26 キングサタンの娘 その①
遅くなりました。言い訳はポケットモンスターソードのランク対戦を「ゴリラ」と「ウサギ」をパーティーにいれずに「インテレオン」をパーティーに入れて対戦するという、とんだ縛りプレイをしていたからです。
・・・・・すいませんでした。投稿頻度は頑張って上げていきたいです(バイトやめようかな)
「いつものハッピーな日常を守ってみせる!いくよ2人とも。」
「任せて!」「うん、がんばる!」
とある日、今日もスマイルハピネスはマイナスランドの刺客から人々を守っている。
「フン、今日こそ決着をつけてあげるわ。行きなさい!ミシンガー、そしてウル!!」
「ミシンガーーーー!」「了解です、バーラ様!」
対するはマイナスランドの刺客のバーラ、マイナスモンスターのミシンガー、そしてウルフェンであった。
「ミシンセンボンバリーーー!」
マイナスモンスターが叫ぶと大量の針がスマイルハピネスを襲う。
「くっ!」「はあっ!」「ひいぃい~~っ?!あ、当たったら痛そう~~!!」
それを避けていくスマイルハピネスを見る傍観者がいた。
(えぇ~~・・・魔法少女のアニメって、あんな物騒な技あんの?)
それは、冬先であった。
冬先はマイナスランドの者達とスマイルハピネスが全体的に見える位置で隠れていた。
なぜ冬先が隠れているかというと、一言で言えばウルフェンが変身して戦えるようにするためである。
ウルフェンは契約上、冬先の近くにいないと力を発揮できないため、冬先がウルフェンの近くで待機することで自分は戦うリスクを減らしてウルフェンの変身を可能とするためだ。
「こっのーーー!」
ピンクがマシンガーに突っ込んでいく。
「させっかよ!!」
「キャっ?!」
しかし、ウルフェンが横からピンクを妨害する。
「どうした?俺のことは眼中にねえってか?なめられたもんだな。」
「・・・!」
妨害が成功したウルフェンはピンクに対して上から目線な態度をとった。
(あのバカ、煽ってどうする?!お前だけじゃ勝てない相手だろ!!そこはバーラ達と合流して乱戦に持ち込めよ!)
しかし、少し離れたところで観ている冬先にとっては、ウルフェンの行動がとても危険なものだと判断し焦っている。
現在、マイナスモンスターとバーラがオレンジとイエローと激しい攻防を繰り広げており、ウルフェンとピンクがお互いに見合っている状態である。
そう、今この現状ではウルフェンとスマイルピンクが1対1である。もしウルフェンとピンクがこのまま対決すると力の差は歴然なのだ。
「ねえ、あなたはどうしてマイナスエネルギーを集めているの?」
だが、ピンクは戦う前にウルフェンに質問をした。
「あ?・・・そうだな、キングサタン様の復活ってのもあるが、自分でマイナスエネルギーを取り込むとな、すげえ力が湧いてくるんだぜ?クク、たまんねえよなあ。」
(わあ・・・すげえ悪役っぽいセリフ~。)
ウルフェンが悪い顔で嬉しそうに答える悪役っぷりに、冬先はなぜか感心していた。
「な?!・・・そんなことのために町の皆からハッピーを奪うの?!」
(って、感心してる場合じゃねえ!あれじゃスマイルピンクの怒りを買うだけじゃねえか?!・・・最悪、1回限りのアレをやるしかねえな。)
しかしピンクが怒ったことにより、再度りゅうとの心に焦りが生じたが、深呼吸をして落ち着くと自分の切れない刀を強く握りしめる。
「・・・・・いや、どうだろうな。人間も悪くないと思ってるし、最近は俺自身のためにマイナスエネルギーを欲しがることはねえな。」
「え?」
だが、ウルフェンの言葉にピンクの動きが止まった。その言葉はピンクにとっては予想外だったからだ。
(ウル・・・・・いや、じゃあ何でアイツ八百屋で人々にトラウマ植え付けたんだよ。ええ、こわ・・・・・。)
一方で冬先はウルフェンに対して若干引いてた。・・・・・だが、そもそも八百屋で人々に恐怖を植え付ける作戦を考えたのは、現在物陰に隠れているこの男でありウルフェンはそれに従っただけなのだが、コイツにそんな考えは頭になかった。
「だがな、それでも俺がマイナスエネルギーを集めない理由にはならねえけどな!!」
そう言うとウルフェンはピンクに攻撃する。
「くっ!だけど、こっちだって皆のハッピーを守るために負けられないんだ!!・・・・・ハピネス・・。」
ウルフェンの攻撃を避けたピンクはウルフェンに向かって「ハピネスショット」の構えをとる。
(させっか・・・よ!!)
