31 集団において1人だけ違う行動をするのは難しい
突然ですが、youtubeに動画を上げました。「ナカソウ」の名前でやってます。あんま面白くないので暇だったら見てください。もし面白かったらチャンネル登録よろしくお願いします
「は~い、それじゃあ1週間後にある球技大会にどのスポーツで参加するかを決めてもらいます。」
とある町、とある学校でそれは始まろうとしていた。
球技大会、それはいろんなスポーツをクラス対抗戦でやることで最終的にどのクラスが多く各種目でたくさん勝ったかを競う大会である。
そしてこの学校では基本的に大会の1週間前から放課後での練習期間があり、部活で使っているグラウンドや体育館を球技大会に向けての練習に使用する。
そしてあるクラスでは来るべき球技大会に備えて、誰がどのスポーツに参加するかを決めようとしていた。
「ねえねえ、あきほは何にする?」「あたしはバスケ部だからバスケかな。」「ちーちゃん一緒に卓球を選ぼうよ。」「いいよ。」「なあなあ、カケルはもちろんサッカーだよな?!」「ああ、もちろんさ。」「やったぜ!カケルが入ってくれりゃ百人力だぜ!」「なんたってかけるはサッカー部のエースだもんな!!!」
「はいはい、楽しみなのは分かるけど隣りのクラスに迷惑をかけないように静かにしなさいよ。」
皆が球技大会でどのスポーツに参加するかを話し合っている中、彼女たちも同じように話し合っていた。
「ねえねえ、さっちーは何のスポーツにするの?」
「さちはきららちゃんと一緒のスポーツがいいかな。」
「本当?!やったーー!」
「きらら、はしゃぎすぎだって・・。」
そう、スマイルハピネスのメンバーである。彼女たちもまたクラスメイトと同様にどのスポーツに参加するかを楽しく喋っている。
「そうだ!せっかくだしりんかちゃんも一緒に3人で同じスポーツにしようよ!」
「ん~~、そうだねせっかくだから楽しくやりたいしね。いいよ。」
「やったーー!りんかちゃんがいれば百人力だよ!!」
「だからはしゃぎすぎだって、まったく・・・。」
夢見きららの誘いを赤羽りんかは快諾するときららは立ち上がって喜んだ。それをりんかは注意するも表情はどこか嬉しそうだった。
「あ!じゃあさ、バレーボールにしない?りんかちゃん元バレーボール部だったし。」
「え・・・・・。」
だが日向さちが球技大会に参加する種目をバレーボールにしようと提案するとりんかの表情が固まる。
「あれ?もしかして違ってた?」
「あ・・・いや、その・・。」
「へえ~~、りんかちゃんバレー部だったんだ!」
「ま、まあね。だけど、少し前にやめちゃったんだけどね、アハハハ・・・。」
きららやさちの言葉にりんかは何というか曖昧な感じで反応した。
「じゃあさ、せっかくだから3人でバレーに参加しようよ!」
「い、いや!」
そしてきららが嬉しそうにバレーボールへの参加をしようとしたところで、りんかが大きい声で否定する。
「え?」
「り、りんかちゃんどうしたの?」
突然のことにきららは固まってしまう、勿論さちも困惑している、なぜなら2人がもつりんかのイメージはいつも明るく優しかったので突然りんかが怒るように否定したことで2人はいつものりんかっぽくないと思ったからだ。
「あ・・・・・い、いや~~なんていうかさ、アタシってバレーに飽きちゃったから部活を辞めたんだよね~~。だから、さ、今のアタシは~・・・そう!バスケがしたいんだよね~~・・・ア、アハハハ・・・!」
りんかは自分が声を上げてしまったことに気づき、必死に弁明するが、その口調はちぐはぐだった。
「そ、そうなんだ~~!ゴメンね!早とちりしちゃって!!」
「う、ううん!こっちこそ先に言わなかったのが悪いし・・・ア、アハハ!と、とりあえずアタシが皆の名前を書いてくるから、「バスケ」でいい?」
「わたしはそれでいいよ!さっちーは大丈夫?」
「え?う、うん。」
「じゃあ黒板に書いてくるからちょっと待ってて。」
そう言い残すと、りんかは球技大会の参加種目にバスケットボールを書くために黒板の欄に向かっていった。・・・まるで逃げるように素早く。
「はーい、それじゃあ自分が参加する球技大会の種目別にグループを作ってください。」
クラスの全員がそれぞれ参加するスポーツを黒板に書き終わった後、先生の指示でグループ別に分けられることとなった。
一方で、そんなスマイルハピネス達の会話があったことなど露知らずに冬先は自分が参加するスポーツを選んだことを後悔していた。
「うおおおおお!やっぱりカケルはサッカーにしたよな。」「よっしゃー!これで俺たちのクラスが優勝すること間違いないな!」
「アハハ、皆浮かれすぎだって、だけど僕はこのチームのために精一杯頑張るよ!」
「さすがサッカー部のエースは違うな!」
そこは球技大会において「サッカー」に参加するグループだった。そこではたった1人を除いて皆が「カケル」という男子生徒を中心に和気あいあいとしていた。
そう、たった1人を除いて・・・。
(・・・・・参加するスポーツ間違えたなこりゃ。)
冬先はその場のテンションになじめず1人でただただ黙っていた。
(いやー、個人競技は責任感が半端ねえからって集団競技のサッカーにしたけどコイツらの陽キャ感についていけねえ!)
