47 世の中、みんながみんな友達になれると思うな。
今日はちょっと重めかも
今日も今日とて義務教育の学校だ!
・・・・・・・ハハ、いや~だるいわ~~。
「は~~い、それじゃあホームルームを終わりますけど、今日は七夕祭りだからね、あまり夜遅くまで遊ばないように。」
いつも通りの日常をめんどくさそうに過ごしている冬先だったが、先生の「七夕祭り」の言葉に、わずかに反応を示した。
(あ~~、そういえば今日は七夕か~~~・・・・・絶対にスマハピが始まるフラグじゃん。まーた、ウルがうるさく一緒に行こうぜとか言うじゃねえか、めんどくさいな。)
冬先は町が開催する、少しだけ非日常が味わえる特殊なイベントはスマイルハピネスとマイナスランドの戦いが起こると予想し、それに自分が嫌々と巻き込まれることを考えて気が滅入っていた。
「なあなあ、今日の祭りさ、いくら持ってく?」「僕は2000円かな。」「いいな~俺なんか今月の貯金ないから500円なんだぜ?」
「ねえねえ!どこで待ち合わせにする?」「あそこは?恋が叶うっていう、有名な木の下で!」「たしか、その木の下で待ち合わせをするとカップルになれるって有名な木だっけ?でもそれだと私たちが恋人になっちゃうじゃん。」「アハハ!そんなことになるわけないじゃん♪」
(ハァ~~~~、そもそも俺程度の人間がスマハピとの戦いで戦力になるわけがないんだが、ウルは俺が近くにいないと力を発揮できねえんだから、めんどうな話だよな。)
学校の授業が終わり、教室では今夜の七夕まつりについての話題が盛り上がっている中、冬先だけは七夕まつりに興味を示すことなく、1人で黙々と下校の準備をしていた。
「なあリュウト、ちょっといいか?」
そして、いざ下校するために教室から出ようとした矢先、1人の少年の言葉に歩みを止めた。
「あ、ああ。どうしたタツキ。」
少年の正体はタツキであった。
「今日の七夕祭りだけどさ。もし暇なら俺たちと行かないか?」
タツキは冬先を今夜の七夕まつりに一緒に行かないかと誘った。
「え・・・・・まあ、暇だからいいけど・・・俺たちって?」
「おう!アイツらと一緒に行くから、ついでにリュウトも誘おうかと思ってさ。」
タツキの目線の先には、数人の男子の集まりが楽しそうに今夜の七夕まつりについて話していた。
「へえ~~・・・・別にいいけどよ、何時に集合するんだ?」
「お!来てくれるのか!やったぜ!それじゃあ7時に光が丘公園に集合な!」
「分かった。」
「じゃ、また後でな~。」
タツキが元いた男子グループに戻っていくのを見た冬先は、1人、静かに教室から出ていった。
***************
「ふぅ、たしか7時に集合だっけか・・・・・・フフ。」
とある下校道で冬先が今夜の予定を頭の中で確認すると、七夕まつりにタツキたちと大勢で七夕まつりに行く姿を想像した冬先は、口元を無意識にニヤリとさせた。
(?!、え、今おれニヤニヤしてる!噓だろまさか嬉しいのか?!友達と遊ぶのが?!いやいやいやいやいや、ありえないありえない!だって俺、もともとは年上の転生人間だからね?!中学生の遊びで喜ぶとか!まあ実際の俺は転生する前の記憶があやふやだから偉そうなことは言えないけど、少なくとも中学生よりは年上だった気がする!・・・・・・・チっ、そうだったな、忘れてた自分が嫌になる・・・。)
冬先は自分がアニメの世界に転生したことについて嫌な気持ちになった。
そもそも冬先リュウトは「冬先リュウト」ではない。彼は異世界から転生した者であって別の人間である。
そしてなぜか彼には転生する前の記憶があやふやである。自分の元々の名前、年齢、人間関係、親などが分からない状態であった。
ただし基本的なことは覚えていた。日本語、好きな食べ物、嫌いな食べ物、面倒くさがりやな性格、そして異世界転生に憧れていた感情。
それらを覚えていたせいなのか、はたまた本人のメンタルの強さからなのか、彼は記憶があやふやなことに困ったことはなかった。
(ま、なんだかんだ普通に生きてるし。こういうのって、前世の親に迷惑がかかってないかなー?とか思うのかなと思ったけど、そもそも記憶がないからあんまし重く見てないんだよな~~~。まあ俺がゴミ人間だからかもしれないけど。)
ただし、そんな彼にも1つ悩みがあった。それは冬先リュウトという赤ん坊に転生してから2年くらい経った時である。
自分は冬先リュウトではない異世界転生した人間だ。ならば元々の冬先リュウトはどうなった?