それを見た冬先は切れない刀をピンクに向かって思いっきり投げた。
「ショ・・!、くっ!!」
ピンクに向かって投げられた刀はピンクの圧倒的な反射神経に避けられるも、ウルフェンへの攻撃は防ぐことはできた。
(おいおい。予想はしていたけど、今の不意打ちは完璧だったと思うんだが?なにあれ、主人公補正?)
分かってはいても、スマイルハピネスの強さに冬先は唖然としていた。
「あの刀・・・もしかして!!」
ピンクは自分に向かって投げられた刀を見て、刀を投げられた時の方を向くも、そこに気配らしきものはなかった。
「探しても無駄だぜ。コソコソしている卑怯なアイツのことだ、もうとっくに別の場所に逃げ隠れているだろうよ。」
「・・・やっぱり、アナタだけじゃなかったんだね。」
ピンクはアルクが冬先に対して注意を呼びかけていたことを思い出し、先ほどよりも真剣な表情になる。
(はあああっ、あぶねええええ。マジでバレたら一発であの世行きかもしんねえからな、隠れる場所を変えて正解だったぜ。つーか、よくウルはあんなバケモノと戦えてるよな。まあ実際は注意を引きつけてるだけだから、本気で戦ってるわけじゃないけど、だとしても凄いわ。)
冬先は先ほどとは別の場所に隠れながら、冬先とウルフェンがスマイルハピネスと戦う前のことを思い出していた。
時間はウルフェンがスマイルハピネスと戦う3日前のことだった。
「じゃあ俺はスマハピとの戦いの時は、ウルの近くで隠れているわ。」
「おう。リュウトが近くにいれば俺は変身できるからな。それでいいぜ・・・・・まて、「スマハピ」?」
ウルフェンは「スマハピ」という聞きなれない単語に疑問をもった。
「ああ、「スマイルハピネス」の略語だよ。ほら、「スマイルハピネス」って言うの長くてめんどくさいから。」
「・・・そうか。」
「つうかウルはどうするんだよ。ウルだけじゃスマハピに対抗できないだろ。」
「・・・・・考えてみたんだが、正直どうすればいいのか分かんねえんだ。バーラ様と協力するってのは考えてるんだが・・・・・今の俺じゃスマハピには勝てねえ。足手まといだ。」
ウルフェンは自分とスマイルハピネスの圧倒的な力の差に悔しそうな様子だった。
「ふーん。」
一方で冬先はまるで興味がない様子で聞いていた。
「だから頼む!リュウトのそのずる賢い卑怯な知恵を借りたいんだ!」
「はあ?!いやいや、俺なんかが力になれるわけがないだろ・・・・おい、お前さらっと俺のことバカにしたろ。」
しかしウルフェンの発言によって、さっきまで興味がなかった冬先は慌てたりツッコミを入れてしまう。
「すまん。だが、このまま何もできねえのは悔しいんだよ!」
「・・・別に戦う必要なんてないだろ。」
「は?」
「ああ、いや、スマハピと戦うのを諦めろってわけじゃねえよ。なんつうのかな・・・誰でもいいから、スマハピの誰か1人の注意を引き付ける、それだけでも十分だろ。」
「戦わなくていいのか?」
冬先の助言にウルフェンは「信じられない」といった様子だ。
「いや簡単に言ってるけど、スマハピの誰かと1対1で相手の攻撃を避けながら相手の注意をこっちに向けるっていう、要は囮みたいなもんだからな?命がけだぜ。」
「・・・だとしても、俺はスマハピを倒さなくていいのか?」
「当たり前だろ。そもそもバーラとウルが協力してスマハピと戦うとするだろ?だが、戦力差ではウル達の方が圧倒的に不利だ。だから戦闘力が低いウルがバケモノじみた戦闘力のスマハピを1人でも引きつけることができたら、バーラとマイナスモンスターは戦いやすくなるんじゃね?」
「・・・・・。」
ウルフェンは何も言わずに何か考え込んでいるようだ。
「・・・別に無理して俺の言うことを聞かなくても・・。」
「ん?ああ、いや、いいと思うぜ。ただリュウトが真面目なこと言うから驚いただけだ。」
「そうか。ならいいや・・・・いや、待てどういう意味だコノヤロー。」
こうしてウルフェンはスマイルハピネスとの直接的な戦闘をすることはなく、ただ注意を引き付けることだけにするようになった。そうして現在に至る。
「ハァッ!」
「おっと、あぶねえ。」
「う~~~っ、すばしっこい!」
そして今、ピンクとウルフェンは激しい攻防が繰り広げられており、ウルフェンが防戦一方だが紙一重でピンクの攻撃をすべて避けていた。
(すごいなウルの奴、スマハピの攻撃を全部避けてやがる。)
その様子を見ている冬先はウルフェンの回避能力に感心していた。
「おいおいどうした。そんなんじゃ俺を倒すことなんてできねえぜ?」
ウルフェンはピンクの攻撃をすべて避けると、ピンクに対して「挑発」ともとれる行動をした。
「ハァ、ハァ、こうなったらもう一度・・!」
