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魔法少女の悪役のなかには、平和に生きたい奴もいる  作者: なかそね
第1部 魔法少女アニメ転生
44/51

43 雨の日にはアンブレーラーに、ご注意を?!

2ヶ月ぶりです!すいませんでした!!!!

「ごめん!今日一緒に帰ってくんねえか?!」


 雨が降っている放課後、タツキが冬先に一緒に下校してくれと頼みこんでいる。


「実は傘わすれちゃってよ、途中まででいいからリュウトの傘に入れてくれ!頼む!!」


 タツキは傘を学校に持ってきておらず、このままではずぶ濡れで家に帰るためになる。

 それは勘弁してほしいということで、下校の方向が一緒である冬先に下校中、冬先の傘に入れてもらうというのがタツキが冬先にお願いをしている経緯である。


「いや、傘2つ持ってるから貸そうか?」


 タツキのお願いを冬先は断るも、代わりに傘を1つ貸すと言った。


「え、マジで?!」

「折りたたみ傘だけどな、いつもカバンに入れっぱにしてあんだよ。ほい、いつか適当に返してくれればいいから。」


 冬先はカバンから折り畳み式の傘を出すとタツキに渡した。


「サンキューな!明日絶対に返すからさ!」

「おう、じゃあな。」


 タツキとは球技大会のころから、ちょくちょく話すようになった。

 友達・・・って言うのはおこがましいけど、なんだかんだ言って退屈な学校生活が少し楽しくなったのは嬉しい。

 やばい、なんかキモイな俺。タツキがこっちに向かってきただけで口元が自然とニヤケてしまう。

 うわ思い出しただけでキモイ!!はよ帰ろ。


 ************


 雨が降ってるなか、冬先が1人で下校中の時だった。それは突然おとずれた。


「・・・・・またスマハピとバーラさん戦ってるな。」


 そう遠くない場所、おそらくどこかの通りや道路辺りで冬先はマイナスエネルギーを感じる。


 場所も近いし見に行ってみるか・・・・・なんて言うわけないがな。ふざけるな、俺は帰ってゴロゴロするという使命がある!


 冬先はスマイルハピネスとマイナスランドの戦いなぞ知ったことではない、という気持ちで自分の家に向かって真っ直ぐに帰ろうとする。


 だがしばらく歩いて冬先は立ち止まった。


 待てよ?まさか今回もウルが来るってことはないよな?


 実はここのところ週1回のペースでマイナスランドの刺客とスマイルハピネスが戦っているのだが、冬先は無視して家で過ごしたりしていた。

 ただ、ウルフェンはマイナスランドの刺客としてスマイルハピネスと戦っており、いつもボロボロになって帰ってきていた。

 だからその理屈でいけば、今回もウルフェンがスマイルハピネスと戦っている最中ということになるのだが・・・・。


「まさかこの雨の中でも、スマハピと戦ってるとかないよな?」


 今日の天気は雨。それもかなり強めの雨だ。


「アイツ傘とかさせないだろ。帰りどうすんだよ。いやまあ朝から雨ふってたから、いるとしたら行きでズブ濡れだけど。」


 4足歩行のウルフェンでは傘をさして歩くのは不可能だ。


「・・・・・はあ、行くか。」


 冬先はため息をつくと、マイナスエネルギーが起こってる方に歩いていった。


 **************


「さあ!やってしまいなさい!アンブレーラー!!」

「アンブ~~~~~!!!」


 雨の中、バーラが叫ぶとアンブレーラーと呼ばれる、大きな傘の形に目のようなものがあるマイナスモンスターは自分の体である傘を回転させて雨水をスマイルハピネスに浴びせていく。


