25 こうして冬先は・・・・・・・・・・・・・・・・した。
前回、なるべくプ〇キュアの世界観はだけパクりますとか言っておきながら、ス〇イルプリキュア見たら、意図せずパクったものが多すぎたので、一から小説を作り直そうかと思ったが、めんどくさいので、いっそギリギリまでパクろうと思っています。
とりあえず・・・・ス〇イルプリキュアのファンの皆様、ごめんなさい。
「食らいやがれえええッ!!」
「くっ!!」
ウルフェンのかぎ爪がイエローの背中を掻っ切った。
「イエロー!!!」
「さっちー?!」
オレンジとピンクの顔が険しくなる。
「だ、大丈夫!そんなに痛くなかったから!!」
しかし思ってたよりイエローは無事だった。
「よ、よかったあ~~。」
イエローの無事を確認したオレンジは大きく胸をなでおろす。
「チッ、やっぱ今の俺じゃダメか・・。」
「あー!よく見たらアンタ、この前の犬のウルじゃない?!」
「だから俺は犬じゃねえ!せめて狼にしやがれってんだ!!!」
悔しそうに自分の爪を見るウルフェンだったが、オレンジの発言にウルフェンはオレンジに向かって怒りを叫ぶ。
「ウル?!なんでこんなところに・・・。しかし、彼にスマイルハピネスと渡り合える力はない・・・今回はここまでのようね。」
一方で予想外の乱入者に驚いたバーラだったが、お互いの戦力を冷静に比較し、これ以上の戦闘は困難だと判断する。
「逃げる気?!」
「ええ、これ以上は戦うだけ無駄だもの・・・ウル!来てもらったところ悪いけど、今日のところは撤退よ!援護するので、その隙に逃げなさい!!」
「!、分かりました!!」(正直、助かった。悔しいがリュウトが近くにいねえと、力を発揮することができねえ。)
バーラの撤退にウルフェンは正直に言って安心する。
「逃がしちゃダメキュ!」
「分かってる。アイツには借りがあるからね。」
「私もやるよ!!」
(とは言ったが・・・ヤベェな、コイツらから逃げるのは、かなり難しいな。)
しかしウルフェンが逃げようとしても目の前にはスマイルハピネスが2人も立ちはだかっており、迂闊には動けなかった。
ウルフェンは視線をバーラの方に向けてみたものの、バーラはピンクと戦っている。
「そこをどきなさい!!」
「させない!!」
バーラの援護は望めない状況だった。
「あれ、そういえばウルの他にもう1人誰かいたような・・・。」
「あ!そ、そうだ忘れてたキュ!!!」
ウルフェンが追い込まれている中、イエローがいつもウルフェンの隣にいた冬先の存在が見当たらないことを疑問に思った瞬間、突然アルクが慌てて叫んだ。
「どうしたんだい、アルク?」
「今、目の前にいるウルの他に、もう1人の変なお面を着けているマイナスランドの刺客には奇妙なマイナスエネルギーを感じるって、クイーンミカエル様が言ってたキュ!」
「な?!クイーンミカエルだと!!」
アルクが「クイーンミカエル」の名を口にするとウルフェンは驚きを隠せず、うっかり声をあげてしまう。それほどまでに重要なことだからだ。
「クイーンミカエルって、確かアルクが住んでいるエンジェルランドの女王様だっけ?」
「クイーンミカエル様だキュ!」
アルクはオレンジに怒りながらも、頭の中ではある思い出が思い起こされていた。
いつの事だと言われば、それはちょうどベジタバーンというマイナスモンスターとスマイルハピネスが戦っている時だった。
周りが豊かな自然に囲まれているエンジェルランドの中でも、一際存在を放つ立派なお城の玉座でアルクの他にもう1名、神々しい存在がアルクに話しかけていた。
「アルク、この前のことですが、また見事にこの世界をマイナスランドの刺客から守ってくれましたね。」
彼女は優しくアルクに話しかける。
「もっちろんだキュ!ミカエル様のスマイルリングでバッチリ倒したキュ!!」
アルクはとても自慢げに話す。
「フフ、そうですね。・・ところで「ウル」と言いましたか、それと表情が分からないお面を着けているマイナスランドの刺客、・・・彼らは取り逃がしてしまったようですね。」
「う、・・ご、ごめんなさいキュ・・・。」
彼女が少し残念そうにしていると、アルクは落ち込み彼女に謝罪した。
「ああ、大丈夫ですよ。気にさせてしまったらごめんなさい。悪気はないのよ、ただ彼らのことは気を付けておいてほしいの。特にお面を着けている彼、彼からは、その・・・なんていうか、いつものマイナスランドの刺客とは少し特殊なエネルギーを感じたの。」
この言葉を最後にアルクの思い出は一旦途切れる。
「とにかく、お面を着けている彼には気を付けてってクイーンミカエル様が言ってたキュ!!」
「な?!」(バカな?!クイーンミカエルがリュウトを警戒しているだと・・まさかリュウトが人間だとバレた?!いや、だが俺とリュウトはクイーンミカエルに1回もあったことはねえぞ?!・・・クソ、考えたところで今の状況がよくなるわけでもねえ!!!)