それを真に受けたどうかは定かではないが、ピンクが「ハピネスショット」の構えを取る。
「おいおい、やばくないか?いくらウルでもアレは避けれねえだろ・・・!!」
その様子を見た冬先は慌て始めるも、今の自分には切れない刀を投げてしまったので、どうすることもできなかった。
「キャアアアア!」「ぐあああっ!」
だが次の瞬間、冬先達から少し離れたところで大きな爆発音が出ると、イエローとオレンジの叫び声が聞こえた。
「オレンジ?!イエロー?!」
叫び声を聞いたピンクはハピネスショットの構えを解くと、すぐさま2人の元に飛んでいった。
「え?お、オイ!俺様をほっといていいのか?!・・・クソっ、どうすればいいんだ?」
ウルフェンが挑発をするも、ピンクには聞こえていないのか一目散にオレンジとイエローの元へ行ってしまう。
「あ、あぶねーー、あのままだったら危なかったよな・・・。」
ウルフェンがどうすればいいか分からず悩んでるのに対して、冬先は一安心していた。
「リュウト!この後どうすればいい?」
だがしかし、ウルフェンはピンクを追いかける気なのか冬先に助言を求めた。
「はあ?!お前、正気か?!あのまま続けてたらヤバイだろ!!」
これには冬先もウルフェンの発言に反論する。
「頼む?!リュウトの卑怯な考えが必要なんだ!」
(だからそれ褒めてねえだろ・・・なんでそんな真剣な目が出来るんだよ・・。)
しかし、ウルフェンの真剣な眼差しを見た冬先は動揺してしまう。
「・・・多分こっからはバーラとスマハピの乱戦になる。だから、ウルは本格的に戦わずにヒットアンドアウェイでスマハピにちょっかいをかけてスマハピの集中力を分散できれば上出来だろ。」
「ヒット、アンド、アウェイ?」
「ああ・・・俺も詳しくは知らねえけど、用はスマハピに奇襲する、逃げる、奇襲する、逃げるを繰り返すこと。」
「なるほど・・・リュウトらしい卑怯な戦い方だな!」
冬先の助言を理解したウルフェンはスマハピの元へ向かおうとする。
「絶対バカにしてるだろお前!!・・・あ、ちょっと待ってくれ。」
だがスマハピに奇襲しようとするウルフェンに、冬先が「待った」をかけた。
「どうした?」
「悪い、一回変身を解くわ。」
「な?!それって俺の変身も解けるだろうが?!」
冬先の言葉にウルフェンは驚いた。
なぜならば、ウルフェンの変身は冬先が変身していることが条件なので、冬先が変身を解除するということはウルフェンの変身も自動的に解除されるということだからだ。
「待て待て、別に逃げようってわけじゃねえよ。ヒットアンドアウェイで思いついたんだが、俺が投げたなまくらって今スマハピの近くにあるだろ。」
冬先が指を指した方向には、切れない刀が落ちてあり、その近くでバーラとマイナスモンスターがスマイルハピネスと激闘を繰り広げていた。
「ああ。それがなんだよ?」
「あれを俺が取りに行こうとすると、スマハピの前に現れなきゃいけないだろ?それは俺にとって最悪なパターンだ。」
「だろうな。」
「だけど俺が変身を解くと、あのなまくらも消えるんじゃないか?」
「・・・考えたことはねえが、そうかもしれねえな。」
「じゃあ、もう1回変身したら、なまくらも俺の手元に戻ってくるだろ?」
「!!!、そうすりゃ、ヒットなんとかができるってことか!!」
冬先の考えにウルフェンは理解した。
冬先の考えというのは、つまるところ自らの変身を利用した、「無限になまくら刀をノーリスクで投げ続けることである」。
「そういうこと。よし、解除だ。」
そう言って冬先が変身を解くと、落ちていた刀も消えていった。
「・・・気に入らねえが、やっぱすげえな・・。」
「ん、なんか言った?」
「なんも言ってねえよ。」
ウルフェンが呟くも冬先がその言葉を聞きとることはなかった。
「そうか・・・よし!!」(やっぱ「変身!」とか恥ずかしくて言えんな。)
特に気にする様子もなく、冬先は再度変身しようとした。
「・・・・・・おい、どうした?はやくしろよ。」
「・・・・・・変身できねえ・・・。」
「は?」
しかし、冬先は変身することができなかった。
「あ~~~・・・・・・。」
冬先はチラっとウルフェンの表情を見る。
「・・・・。」
ウルフェンは無言で、すでに冬先の顔を見ていた。
「・・・・・・ハハハ。・・・!!!!!」
冬先は苦笑いすると、バーラやスマイルハピネスが戦っている方向とは真逆の方向に全速力で走る。
「・・・ハハ・・待ちやがれリュウトーーー!!!」
ウルフェンは冬先を全速力で追いかけていった。
こうして冬先とウルフェンは戦線から離脱した。
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