「「きゃああああああ!!」」

「うっ、これはマズイかもね!!」

「キュ~~~~~!まるで雨に攻撃されてるみたいだキュ!!」


 スマイルハピネスはいつものように押され気味だった。


「ハハハ!いいわよ!そのままスマイルハピネスをやってしまいなさい!」


 雨に打たれながらも、気にすることなく堂々とした姿勢を見せるバーラは、まさに水もしたたるいい美人と言ったところだ。


「おお!これなら今度こそ勝てるかもしれません!」


 そしてバーラの隣で嬉しそうに叫んでいるウルフェンは・・・・・・雨という名の水分がありとあらゆる体毛に吸着していき、水もずぶ濡れで原形がなくなった見た目をしていた。


「ええ!これでお終いよ!!」

「アンブレ~~~~~ラ~~~~~~~~!!!」


 バーラの号令でアンブレーラーの勢いが増し、先ほどよりも倍以上の雨水がスマイルハピネスを襲う。


「「「きゃああああああ!!」」」


 アンブレーラーを倒すためには、近づいて自分たちの間合いで戦わなければならないのだが、アンブレーラーの攻撃によって間合いに近づかせてもらえず、まさに手も足もでない状況だ。


「くうっ!この雨のせいで、マイナスモンスターの力が強まってる感じだね?!」


 冷静な状況判断をするオレンジだったが、解決策が思いつかず苦戦を強いられている。


「う~~~!こんな雨さえなければ~~!!・・・・雨さえ、なければ・・。」


 イエローが悔しそうに空を見上げると、イエローの顔が固まる。


「そうだ!2人とも力を貸して!!」


 すると何かを思いついたのか、さっきまで苦戦を強いられ曇っていたイエローの表情が晴れた。


「!、バーラ様!スマハピの奴ら、なにか仕掛けてくるつもりです!」

「ええ、分かっているわ!」


 だがスマイルハピネスに何か作戦がある様子は、バーラ達は察していた。


「何かされる前に、俺がスマハピに攻撃を仕掛けましょうか?」

「いえ、今回のマイナスモンスターはとても強力ですが、それゆえに下手に動けば私たちもあのマイナスモンスターの巻き添えをくらうわ。それに今さらスマイルハピネスに逆転の手なんかないわ♪このままスマイルハピネスをマイナスエネルギーに染め上げてあげるわ!!」

「おお!流石バーラ様!」


 ウルフェンがスマイルハピネスの邪魔することを進言するも、バーラは必要ないと判断した。


 *********


「準備万端だよ、イエロー!!」

「こっちもいつでもいけるよ!!」

「ありがとう。・・・それじゃあ、いくよ!!」


 一方スマイルハピネスはイエローの作戦を理解すると、実行に移す。


「ハピネス、ショット!!」


 イエローの合図と同時に、ピンクが2人をアンブレーラーの攻撃から守るように、必殺技をアンブレーラーの攻撃と相殺させていく。


「バーラ様!」

「フフ、恐れることはないわ。見なさい!少しずつだけどこっちが押しているわ!」

「くっ!ハァアアアアア!!」


 最初こそアンブレーラーとピンクの攻撃の撃ち合いは互角に見えたが、次第にピンクが押され始めている。


「いくよ!ハピネス・・・・!!」


 すると今度はオレンジが必殺技であるハピネスシュートの姿勢を見せる。


「甘いわよ!そんなもの!この私が撃ち落としてみせるわ!」


 だがバーラは冷静に対処するために、ハピネスシュートに対して身構える。


「お願い!オレンジ!!」


 しかしその瞬間、マイナスランドにとって予想外の出来事が起こった。

 イエローが空に向かってジャンプをした。そして・・・・・・


「シューーーーート!!!!」


 オレンジがイエローの足の裏を蹴り上げて、イエローが空高く飛んだ!!