アルクの発言にずっと驚かされっぱなしのウルフェンだったが、自分が追い詰められていることを再認識して冷静になる。
「そういうことなら気をつけた方がいいかもね。アタシが前に戦った時、仲間を囮に使って自分は見えないところから攻撃してくるような奴だからね。」
一方でアルクの話を聞いたオレンジは、周囲に木がたくさん生えている林を警戒し始める。
(!、まさかコイツ、いるはずもねえリュウトを警戒してんのか?・・・正直このやり方はリュウトが使いそうな手だから俺は好きじゃねえが、そんなこと言ってらんねえ!!)「フン。よく分かってんじゃねえか、アイツは今もそこら辺でお前らを狙っているぜ!」
ハッタリである。スマイルハピネスが実在しない冬先を警戒しているために、ウルフェンはハッタリをかけて少しでも逃げられる確率を上げようとする。
「ど、どうしよう。どこにいるか分からないんじゃ、動けないよ。」
「気を付けて、アイツはアタシ達が見えないところから刀を投げてくるような奴だから!」
そしてハッタリは見事にスマイルハピネスを惑わしている。
(よし効いていやがる!もうひと押しやってみる価値はある!!)「その通りだぜ!俺ばっかりに気をとられてやがると・・・・。」
ウルフェンがさらにハッタリをかけようと、大げさに声を出している途中のことだった。・・・突然ウルフェンのサイズが中型犬から一回り大きくなった。
「!、気を付けて!アイツやる気だよ!!」
突然ウルフェンが大きくなったことに、オレンジはウルフェンが戦闘態勢に入ったとみなしイエローとアルクに警戒の指示を強めた。しかし、ウルフェンにそんな意図はまったく無かった。
(前にリュウトが「変身」といってた奴は俺がリュウトの近くにいなきゃできねえものだ。・・・・つまり、まさか近くにいるのか?アイツが?!)
ウルフェンは周りを気にし始める。すると自分の後ろで馴染みのあるマイナスエネルギーを感じる。
「・・・フン、悪いなお前たち。今の俺じゃてめえらには勝てねえわ。」
「え?」
仕掛けてくるだろうと思っていたスマイルハピネスは、ウルフェンの弱気な発言に狐につままれたような顔をする。
「バーラ様!俺は自力で逃げれます!!」
ウルフェンはバーラに向かって叫ぶと、スマイルハピネスに背を向けて全力で林の中へ逃げこんでいく。
「・・・ハ?!ま、待てーーー!」
呆気にとられていたオレンジが我に返るとウルフェンを追いかけるが、先ほどの戦闘での疲労が溜まっており全力疾走のウルフェンを追いかけるのは困難な様子だ。
一方でウルフェンは、ある木に向かって走っており目的の木を通り過ぎる瞬間にその木に隠れている者を見つける。
「逃げるぞ、リュウト!!」
「え?お、おう・・・。」
木の陰に隠れていた冬先に向かって逃避の指示を出したウルフェンはそのまま逃げていき、冬先もウルフェンの後を追っていく。
「フン、それじゃここまでのようね。次こそは覚えていらっしゃい。」
「あ、待ちなさい!!」
バーラもウルフェンが林の中へ逃げるのを確認すると闇のゲートを創り、その中へ消えていった。
「くっそ~~~、逃げられた~~!」
一方でオレンジはウルフェンを追いかけて林の中へ追いかけるも、見失ってしまい悔しそうな様子だった。
「ハァ、ハァ・・しょうがないよ、私たちさっきまでマイナスモンスターと戦ってたばかりだもん。」
イエローは「しょうがない」と言ってはいるが、見失うまで真剣に走っていたためか息切れを起こしていた。
「2人共~~、待ってよ~~~!」
「ウルは見つかったキュ~~?」
オレンジとイエローが立ち止まっていると後ろからピンクとアルクが追いかけてきた。
「え~と・・ゴメン、2人とも!逃げられた!」
オレンジは申し訳なさそうにピンクとアルクに謝る。
「ハァ、ハァ、ううん2人が無事ならそれだけでハッピーだよ。それよりも、さっちー凄かったよ!ドバーンって雷を出して、私おへそを取られちゃうかと思ったよ~。」
「ええ?!そ、そうかな?」
ピンクは気にしている様子はなく、それよりもイエローのことを褒める。そして褒められたイエローは突然のことに慌ててしまう。