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冬先リュウト・・・・いや、本当の自分を忘れた彼は本物の冬先リュウトの体を乗っ取ったのではないか?と思った。
仮に前世の記憶のパターンならば悩むことはなかった。だが彼はこの世界がアニメの世界、つまりは前世とか来世とかまったく関係ない世界からやってきた。
ならば自分と冬先リュウトには何も共通点がないのでは?と考えた。
だとしたら自分は無意識とはいえ「冬先リュウト」という人間が元々送るはずだった人生を乗っ取っり未来を摘み取った、殺人よりも悪質な罪人だという結論にいたった。
そして彼は罪の意識を忘れないようにしていた。自覚がないとはいえ、自分のような人間が人の人生を奪ったのだと考えた。
だが、それと同時に罪の意識を無意識に考えないようにしていることを、彼は自覚していなかった。
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「なあウル。俺ちょっと七夕まつりに友達と行ってくるけど、多分スマハピが現れると思うから途中まで一緒に行くか?」
時間は少し過ぎて集合時間の30分前、冬先は今夜はスマイルハピネスとマイナスランドの戦いが起こるであろうと確信めいた予想をしていたため、ウルフェンを七夕まつりが開催される場所まで案内しようと誘った。
「あ?それは助かるが・・・なんで今日、俺たちが現れるって分かるんだよ。」
「こういうイベントはスマハピのフラグと決まってるんだよ。」
「てめえホントにわけわかんねえこと言うよな。まあ、その意味不明なことが本当に起こっちまうんだから、もっとわけわかんねえけどよ。」
ウルフェンは冬先の根拠のない自信に理解ができなかったが、その根拠のない自信がほぼ的中していることも知ってるため、床に座り込んでいたウルフェンはゆっくりと立ち上がった。
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ウルフェンの存在がバレるとめんどくさいという理由から、冬先とウルフェンは人通りの少ない路地裏を歩いていた。
「にしても、まさかリュウトみたいな奴に友達がいるたあ、物好きな野郎もいたもんだぜ。」
「おいこの野郎どういう意味だ。」
他愛のない会話の中でウルフェンは冬先に友達がいたという事実に驚いていた。
「まあ家から一歩も出たがらねえリュウトにとっちゃ、今日はいい運動になるんじゃ・・・・・なんでニヤニヤしてんだよ。なんか気持ち悪いぜ。」
ウルフェンがなんとなく上を見上げると、視線の先に口元をニヤリとさせている冬先の表情があったのを見て、初めて見る表情にウルフェンは不気味に感じた。
「!!!・・・・・・・いや、別に・・・・友達いなさそうなウルに対しての優越感だよ。」
冬先はこの後、タツキとその友達と遊ぶということについて考えていたら無意識に口元を緩ませてニヤリとしていたが、その表情をウルフェンに指摘されて思わず手で口元を隠すと、話題を逸らすためにわざとウルフェンが怒りそうなセリフを言った。
「?、人間ってのは友達とかいると嬉しいのか?だが一応、俺にも友達はいるぜ。最近は会ってねえけどな。」
しかし冬先の予想とは裏腹にウルフェンに怒る様子はなく、それよりもウルフェンの言葉に冬先は頭が真っ白になった。
なぜ頭が真っ白になったかは冬先自身すら理解できなかったが、とりあえず話題を逸らすことには成功したので、冬先はホッ、と胸をなでおろした。
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ウルフェンと別れた後、冬先はタツキ達が集まってるであろう集合場所にたどり着いた。
少し予定よりも早くついてしまったため、1人で待っていると今日の教室で見かけたタツキの友達が数人、冬先が待っている集合場所に向かってやってくるのが見えた。
「ー---でよ!・・・・お、リュウトじゃんか!来るの早いな!」「というか初めてだよな?リュウトと遊びに行くのは?」
「あ・・・・お、おう!タツキに誘われたっていうのもあるけど、こういうの行ってみたかったんだよな!」
(ヤバイ!コイツらの名前、覚えてねえ!名前とか覚えるのめんどくさいとか言ってサボった俺をぶん殴ってやりてえ!)
