俺の見た目が人間っぽいていうから、そう表現しただけだ!てか人間だけどな!!!)


 正義の味方が悪の組織の非道さに顔を悔しそうに歪ませ、悪の組織はそれを笑うという、いかにも物語にありそうな構図だが実際の悪役は内心ではかなり焦っていた。


 しかし冬先が得意とするブラフがピンクの動きを鈍らせることに成功していた。


 そう、ここまで冬先はほとんどブラフ、噓、ハッタリしか言ってない。実は冬先の後ろには他のスマイルハピネスもいる・・・・・これもブラフである。


 ピンクは周りが水に囲まれているため水の向こう側の状況が分からないのだが、実は冬先もよく分かっていなかった。


 そして実際には冬先に向かってハピネスショットを撃っても冬先の後ろには誰もいないので、冬先は崖っぷちの状態であった。


 そもそも冬先がピンクに奇襲をしかける前に周りの状況を確認する時間はあったのだが、今日は感情に身を任せ、ノリと勢いだけで攻めてしまったので一番ピンチな状況に置かれているのはスマイルハピネスでもバーラでもなく、冬先とウルフェンであった。


(やっぱリュウトって悪魔みたいな野郎だけど、どっかアホだよなあ。)


 そしてこの場の状況を全て理解したウルフェンは冬先のブラフにドン引きしながらも呆れていた。


(つーかスマハピのピンクは気づいてないっぽいけど、この水で囲まれいる状況、なぜか天井はガッツリ空いてるからそこから逃げられたらおしまいなんだよ!なんであんなに分かりやすい逃げ道があるんだよ!あれですか?!アニメ特有のご都合展開ですか?!)


 冬先はスマイルハピネスが分断されて水に囲まれた時、上の方は水で覆われていないのを見て、上の方から侵入できたのだが、侵入することができたということは逆を言えばそこから脱出できるのである。


「あ!上は水がない!これなら!!」


(あー-!もうほらあ!!そらそうだよ!!!)


 そして冬先の悪い予感は的中し、上の方に行けば脱出できることに気付いたオレンジが勢いよくジャンプして水の檻から脱出した。


「甘いわよ!!」


「え?・・・ぐああっ!!」


 その瞬間、空中でスキだらけになったオレンジをバーラがトゲ付きのムチで飛んでいるハエをはたくかのように叩き落とした。


 バーラは気づいていた、マイナスモンスターによって作り出された水の包囲網は上の方がガラ空きだということを。

 しかし、バーラはあえて抜け道を作ることでスマイルハピネスを誘った。


 空中では俊敏に動くことができないため、攻撃が避けられないという弱点をつくために!


(なんだ?よく分かんねえけど、失敗したのか?さっきの声だとバーラさんか・・・・・意外と魔法少女の悪役って、できる人なのか?)


 冬先はバーラがオレンジの脱出を阻止したことを見てはいないが、状況から推察してバーラが何かしらやってくれたのだろうと推察して感心していた。


「大丈夫ですか?!」 


「いった~~~~・・・大丈夫!」


「そ、そうですか。安心しました。」


 ブルーがオレンジの安否を確認すると、オレンジの明るい返事が聞こえたので一安心する。


「それにしても・・・っ!、こっからどうする?!」


「どうするって言われても!っ!ピンクが誰かと戦っているせいか・・・っ!返事がないから心配だよ!!」


 だが状況は打開できず、スマイルハピネスはバーラの攻撃を避けることしかできなかった。


「天の川・・・・・は!皆さん!わたくしにナイスなアイデアがあります!」


 オレンジとイエローが現状に悩んでいると、ブルーからこの状況をひっくり返せる提案があると明言した。


「「ナイスなアイデア?!」」


 その言葉に2人は光明が差したような気がして、ブルーの話に耳を傾ける。


「はい!その昔、織姫と彦星という、それはもう仲睦まじい夫婦がいたそうです。ですが、2人はあまりにもお互いを愛しすぎていた・・・結果として2人は働かなってしまった!それに怒った織姫のお父様は天の川で2人が会うことを禁止にしたのです!!!」


「うんうん!・・・・・うん?」


 ブルーが明るい口調で自信満々に語るのでオレンジは一瞬ブルーが頼もしく感じたが、少し話の内容を考えて微妙な表情になる。


「ですが7月7日の日だけ、2人は天の川をカササギという鳥の力を借りて会うことが許されたのです。ズバリ!まさに今、わたくしたちは水、つまり天の川で身動きができないこの状況を打破するには!カササギになればいいのです!!!」


「・・・・・へ、へえ~~・・・・。」


 ブルーが自信満々に語っているのに対してオレンジの反応はあまり、というより良くなかった。


「ルナさんって、いつもはカッコよくて美人さんだけど、たまにアンポンタンになるよね♪」


「うぐっ?!あ・・・・あん、ぽん、たん???」


 イエローの悪意のない純粋な気持ちから出た言葉がブルーのハートに対し、矢で貫かれたような衝撃を与えた!