「そうだキュ!今日の主役はイエローで間違いないキュ!!あ、も、もちろん本当に頑張ったのはアルクなんだキュけど?」
「そうだね、アタシもイエローに助けられたからね。」
「・・・!!えへへ~、ありがとう!」
アルクやオレンジもイエローを褒めると、イエローは恥ずかしそうに体をもじもじさせながらも、とても嬉しそうだった。
「ゼェ、ゼェ・・・ここまで逃げれば、スマイルハピネスも追ってはこれんだろう。」
一方、スマイルハピネスから必死に逃げていたウルフェンと冬先は、流しそうめん大会の会場の近くまで逃げ切っていた。
「ハァ、ハァ・・・なんだ、俺が様子を見に行った時には、もうスマイルハピネスが勝っていたのか。」
「ああ、まあな。」
「「・・・・・。」」
2人の間に重い空気がのしかかる。
「なあ、リュウト・・・さっきのことなんだけどよ・・。」
先に口を開いたのはウルフェンからだった。
「ああ、そのことなんだけどよ、そもそもウルは勘違いしてるよ。」
「え?」
だがウルフェンの言葉を遮るように冬先が言葉を被せる。
「そもそも俺は人間だ。正直言ってスマイルハピネスと命がけで戦う気なんて、これっぽっちもねえ。」
「まあ、そうだな。」
「ウルはさっき俺に、なんで俺がウルより強いのにウルより役にたたないことに対して何か言ってたけど、やる気のない俺が、やる気満々のウルより役に立つわけないだろ。」
「た、確かに・・。」
冬先の言葉にウルフェンは一理あるといった様子だ。
「大体、俺は命がけで戦う気なんてねえのに、命がけで戦うウルより役に立つわけがねえだろ。」
「そうだな・・・・すまん!俺の勘違いだった!!」
「え?!お、おう・・・別に謝る必要はないぞ?」
ウルフェンは「そうだな」と一言もらした後、冬先に向かって大きな声で謝罪する。
ウルフェンは自分が勘違いしたと思った。そもそも冬先は自分が巻き込んだようなもの。そんな冬先に命がけで戦えなんて、マイナスランドにいる自分ならともかく、人間である冬先には無茶ぶりもいいところであると思った。
一方で冬先の方はウルフェンの突然の謝罪に戸惑っていた。
「いや、リュウトの言う通りだ。それを俺は何も考えずにリュウトにあたってしまった。お前がだらしないことはよく分かってるはずだったのに・・!」
「いや、俺もすぐに弁明しなかったことも悪いと思ってるから・・・おい、今サラッと俺のことバカにした?」
「それだけじゃねえ。結局、俺は今日もスマイルハピネスに手も足もでなかった・・・。情けねえ話だぜ。バーラ様にも迷惑かけちまった。」
ウルフェンは今日の自分の活躍を思い出して落ち込んでしまった。
「ああ・・・別によ、ウルはタイミングが悪いだけで決してスマイルハピネスと戦えないわけじゃねえと思うぜ。」
「え?」
しかし冬先のまさかの発言にウルフェンは目を丸くする。
「確かに俺やウルだけじゃスマイルハピネスには絶対に勝てない。だけどバーラやマイナスモンスターと協力して戦えばいいだろ。つーか前にそんな感じで戦った気がするし。」
「そういや、信号機のマイナスモンスターの時はバーラ様と協力して・・・たか?」
「まあとにかく、サポートすることぐらいはできるだろ。」
「・・・そうだな、こんな体になっちまったが、まだ俺にできることはあるよな。」
ウルフェンは落ち込んでいた顔をゆっくりと上げる。
「あ、いたいた。お~い、りゅうと~~~!」
突然、冬先とウルフェンがいる場所から離れたところで2人にとっては馴染み深い声が聞えた。
「あれは・・・母さん?・・って父さんもいるじゃん。」
冬先は何故自分の父と母がいるのか分からなかった。2人と別れた後そこまで時間はたってないので、冬先にとっては2人はまだ流しそうめん大会を満喫しているはずだったからである。
「あら?ウルちゃんもいるじゃない。りゅうとがどっか行っちゃった後にウルちゃんもどっか行っちゃうから驚いたわ。」
りゅうとの母はウルが突然どっか行ってしまった時のことを思い出し、一安心する。