冬先はクラスメイトの名前を覚えなかった過去の自分を悔やんでいた。
(ま、まあ会話の中で名前の1つや2つ出てくるだろ!その時にコッソリと覚えればいい!)
だが後で考えればいいという判断をすると、とりあえず今は友達と遊ぶことを楽しもうとしていた。
「あ!そういえばさ!昨日のバレーの試合見た?!」「おう!瀧島選手のスパイクすごかったな!」「あれはホントに手に汗にぎっちまったよ!」
「・・・・・・・・・・。」
だが、タツキの友達の会話の雰囲気を見て、冬先はどこか嫌な予感がした。
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「おー!お前ら待たせたかー-?」
7時10分、タツキと数人の男子がやってきた。
「遅いぜタツキ!」「あ、その手に持ってるものって、わたあめじゃないか!」「いやー!ついつい先に買っちまったよ!」「それはズリーぜ♪」
タツキ達が遅れてきたことについて先に待ってた人たちは文句を言いながらも、実際に彼らは彼らで楽しく話しながら待っていたため、体感時間にしては1分程度の遅刻に感じていたため、本気で怒ってはいなかった。
「・・・・・・・・・。」
ただし冬先だけは違っていた。彼は別に怒っているわけではなかったが、10分の遅刻が体感時間にして30分も待たされているような気分だった。
「じゃあ早く行こうぜ!人気の店とかすぐ行列ができるからよ!」
タツキとその友達の集団の誰かがそう言うと、集団は七夕まつりの会場に一斉に足を運んでいく。
ただ1人、冬先のみが出遅れて。
「あ・・・・・・。」
その瞬間、冬先は彼らとの間に見えない境界線が引かれているような気がした。
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結論から言えば、冬先は用事があると噓をついて、早めにタツキたちと別れた。
(・・・・・何やってんだろうな、俺。)
冬先の気分は流れ星のように落ちていた。
(別に彼らが悪いっていうわけじゃない。俺の方に問題があった。)
冬先はタツキの友達と話すことができなかった。彼らは彼らで既にグループとしての会話をしていた。
付き合いが長い親友としての雰囲気に委縮していた。
タツキも他の人と楽しそうに話していたので、その輪を乱すような真似はしたくないと感じ、自分から話しかけることはしなかった。
(後は・・・・・うん、彼らとのテンションが本当に合わなかったな。)
理屈ではなく感覚的に冬先はそう感じた。
別に冬先は話しかけられなかったわけではなかった。むしろ話題を振られたりもした。だが、その内容が冬先にとっては知識がなく満足のいく答えがだせず、その場の雰囲気で「あーいいんじゃね!」と、適当な相槌をすることしかできなかた。
なんとか彼らとの会話に混ざろうと、気分を無理やり上げて明るい口調で話すも、心のどこかでストレスを感じていた。
「はーい!短冊ツリーはこちらですよー!」
そんな時、ふいに大きな声が聞こえたので声のする方を見てみると、そこには大きな笹と、そこに括り付けられている色とりどりの無数の短冊があった。
(ああ、そういや俺も小さいころに短冊に願い事でも書いてたな。)
おそらく笹に短冊をつけるイベントなのだろうと察した冬先は、特にやることもなかったので短冊にどんな願いが書いてあるのか見てみることにした。
{お小遣いがふえますように} {家族が健康になりますように} {恋が叶いますように} {夢を叶える!}
それぞれ、黄、オレンジ、ピンク、水の色の短冊にその願いごとは書いてあった。
「うお、なんか多種多様な願いごとだな・・・・。」
これといった理由はなかったが、冬先はなぜかその短冊から目が離せなかった。
「ねえねえ!お母さんはどんな願いごと書いたの?!」「お母さんはねえ、ちいちゃんが幸せになりますようにって願いごとだよ。」「えー・・・・なんかつまんな~い。」
気づけば冬先の隣には仲が良さそうな親子の姿があった。