冬先は明るい雰囲気に馴染めずにいた。
(しかもなんか俺以外の人達なんか仲良さそう~~。え?俺だけ?この中でボッチなの俺だけ?!)
冬先の推察通りサッカーに参加するグループは冬先以外全員誰かと話して合っており、この場で何も喋ってないのは冬休のみであった。
(はあ~マジか~~・・・いや分かってはいたけどね?なんか自分がこのクラス・・・っていうかこのアニメの世界に合ってないのはね?だって俺、根暗な陰キャだよ?明らかに子供向けのアニメに似合う性格じゃないよ?でもしょうがないじゃ~~ん。)
冬先は「思考」という名の自分の殻に閉じこもった。
「・・・い・・・・・おい、大丈夫か?」
だがそんな冬先に対して声をかける者がいた。
「え?!あ、はい大丈夫です!」
自分が声をかけられて一瞬気が動転した冬先は大きな声で返事をしてしまう。
「うわっ!ビックリした。・・・なんかあったのか?」
冬先に声をかけた少年は冬先を心配しているようだった。
「あ・・・・いや、えっと、ちょっと考えごとをしてただけです、ハイ・・・。」
冬先はなぜかボソボソと聞きづらい声量で話す。
「そうなのか?まあそれならいいや。なんか1人で固まってるから心配だったからよ。」
少年は気さくに明るく話す。
「ご、ご心配をおかけしました。」
「おう。・・・てか「ご心配」って、ハハハ、もっと気楽に話してもいいんだぜ?」
少年は冬先の対応に笑いながら答えた。
「は、はは・・・・・。」
逆に冬先は乾いた笑いで答える。
「よし!じゃあ放課後練習だな!」「よっしゃあ、頑張ろうぜ!」
2人のやり取りが続いていた中、サッカーのグループは放課後に練習をするという流れになっていた。
(はああああああ?!)
冬先はグループの会話などまともに聞いてなかったため、展開についていけてなかった。
「おいおい、別に強制参加じゃないんだから皆の意見を聞かないと。」
だがグループのリーダー格であろうカケルが皆を落ち着かせる。
「それもそうだな。よし、今日の練習に参加できない人はいるか?」「俺はいけるぜ。」「僕も大丈夫だよ。」
(・・・・やっべえ、参加したくねえ。てかなんで皆ノリノリなんだよ!こちとら球技大会とか興味ねえよ!)
サッカーのグループのメンバーが放課後練習への参加を決めていく中で冬先は参加する気が微塵もなかった。
「タツキはどうする?」
そんな中、グループの1人が冬先に話しかけた少年に向かって「タツキ」と呼んだ。
(!、この人「タツキ」って名前なんだ、俺に話しかけるくらいだからきっと俺と気が合ってもしかしたら・・・・。)
冬先はタツキが自分と同じでサボりたい人間かと期待した。
「おう、もちろん行くぜ。」
しかしそんな期待も虚しくタツキは放課後の練習に参加する。
(ですよねー。チクショーこのクラス、いや、この世界に陰キャはいねえのか~~~~~!!)
冬先は心の中で叫んでいた。
「リュウトはどうするんだい?」
そんな冬先の心情なぞお構いなしにカケルが冬先の練習への参加する意志を聞いてきた。
(いや行きたくねえよ!なんで仲良くもねえのに「皆で団結しよう」って強制参加なんだよ~~~~~!!)「ひ、暇です。」
冬先は自分の心とは真逆の返事をした。
「よし、それじゃあ今日の放課後グラウンドで集合だ!」
(チクショ~~~~~!!あんなんどうやって断ればいいんだよ~~~!!!)
冬先は改めて自分がこのサッカーのグループに入ったことを後悔した。
とりあえず、・・・・・投稿遅れてすんませんでした。
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