「そうそう。これは探すのが大変かなと思っていたけど、りゅうとのとこにいたのは助かったね。きっとウルは、りゅうとになついてるんだろうね。」
りゅうとの父は微笑ましく2人を見つめる。
「いや、それはない。」
「ガウッガウッ!!」
ウルフェンとりゅうとは即座に否定した。
「つーかなんで父さんと母さんがここにいるんだよ。流しそうめん大会は?」
「そうそう、聞いてくれよりゅうと。あの後、大変だったんだぞ?」
「?」
冬先が親に流しそうめん大会はどうしたのかと疑問を投げかけると、りゅうとの父が少し嬉しそうに話すのでりゅうとは何のことか分からずに困惑する。
「りゅうとがどっか行っちゃった後ね?突然お母さんがそうめんを流している一番上の方に行って、「大量のそうめんを分けてください!」って言ったんだよ。」
「え?・・・母さん、そんなにそうめん食いたかったの?」
父の発言から読み取れる母の破天荒な行動にりゅうとは理解が追いつかなかった。
「?、違うわよ。だって私たちが流しそうめん大会に参加していた時、下の方にいたでしょ?でも下の方だと上の方にいる人たちにそうめんが食べられてないでしょ?だからそうめんを流している人にそうめんを分けてもらって、下の方にいる人たちに流しそうめんしたのよ。」
「・・・・・。」
「え?そんなことあったの?」と言わんばかりの顔でウルフェンの方を見ると、ウルフェンは無言で頷いて答えた。
「いやあ、あの時はパパも驚いたよ。でもママのおかげでそうめんをたくさん食べられなかった子供たちの笑顔を見れたら、なんか嬉しくなっちゃったね。」
りゅうとの父は嬉しそうに話した。
「そっか・・・・・あれ?じゃあ何で父さんと母さんはここにいるの?流しそうめん大会ってまだ終わってないだろ。」
楽しそうに話す父と母を見て、微笑ましそうに見ている冬先だったが、なおさら2人が流しそうめん大会を抜け出して自分たちを探しているのか分からなかった。
「そんなの、ウルがどっか走って行っちゃったからパパとママで探しに行ったんじゃない。」
「・・・・・。」
冬先は無表情でウルフェンを睨むと、ウルフェンはりゅうとからそっぽを向いていた。
ピ~んポ~んパ~んポ~ん
突然、チャイムが鳴った。
「はい!それでは流しそうめん大会を終了します!みんなそうめんたくさん食べれたかな?またの参加を、お待ちしておりま~~す!」
ピ~んポ~んパ~んポ~ん
チャイムが鳴って、流しそうめん大会が終了した。
「・・・・・よし、今日の晩御飯は「そうめん」ね!」
「え?!いやいや、そうめんもう食ったじゃん!」
母の発言に冬先は驚く。
「だってこのままじゃ、そうめん不足でやり切れないじゃない。もしかして、そうめんが嫌いなの?」
「いや嫌いっていうか、何か晩御飯にそうめんって、味気なくて「晩御飯を食った」って気にならないじゃんか。」
「じゃあ今日は味気のある甘い野菜にする?」
「ぐ・・・・そうめんが、イイです・・。」
そうめんを食べることに否定的だった冬先だったが、母からの「そうめん」か「野菜」の2択に、りゅうとは渋々「野菜」を選択した。
「ハハハ、今日はそうめんか。」
「笑いごとじゃねえよ父さん。父さんだって晩飯はそうめんなんだぜ?」
「?、いいじゃないか、そうめん。なんなら野菜も付いてくると嬉しいなぁ。」
「勘弁してくれ・・・。」
父の気楽さにりゅうとは心が折れた。
「諦めなさい。そうめんや野菜が苦手な人なんて、ウルちゃんも含めて家ではアンタしかいないよ。」
そう言いながらりゅうとの母は家に帰るために山を降りていく。
「はあ、まじかよ・・・・・・・・・・。」
お前の、やる前から無理だと思っているやる前から無理だと思っている考えが気に入らねえ。
急に冬先の頭にウルフェンの言葉が響く。
(別に・・・しょうがねえだろ、どうせ俺なんかには無理だろ。うん、しょうがないだろ。だってスマイルハピネスは主人公だし、勝てっこないだろ。そもそも俺には関係ないし・・・・。)
こうして冬先は、また自分に言い訳して楽な道に逃げた。
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