「お?それじゃあ、ちいちゃんはどんなすっごい願いごとを書いたのかな~?」「わたしわねえ!キレイなお姫様になって王子様とケッコンするの!」
親子は母と娘で、娘の方は自分の願い事を楽しそうに母親に話す。
「へえ~~。それじゃあちいちゃんが大人になったら、ちいちゃんのお姫様をママに見せて泣かせてね。」
(大人になったら?・・・・・・ああ、結婚式か。)
冬先は娘の親の言葉の真意が最初は分からなかったが、少し考えて母親が お姫様=娘のウエディングドレス、 王子様=娘の将来の夫 のことで例えているのだと納得した。
「え?ママ、泣いちゃうの?・・・・・じゃあ、お姫様やめる。」「あーごめんねちいちゃん。そういうことじゃないのよ。涙ってのはね?悲しい時だけじゃなくて、嬉しい時にも出るものなのよ。」「そーなの?」「そ~よ~。」
しかし子供というのは純粋で素直に言葉を受け止めてしまう生き物である。
娘が母親が泣くならばと、消え入りそうな声で夢を諦める姿を見て母親は優しくなぐさめて言葉の真意を説明する。それを聞いた娘はまた明るい雰囲気に戻った。
(泣かせる話だな~~・・・・・・・もしも俺が短冊に「今すぐ隕石が落として七夕まつり滅茶苦茶にしてください」って書いたら、この親子どんな反応するんだろ・・・・・・ま、そんなことを考えてる俺に生きてる価値なんてあるのかね。)
冬先は短冊に願い事を書くことなく、その場を後にした。
***************
その後、冬先は自分の手持ちのお金をお好み焼き1つと後の全額を牛の串焼きに全額を使い、1人で抱えきれない量を持ち、誰かと一緒に歩く予定もなくさまようように歩いていた。
(あー---お好み焼きうま。こんなに上手いなら1人で来れば純粋に楽しめたのに・・・・・いや今1人じゃんかよ・・・・・さっきのお母さん、確かに嬉しい時に涙は出ますけどね、涙ってのは基本的に悲しい時に出るものなんですよ。)
************
(人との会話が苦手だ。)
お前がゴミ人間だから
(人と波長が合わせられない。)
お前が普通になろうとする努力が足りない
(俺はゴミ人間だ。)
そうだ
(クソ・・・なんで涙が出るんだ。)
お前が弱いから
(もう死・・・・・)
「なにしてんだリュウト?」
自分にかけられた言葉で冬先は我に返る。
「?!?!?!、ウルか・・・・・いや、べつに・・・・・。」
冬先に声をかけたのはウルフェンだった。
「なんで顔を隠してんだ?お、それよりもその旨そうな匂いがするくいもんって、もしかして肉か?!なあ、少し分けてくれよ!」
ウルフェンは冬先が目を隠していることに違和感を感じていたが、冬先が手に持っている牛の串焼きの匂いに目を奪われ、なんとかして貰えないかと頼んだ。
「ん。」
「お、すまねえな・・・・・クゥ~~~~ん!やっぱ人間界のくいもんは旨いぜ!」
ウルフェンが無我夢中で肉を食べる姿を見て冬先は冷静になった。
「はは・・・しかしこの光景、他の人が見たら「ペットになんてもの与えてんの。」って動物愛護団体に訴えられそうだな。」
「あ?!こんな旨いものを食えなくするなんざ、その動物なんたらは悪い奴らなんだな。」
「悪い奴らって・・・プッ、ハハハハハ!」
「なんだ?急にどうし・・・なんで泣いてんだ?」
冬先は自覚していないが、ウルフェンと一緒にいることに嬉しくて涙をながしていた。だが、その原因となったウルフェンは若干引いていた。
「え?ああ・・・・!!」
「このマイナスエネルギー!!」
物語に関係のない2名にとってはタイミングなんてのは空気を読まなかった。
**************
「さあ!やってしまいなさい!アマノガーワ!」
「引き裂いてやるビシャー-!」
バーラが号令をかけると「アマノガーワ」と呼ばれたマイナスモンスターは多方から水を噴射して四方八方からスマハピに向かって攻めていく。
「みんな避けて!」
ピンクの指示で他のスマイルハピネスも一斉に水噴射の攻撃を避ける。
「あらあら、避けられてしまったわね♪でもいいのかしら。」