「な、なんですって!!」

「な・・・・。」


 予想外の事態にバーラとウルフェンは困惑する。


「ハピネス、サンダーーーー!!」


 そしてイエローの必殺技がマイナスモンスターに向かって

 ・・・・・・放たれるこてゃなく、なぜかハピネスサンダーは空に向かって放たれた。


「ふ、フン!何よ、驚かせてくれちゃって!高いところから下を見るのが怖くなって、狙いが外ちゃったのかしら?」


 一瞬、驚いてしまったバーラだったが、必殺技がマイナスモンスター当たらなかったことに安堵し、イエローを煽った。


「それはどうかな!!」

「なんですって?!」


 しかし、イエローは煽られても怒ることはなく、むしろ満面の笑みで言い返した。これにはバーラは動揺する。


「今日は曇りのち豪雨で大変な天気ですが!時々の雷にもご注意を!!!」


 イエローが叫ぶと、先ほど放たれたハピネスサンダーが曇に直撃し、その雲がゴロゴロと不穏な音を立てると、突然すさまじい光を見せたかと思えば、雲から巨大な雷が落ちてマイナスモンスターに直撃する!


「そ、そうか!さっきのハピネスサンダーはマイナスモンスターを狙ったものじゃなくて、お空の雲に電気を充電させて大きなカミナリをつくるためだったんだキュ!!」

「な、なんですって~~~?!」

「アンブ~~~~~~~?!」


 巨大なハピネスサンダーをまともに喰らったアンブレーラーは一撃で倒され、爆発して消えた。


「どうだ見たか!・・・って、きゃああああああ!サチ落ちてるよ~~~~~?!」

「さっちー?!」

「た、大変だキュ~~?!」


 自慢げな様子のイエローだったが、彼女は飛んだわけではなく高くジャンプしたため、彼女に飛行能力はないので結論として彼女は落下する。


「よっと。」


 落下するイエローを、オレンジがお姫様抱っこでキャッチした。


「オレンジ!」

「さっきのすごかったね!やるじゃん、イエロー!!」

「えへへへ!ありがとう、リンカちゃん!!」


 オレンジがウインクしながら褒めると、イエローはニヤニヤが止まらなかった。


「くっ!まだよ!まだ負けてないわ!!」


 マイナスモンスターが倒されるも、バーラはまだ諦める気はさらさらなかった。


「俺もやります!」

「ありがとう、助かるわ!・・・・って、ウル!アナタ大きくなってるわ?!」

「え?!・・・・な!ホントだ、力が湧いてきやがる!」


 先ほどまで中型犬サイズだったウルフェンが突然、大型の狼サイズに変身した。

 ーーーーまさか、リュウトか?!ウルフェンは周りを見渡すも、近くに冬先の姿は見えなかった。


「ケッ、あの野郎。」


 ウルフェンはニヤリと笑うと、小さな声で呟いた。


「オラオラどうした!マイナスモンスターを倒したからって、調子にのってんじゃねえぞ!!」

「!、来るよ!2人とも気をつけて!!」

「「うん!」」


 そうしてマイナスランドとスマイルハピネスは肉弾戦に持ち込まれていった。





「なんでアイツら、この雨の中で戦ってんだろ。バカなの?」


 一方で少し離れたところにいる冬先は、雨の中で戦っているマイナスランドとスマイルハピネスの戦いを冷めた目で見ていた。



 **************


「ぶあっくしょい!!!」

「・・・そら雨の中で戦ってたら風邪ひくわ。」


 あの後、ボロボロに負けたマイナスランド。

 スマイルハピネスにぶっ飛ばされたウルフェンを冬先が保護して家に連れ帰った翌日、ウルフェンは風邪をひいたのだった。


「う、うるせ・・・ぶあっくしょい!!!」

「ハァ・・・・。」


 くしゃみが止まらないウルフェンを見て、冬先はため息をついた。

こんな作者に対してもブックマーク登録と評価ポイントや感想のメールがあるので、皆さんには申し訳ないと思いつつも、滅茶苦茶に感謝してます!

投稿頻度はあげる気でいるので、面白かったらブックマーク登録と評価ポイントよろしく!!(何度目だ)


一応、もう1つの小説、他力本願なモブの異世界転移も書いてるので興味があれば見てくれると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんだかんだで主人公に友人ができたり、ウルフェンがインフレに置いてけぼりなのに一切めげてなかったり。 [気になる点] そういえば幹部は一週間に一度のペースじゃないと万全な状態でいれないっぽ…
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