「あ、アハハはは~・・・・。」


 オレンジは苦笑いでフォローすることしかできなかった。


「う~~ん、鳥・・・鳥さんの力か~~・・・・・あ!そうだ、オレンジ!ハピネスシュートで鳥だよ!!!」


 だがブルーの言葉を聞いて少し考えていたイエローは何かに閃き、オレンジに訴えかけるように話すも、慌てているのか言葉が支離滅裂であった。


「どういうこと?」


 オレンジはイエローのセリフが滅茶苦茶だと思ったが、先ほどのブルーの抽象的なアイデアと違い、どこか具体的な作戦があるように感じたため、真剣にイエローの言葉の真意を尋ねる。


「えっとね、つまりは・・・・。」


「そんなこと、私が許すと思ってるの!!」


「うわわっ!」


 イエローが落ち着いて自分の作戦を伝えようとしたが、バーラはそれを見逃さず、イエローに対して集中攻撃をして妨害する。


「ハピネスシュートで鳥、ハピネスシュートで鳥・・・・・・!、そっか、そういうことか!!」


 イエローがバーラに妨害されて話せる状態でないことを悟ったオレンジはイエローの言葉について考え、考え抜いた末に1つの閃きを得る。


「させないわ!」


「遅い!ハピネス、シュート!!!」


 バーラはオレンジがこのスマイルハピネスが不利な状況をひっくり返す「何か」を閃いたことを察知し、そうはさせまいと妨害しようとしたが一手遅かった。


 オレンジがハピネスシュートで蹴り上げた、巨大な赤い球体のエネルギーは上昇するごとに巨大な火の鳥へと変化した!!!


 そして火の鳥になったハピネスシュートはそのまま天高く空を舞う!


「はあっ!!」


 そしてオレンジは火の鳥に飛び乗った!


「よし、これなら!イエロー、ブルー、乗って!!」


「うん!」 

「分かりました!」


 オレンジが上空から手を伸ばすと、その手に向かって2人がジャンプして火の鳥に飛び乗って水の包囲網から脱出する!


「なんですって?!」


 スマイルハピネスを状況をひっくり返されたことにバーラは驚く。


 ************


「ピンクー----!!」


「みんな!!!」


 防御にまわることしかできずジワジワと追い詰められてると感じ顔を曇らせていたピンクだったが、オレンジたちが火の鳥に乗ってこちらに向かってくるのを見て笑顔を取り戻す。


「な、なんだコイツは?!」


「・・・・・・・は?」


 それに対してウルフェンは驚愕し空いた口がふさがらず、冬先はスマイルハピネスが火の鳥に乗って自分たちに向かって突撃してくる状況に理解が追いつかず空いた口がふさがらなかった。


(・・・・・あー、はいはいなるほどね、さっき「ハピネスシュート!」とか聞こえたから、あの火の鳥はオレンジが出したのね。そんでそれに乗って脱出したと、は~~~・・・・・・・)「意味わかんねえよ?!?!?!」


 冬先は状況を理解したが理解できなかったので思わず叫んだ。


「「「うおおおおおおおおおお!!!」」」


「ハピネス、ショット!!」


 冬先が叫んだ瞬間、火の鳥はマイナスモンスターに突撃しピンクはハピネスショットを冬先に向かって放った!


「引き裂いてやるビシャシャ~~~~~~!!!!!」


 火の鳥はマイナスモンスターに体当たりした瞬間、とてつもない爆発と共にマイナスモンスターを消し飛ばした。


 そして爆発のエネルギーとハピネスショットにより冬先は数多の星が光り輝く夜の空へぶっ飛ばされた。


(いえね、分かってはいたんですよ。今回の俺が戦った動機が独りよがりで他人に迷惑しかかけないことくらい。でもね?じゃあこの気持ちはどうしろっていうね?まあ、今回も負けたからチャラにしてくれねえかなあ。あ、そうだ。七夕に「この後 無事に着地できますように」って お願いしなきゃ。)


 冬先は願いを抱えながら夜の空に消えていった。


 ************


「あ!見てママ!流れ星!!」


「あら、本当!よく見つけられたね~~!!」


 七夕まつりの会場で遠目からぶっ飛ばされている冬先を見つめる親子がいた。


 なんの因果か、彼女たちは先ほど冬先の隣で短冊に願いを書いていた親子であった。


「えへへ~!」


「でもあれ、流れ星というよりも何かが飛んでいるような?・・・・まっ、いっか♪」


 流れ星を見つけられて幸運だと思い嬉しくなった娘と対照的に、母親の方は流れ星にしてはどこか違和感があると感じたが、娘が必死に手を合わせて願い事をしている様子を見て愛おしく感じ、それ以上は考えないことにした。


 こうして七夕まつりはスマイルハピネスの おかげで 平和に終わった。

今回の話「火の鳥に乗って天高く飛んだ!!」 作者「なに言ってんだコイツ?」


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