「なんで向こうは余裕なんだ?」
攻撃が避けられても取り乱すどころか、むしろ事が順調に進んでいるような余裕な態度にオレンジは違和感を感じた。
「みんな!私たち分断されてるよ!!」
「「「!!!」」」
異常事態にいち早く気づいたのはピンクだった。噴射された水は途切れることなく永遠に水が川のように流れ続けていた。
「これは!まさに織姫と彦星が天の川で仲を引き裂かれたように!私たち4人が孤立させられている!」
ブルーは自分たちが合流できないように周りに水の壁が立ちふさがっていることに気が付く。
スマイルハピネスは各々の天井を除いた周りに水の壁が張られており、他のスマイルハピネスの状況が分からない状況に置かれていた。
「みんな!大丈夫?!」
「周りが水しかないけど無事だよ!」
「私も同じ!」
「わ、私もです!」
オレンジが他のスマイルハピネスの状況を知るために声をかけると、他のイエロー、ピンク、ブルーはひとまず自分の身の無事を伝える。
「みんな!1回落ち着いてここから出る方法を・・・・くっ!」
ピンクが態勢を整えるために皆に声をかけていたその時!突然、水の壁からバーラのムチがピンクに襲いかかった!
「フフフ、そうはさせないわ。なぜあなたたちを1人ずつ分断させたのか。それはあなたたちが力を合わせられないようにするためよ!!!」
「くっ!」
バーラの攻撃を避けてはいるものの、こちらからは手出しができない状態なので、防御に徹することしかできない一方的な展開であった。
「ピンク?!待ってて!なんとかそっちに行く・・・・うわっ?!」
「そうはさせないって言ってるでしょ!」
イエローがピンクを助けるために無理やり突破しようと力を溜めるも、バーラはそれを見逃さず攻撃対象をイエローに変更する。
「イエロー?!今そっちに・・・・ッつ!」
「皆さん?!大丈夫ですか?!・・・・フッ!!!」
オレンジとブルーもなんとか水の壁を突破しようよとするも、バーラの奇襲攻撃によって常に警戒態勢を強いられ、後手に回るしかなかった。
「どうかしら、もうなにもできることはないでしょう?・・・今日こそスマイルハピネスの最後よ!!」
バーラは今日こそスマイルハピネスに勝てると思いテンションが上がっていた。
「うっ!たしかにピンチなのかもしれない。・・・・・だけど!私たちの後ろには七夕まつりを楽しんでいる人たちがいる!その人の幸せを!願いを!アナタに邪魔させるわけにはいかない!!!」
客観的に状況を観察すればスマイルハピネスが劣勢である。だが、ピンクは諦めなかった。今日、七夕まつりを楽しんでいるたくさんの普通の人たちの日常を守るために。
ピンクは自分の信念を大声で叫び自らを鼓舞した。
「ピンク・・・・よっしゃ!アタシ達も負けてられない!」
「うん!イエローも頑張るよ!」
「当然です!」
ピンクの言葉に他のスマイルハピネスも立ち上がる!そしてここからスマイルハピネスの反撃が始まる!!!・・・・・・・というのが物語としてはキレイな筋書きだが、そういう空気を読まないのが物語に関係ない存在である。
突然、ピンクの頭上から2名の影が静かに襲いかかった。
「!!!・・・・くっ!」
2名の奇襲をピンクはギリギリのところで避ける。
「お前、今、七夕まつりに参加してる人の幸せだの願いだとか言ったな?」
「あなたたちは・・・!」
ピンクを奇襲しようとした男の姿は、紺色のフードパーカーに黒色のズボン、そして実は切れない刀と無表情を連想させるお面を着けた、不審者を思わせるような恰好をしている・・・・・・
「よーし決めた。お前ここでぶった切ってやる。」
冬先リュウトだった。
個人的に3人の会話って難しいと思う。3人ということは2人が会話すると1人はハブられるから。
それでも3人で仲良く会話できるなら、それはとんでもなく仲良しか、誰かが会話で気遣いができる人がいるかだと思ってます。
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